注射薬配合変化データブック
編集 | : 北原隆志/山ア博史/和田光弘 |
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ISBN | : 978-4-524-23074-7 |
発行年月 | : 2024年11月 |
判型 | : B5判 |
ページ数 | : 464 |
在庫
定価9,680円(本体8,800円 + 税)
- 商品説明
- 主要目次
- 序文
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注射薬の配合変化および配合の可否の確認に役立つ実用書.インタビューフォームや配合変化表に加え,一部の薬剤では独自に実験を行い,その結果をもとに配合可否を判定.pH変動と配合変化に関する情報に絞り,配合可否,配合条件,根拠などを表形式でわかりやすくまとめている.現場で必要な情報をコンパクトに収録した一冊.
序論
各論:注射薬配合変化データ
付録:輸液予備容量
薬効群別インデックス
感染症に使用する薬剤
抗菌薬
抗ウイルス薬
抗真菌薬
抗悪性腫瘍薬
炎症・免疫に関する薬剤
副腎皮質ステロイド
免疫抑制薬
抗ヒスタミン薬
輸液・栄養製剤等
骨・カルシウム代謝薬
ビタミン製剤
輸液・栄養製剤
腹膜透析用薬
血液に作用する薬剤
血液製剤
造血薬
抗血栓薬
止血薬
循環器に関する薬剤
降圧薬
狭心症治療薬
血管拡張薬・循環改善薬
心不全治療薬・昇圧薬
不整脈治療薬
利尿薬
消化器に関する薬剤
消化器機能調整薬
プロトンポンプインヒビター
H2受容体拮抗薬
肝疾患治療薬
膵疾患治療薬
神経に関する薬剤
自律神経作用薬
抗精神病薬,抗うつ薬,抗不安薬
抗てんかん薬
制吐薬
パーキンソン病治療薬
脳卒中治療薬
鎮痛薬・麻薬
麻酔時使用薬
呼吸器に作用する薬剤
去痰薬,呼吸障害改善薬,喘息治療薬
その他
インターフェロンβ製剤
抗甲状腺薬
インスリン
婦人科用薬
機能検査薬
視床下部・下垂体ホルモン薬
中毒治療薬
その他
一般名インデックス
数字・欧文
和文
注射薬の配合変化に関する情報は,医療現場での安全かつ効果的な治療を実現するために非常に重要です.配合変化とは,異なる注射薬を混合した際に生じる物理的・化学的な変化であり,これにより薬剤の効果が低下したり,患者に有害な影響を与えたりする可能性があります.
配合変化に関する情報は薬剤の効果を最大限に引き出すために不可欠です.特定の薬剤が他の薬剤と混合することでその効果が減弱する場合,その情報を事前に知っておくことで適切な投与方法を選択することができます.また,配合変化によって生成される不溶性物質や有害な副産物は患者にとって重大なリスクとなります.これらのリスクを回避するためにも配合変化の情報は非常に重要です.たとえば,特定の薬剤が混合されると沈殿物が生成される場合,その情報をもとに適切な対策を講じることができます.
注射薬はこれまで病院内で使用されることが多く,このため配合変化の情報は主に病院薬剤師が活用してきました.しかし最近では,在宅医療の推進などに伴い,薬局薬剤師も注射薬の調製を行う機会が増えてきています.今後,薬局薬剤師が注射薬調製において配合変化情報を有効活用したり,他の医療者に情報提供したりすることが増えると思います.配合変化情報を活用することで,混ぜてはいけないという情報以外にも,異なる薬剤を別々のルートで投与する方法や投与前後に生理食塩水でフラッシングを行う方法を提案することができます.
配合変化情報を入手するには,科学的根拠に基づく文献や製薬企業から提供される資料を検索する必要がありますが,多忙を極める医療現場においては,時間を有効に使うためにも情報を整理した書籍の有用性は疑う余地がありません.本書では,実際に病院の医薬品情報室に問い合わせがあった配合変化の組み合わせを調査し,対象薬剤に盛り込みました.現場ですぐに利用できることを考慮し,まず「配合可」か「配合不可」かが一目でわかるようにレイアウトしています.序論としてpH 変動スケールの使い方も解説していますので,pH 変動スケールの情報がある薬剤は活用して欲しいと思います.また,文献データなどがない薬剤の一部については山口東京理科大学薬学部で実験を行い,データを追加しています.
チーム医療として多職種が配合変化の情報を共有し,患者の治療計画に積極的に関与することにより,配合変化によるリスクを最小限に抑え,患者に最適な治療を提供することができます.また,教育プログラムや研修に配合変化に関する内容を加えることで,知識と技術が継承され,医療現場での安全性が向上します.本書が多くの医療現場において活用され,患者さんに最適な医療が提供されることを願っています.
2024年10月
編者を代表して
北原隆志
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