食品学II改訂第4版
食品の分類と利用法
編集 | : 和泉秀彦/熊澤茂則 |
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ISBN | : 978-4-524-23007-5 |
発行年月 | : 2022年2月 |
判型 | : B5 |
ページ数 | : 248 |
在庫
定価2,750円(本体2,500円 + 税)
- 商品説明
- 主要目次
- 序文
食品の分類と利用法についてわかりやすくまとめたテキスト.管理栄養士国家試験出題基準をふまえたうえで,食品学の基礎的内容をていねいに解説しているのが特徴.今改訂では,日本人の食事摂取基準(2020年版),日本食品標準成分表2020年版(八訂)に対応したほか練習問題・解答を解きやすく精査した.姉妹書の食品学Iとの併用により効果的な学習が可能.
1章 序論
1 生産様式による分類
2 原料による分類
3 主要栄養素による分類
2章 食品成分表
1 食品成分表の特徴
2 食品成分表2020年版の概要
3章 植物性食品
A 穀類
1 こめ
2 こむぎ
3 おおむぎ
4 とうもろこし
5 そば
6 その他の穀類
B いも類
1 いも類の種類と性状
2 いも類の化学成分
3 いも類の利用
C 豆類
1 豆類の種類と性状
2 豆類の化学成分
3 豆類の利用
D 種実類
1 アーモンド
2 えごま
3 ぎんなん
4 くり
5 ごま
6 ピスタチオ
7 くるみ
8 ココナッツ
9 カシューナッツ
10 ひまわりの種
E 野菜類
1 野菜類の種類
2 野菜類の性状と化学成分
3 野菜類の利用
4 主な野菜の性状,化学成分および利用
F 果実類
1 果実類の定義
2 果実類の分類
3 果実類の化学成分
4 収穫後の生理変化と貯蔵
5 代表的な果実類の特徴
6 果実類の利用
G きのこ類
1 栽培法と生産量
2 主なきのこの種類
3 きのこの栄養成分
4 きのこの生理活性物質
5 毒きのこ
H 藻類
1 分類
2 食用藻類の栄養成分
3 主な食用藻類
4章 動物性食品
A 食肉類
1 食肉の種類と特徴
2 と畜時期と枝肉の分割
3 食肉の構造
4 食肉の化学成分
5 食肉の熟成と成分変化
6 食肉の機能成分
7 食肉の利用
B 牛乳
1 乳牛の種類
2 牛乳の成分
3 牛乳の栄養成分と健康
4 牛乳・乳製品
C 卵類
1 卵の種類と特徴
2 卵の産卵生理と構造
3 卵の成分
4 卵の調理特性
5 貯蔵による変化
6 卵の利用と機能性
D 魚介類
1 魚介類の分類
2 魚類の筋肉
3 魚介類の主要成分
4 魚介類の死後変化
5 魚介類の利用
5章 油糧食品
1 食用油脂の特徴
2 食用油脂の製造と精製
3 植物性油脂
4 動物性油脂
5 加工油脂
6章 甘味料・調味料・香辛料・嗜好飲料
A 甘味料
1 天然糖
2 糖アルコール
3 オリゴ糖
4 配糖体
5 ペプチド・たんぱく質
B 調味料
1 調味料の種類と分類
2 塩味料
3 酸味料
4 うま味調味料
5 風味調味料
6 ドレッシング類(マヨネーズ)
7 ソース類
C 香辛料
1 辛味性スパイス
2 香味性スパイス
3 芳香性スパイス
4 着色性スパイス
5 混合スパイス
D 嗜好飲料
1 茶
2 コーヒー
3 ココア
4 清涼飲料
7章 微生物利用食品
1 アルコール飲料
2 発酵調味料
3 発酵乳製品
4 その他の微生物利用食品
8章 バイオ食品
1 遺伝子工学を用いたバイオ食品
2 発生工学を用いたバイオ食品
3 バイオ食品の安全性
4 開発段階の遺伝子組換え食品
5 バイオ食品に関する課題
9章 食品の生産・加工・流通
A 食品の生産
1 農産物の生産条件と成分
2 畜産物の生産条件と成分
3 水産物の生産条件と成分
B 食品の加工
1 食生活と加工食品
2 食品加工の意義,目的
3 調理加工食品
C 食品の流通
1 食品の規格と表示の概要
2 食品の企画
3 食品の表示
4 食品の包装
参考図書
練習問題解答
索引
今回,日本食品標準成分表2020 年版(八訂)(以下,食品成分表(八訂))および日本人の食事摂取基準(2020 年版)の発刊に伴い,『食品学T−食品の化学・物性と機能性』と『食品学U−食品の分類と利用法』をそれぞれ第4 版として改訂した.
食品成分表(八訂)の主な変更点は,調理済み食品に関する情報を充実,炭水化物の細分化とエネルギー算出方法の変更,および食品成分表(七訂)追補の検討結果を全体に反映させたことがあげられる.また,日本人の食事摂取基準(2020 年版)の主な改定のポイントとしては,50 歳以上のより細かな年齢区分による摂取基準の設定,高齢者のフレイル予防の観点および若年層の生活習慣病予防の観点からの摂取基準の設定,さらには,根拠に基づく政策立案の推進に向けて,目標量のエビデンスレベルを対象栄養素ごとに新たに設定した点である.これらは,日本人の食生活の変化に対応するとともに,健康寿命の延伸を目指し,生活習慣病予防の観点を重視したものといえる.
『食品学T』『食品学U』は,1990 年に出版された“栄養・健康科学シリーズ”の『食品学総論』および『食品学各論』を前身として発刊され,前身の教科書発刊から30 年以上もの間,管理栄養士・栄養士養成課程の大学・短期大学・専門学校における食品学の教科書として利用されてきた.
食品成分表(八訂)および日本人の食事摂取基準(2020 年版)の改訂・改定により数値等の修正はしたものの,改訂版の編集方針は従来通りであり,ここに再掲する.
1)管理栄養士国家試験のガイドラインにそった内容とし,いままでに国家試験に出題された内容と今後出題が予想される重要事項を網羅している.
2)数値データは,食品成分表(八訂)などをはじめ,現時点でできる限り最新のものに準拠している.
3)幅広い知識に基づいた理解が得られることを考え,多くの英文表記や化学構造式を掲載している.
4)『食品学T』と『食品学U』はそれぞれ独立した書籍であるが,姉妹書として一貫した編集方針と執筆体制で構成されている.『食品学T』は基礎成分ごとによる記述で,化学,生理学,物理学との関連を意識しており,食品科学の基礎として位置づけられる.『食品学U』は食品の素材ごとによる記述であり,内容は食品の加工・貯蔵学までに及んでいる.一部重複した項目も取り上げているが,もう一方を参照しなくてもよいように完結しつつ,通読することでより深い学習ができる構成としている.
管理栄養士・栄養士は,生活習慣病の一次予防において中心的役割を果たす職種であり,食品の栄養・おいしさ・機能を十分に理解した上で,その責務を全うしていただきたいと思う.管理栄養士・栄養士だけでなく,食品・栄養関連の学生諸氏ならびに食品に関連する仕事に携わる多くの方々に,本書を大いに活用していただければ大きな喜びである.
本書出版にあたって(株)南江堂の山内加奈子氏および笠井由美氏に多大なご尽力をいただきました.心よりお礼申し上げます.
2021 年12 月
和泉秀彦,熊澤茂則