教科書

シンプル理学療法学シリーズ

理学療法概論テキスト改訂第4版

監修 : 細田多穂
編集 : 中島喜代彦/森田正治/久保田章仁
ISBN : 978-4-524-23052-5
発行年月 : 2023年3月
判型 : B5
ページ数 : 228

在庫あり

定価4,400円(本体4,000円 + 税)


サポート情報

  • 商品説明
  • 主要目次
  • 序文

初学者が理学療法と理学療法士の全体像を理解しやすいように平易な言葉や具体例を用いて解説.医療・福祉・保健の現場の様子など理学療法士を目指す学生に必要な情報をコンパクトにまとめた.補足資料は二次元コードを本文の対応箇所に付けることでスマートフォンなどを用いて閲覧可能とした.「理学療法士作業療法士国家試験出題基準令和6年版」に対応し、理学療法(士)を取り巻く最新の状況をつかめる内容となっている.

理学療法とは
 1 理学療法って何だろう?
  A 理学療法の定義
  B 理学療法を構成する各種技術
  C 理学療法の歴史
  D 理学療法とリハビリテーション
  E 理学療法と障害
 2 理学療法士に関連する法律を学ぼう
  A 法規の種類
  B 「理学療法士及び作業療法士法」の誕生
  C 「理学療法士及び作業療法士法」を解剖する
  D その他の関連法規
専門職としての理学療法士
 3 理学療法士の役割
 3—1|理学療法(士)に求められる使命,倫理って何だろう?
  A 理学療法士の使命
  B 理学療法士の倫理
 3—2|理学療法の対象・領域って何だろう?
  A 理学療法の対象
  B 理学療法の領域
 4 理学療法士に求められる臨床思考って何だろう?
  A 臨床推論clinical reasoning(クリニカルリーズニング)
 5 理学療法の実際ってどんな流れなの?
  A 理学療法の流れ(理学療法過程)
  B クリニカルパス
 6 理学療法士って,どんなところで活躍しているの?
 6—1|医療の現場
  A 医療の場の分類
  B 理学療法士が活躍する医療の場
  C 医療の場の実際
 6—2|福祉の現場
  A 理学療法士が活躍する福祉の場の変遷
  B 福祉の場の実際
 6—3|保健の現場
  A 地域包括ケアシステムにおける予防の取り組み
  B ヘルスケア
  C ウィメンズヘルス・メンズヘルス分野の理学療法
 6—4|スポーツの現場
  A スポーツ関係に従事する理学療法士
 6—5|教育・研究の現場
  A 理学療法士が働く教育・研究施設
  B 教育・研究に従事する理学療法士
 7 理学療法士の職能って何だろう?
  A 理学療法士で組織される職能団体
  B 世界理学療法連盟
  C アジア理学療法連盟(ACPT)
  D 諸外国の理学療法教育制度と直接診療(開業権)
  E 公益社団法人 日本理学療法士協会(JPTA)
  F 日本理学療法士連盟の歩み
理学療法士と教育
 8 理学療法(士)教育とは?
  A 世界における理学療法教育の変遷
  B わが国における理学療法教育の現状と課題
  C 医学教育に相応したCBTやOSCEにたどり着けるのか
  D 臨床実習のあるべき姿
  E 卒後教育システム
 9 フィールドワークをやってみよう
  A 病院または施設見学
  B QOLを求めて
  C QOLを意識したフィールドワーク
 10 理学療法研究ってどうすればいいの?
  A なぜ理学療法士に研究が必要なのか
  B 研究の対象とデザインの作り方
  C 研究とEBPT
  D 研究に必要な統計的知識
  E 理学療法士はどのように研究成果を公表しているか
理学療法士に必要な管理や運営
 11 理学療法士に必要な管理や運営上,知っておくべきことって何だろう?
 11—1|理学療法と報酬
  A 医療保険
  B 介護保険
  C 医療経済学の視点の必要性
  D 業務上かかわってくる社会資源について
 11—2|理学療法と管理
  A 管理する必要性
  B 医療上の管理
  C 医療事故の防止―二度と起こさないために
  D 感染予防策
参考文献
索 引

改訂第4版の序

 理学療法概論に関するテキストは非常に多くのものが刊行されているなか,「シンプル理学療法学シリーズ」の第1巻目『理学療法入門テキスト』は2007(平成19)年12月に初版を刊行し15年が経過した.
 2013(平成25)年の改訂第2版では,『理学療法概論テキスト』に書名を改称し,講義の実情を踏まえ章立てを含めた内容を大幅に見直した.初版の刊行後,日本理学療法士協会から2010(平成22)年4月に『理学療法教育ガイドライン』と2011(平成23)年11月に『理学療法診療ガイドライン 第1版』が発行されたことを受け,理学療法学教育モデル・コア・カリキュラムや理学療法の16の領域における理学療法評価及び介入に関する推奨グレード,エビデンス情報などの概要を網羅した.また,さまざまな養成校が学生の臨床実習前の技能評価として取り組みはじめている客観的臨床能力試験(OSCE:objective structured clinical examination)のMOVIE(動画)を含めた関連資料等を紙面及びウェブサイト上に掲載した.特に,これまでの書籍にない新たな特長として,介護・診療報酬など逐次改定される情報は必要に応じて南江堂のウェブサイト上で参照できるように最新情報を更新するように努めた.
 2017(平成29)年の改訂第3版では,フルカラー印刷に移行したことが最大の特長であり,より分かりやすい図表に更新することができた.また,ウェブサイト上に掲載されている情報は,本文の対応箇所に二次元コードを設け,スマートフォンなどを用いて即時的に閲覧できるように工夫した.また,国家試験問題の多様化に即した国際生活機能分類(ICF)の内容を追記し,診療参加型臨床実習に活用可能なチェックリスト(サンプル)もウェブサイト上に提供した.
 今回の改訂第4版では,『令和6年度国家試験出題基準』に新たに明記されたキーワード等の解説に加え,記載内容を反映した図表も多く取り入れている.また,これまでよりも多くの二次元コードを付記し,臨床的にも活用可能な情報を提供するように工夫している.
 本書は,初学者が理学療法(士)の意味を理解しやすいように可能な限り平易な言葉や文章を用いるよう努めている.また,ページ数を抑えることをコンセプトとしているため,これまで通り社会情勢に応じて変更されるような最新情報等は,本書の改訂とは別に,南江堂のウェブサイト上での更新に努めていきたい.今後の改訂にあたり,本書の活用を通して講義担当の先生方や学生諸君からの忌憚のないご意見・ご批評をいただければ幸いである.

令和5年2月
編者を代表して 森田 正治

9784524230525