教科書

食品学I改訂第4版

食品の化学・物性と機能性

編集 : 和泉秀彦/熊澤茂則
ISBN : 978-4-524-23006-8
発行年月 : 2022年2月
判型 : B5
ページ数 : 196

在庫あり

定価2,530円(本体2,300円 + 税)

正誤表

  • 商品説明
  • 主要目次
  • 序文

食品の化学・物性と機能性についてわかりやすくまとめたテキスト.管理栄養士国家試験出題基準をふまえたうえで,食品学の基礎的内容をていねいに解説しているのが特徴.今改訂では,日本人の食事摂取基準(2020年版),日本食品標準成分表2020年版(八訂)に対応したほか練習問題・解答を解きやすく精査した.姉妹書の食品学IIとの併用により効果的な学習が可能.

1章 序論
 1 人間と食品(食べ物)
 2 食文化と食生活
 3 食生活と健康
 4 食糧と環境問題
2章 食品の主要成分
 A 水分
  1 原子,分子,イオン
  2 水のかたち
  3 食品中の水の状態と働き
  4 食品の冷凍と加熱
 B たんぱく質
  1 アミノ酸
  2 たんぱく質の構造
  3 たんぱく質の分類
  4 たんぱく質の性質
  5 たんぱく質の変性
  6 たんぱく質の栄養価
  7 食品の品質に関与する酵素
 C 炭水化物
  1 単糖
  2 オリゴ糖(少糖)
  3 多糖
  4 糖誘導体
 D 脂質
  1 脂質の種類
  2 油脂の物理化学的性質と試験法
  3 脂質の酸化
  4 脂質と栄養
 E ビタミン
  1 ビタミンの分類
  2 脂溶性ビタミン
  3 水溶性ビタミン
 F ミネラル(無機質)
  1 多量ミネラル
  2 微量ミネラル
3章 食品の嗜好成分
 A 色の成分
  1 植物性色素
  2 動物性色素
  3 アミノ−カルボニル反応(メイラード反応)で生成する色素
 B 味の成分
  1 味の感覚
  2 味覚成分
 C 香りの成分
  1 匂いの感覚
  2 植物性食品の香り
  3 動物性食品の匂い
  4 食品の加熱香気
4章 食品成分の反応
 A 化学的変化
  1 アミノカルボニル反応
  2 カラメル化反応
  3 食肉加工品における亜硝酸塩の反応
 B 酵素的変化
  1 酵素と酵素反応
  2 食品の品質に関与する酵素
  3 食品生産および加工への酵素の利用
5章 食品の物性
 1 食品物性とテクスチャー
 2 コロイドの科学
 3 レオロジーと力学物性
 4 食品のテクスチャー
6章 食品の機能性
 A 食品の機能
  1 生体調節機能の分類
  2 食品中の三次機能成分
 B 保健機能食品
  1 食品表示法と保健機能食品
  2 特定保健用食品
  3 栄養機能食品
  4 機能性表示食品
参考図書
練習問題の解答
索引

 今回,日本食品標準成分表2020 年版(八訂)(以下,食品成分表(八訂))および日本人の食事摂取基準(2020 年版)の発刊にともない,『食品学T−食品の化学・物性と機能性』と『食品学U−食品の分類と利用法』をそれぞれ第4 版として改訂した.
 食品成分表(八訂)の主な変更点は,調理済み食品に関する情報を充実,炭水化物の細分化とエネルギー算出方法の変更,および食品成分表(七訂)追補の検討結果を全体に反映させたことがあげられる.また,日本人の食事摂取基準(2020 年版)の主な改定のポイントとしては,50 歳以上のより細かな年齢区分による摂取基準の設定,高齢者のフレイル予防の観点および若年層の生活習慣病予防の観点からの摂取基準の設定,さらには,根拠に基づく政策立案の推進に向けて,目標量のエビデンスレベルを対象栄養素ごとに新たに設定した点である.これらは,日本人の食生活の変化に対応するとともに,健康寿命の延伸を目指し,生活習慣病予防の観点を重視したものといえる.
 『食品学T』『食品学U』は,1990 年に出版された“栄養・健康科学シリーズ”の『食品学総論』および『食品学各論』を前身として発刊され,前身の教科書発刊から30 年以上もの間,管理栄養士・栄養士養成課程の大学・短期大学・専門学校における食品学の教科書として利用されてきた.
 食品成分表(八訂)および日本人の食事摂取基準(2020 年版)の改訂・改定により数値等の修正はしたものの,改訂版の編集方針は従来通りであり,ここに再掲する.
1)管理栄養士国家試験のガイドラインにそった内容とし,いままでに国家試験に出題された内容と今後出題が予想される重要事項を網羅している.
2)数値データは,食品成分表(八訂)などをはじめ,現時点でできる限り最新のものに準拠している.
3)幅広い知識に基づいた理解が得られることを考え,多くの英文表記や化学構造式を掲載している.
4)『食品学T』と『食品学U』はそれぞれ独立した書籍であるが,姉妹書として一貫した編集方針と執筆体制で構成されている.『食品学T』は基礎成分ごとによる記述で,化学,生理学,物理学との関連を意識しており,食品科学の基礎として位置づけられる.『食品学U』は食品の素材ごとによる記述であり,内容は食品の加工・貯蔵学までに及んでいる.一部重複した項目も取り上げているが,もう一方を参照しなくてもよいように完結しつつ,通読することでより深い学習ができる構成としている.
 管理栄養士・栄養士は,生活習慣病の一次予防において中心的役割を果たす職種であり,食品の栄養・おいしさ・機能を十分に理解した上で,その責務を全うしていただきたいと思う.管理栄養士・栄養士だけでなく,食品・栄養関連の学生諸氏ならびに食品に関連する仕事に携わる多くの方々に,本書を大いに活用していただければ大きな喜びである.
 本書出版にあたって(株)南江堂の山内加奈子氏および笠井由美氏に多大なご尽力をいただきました.心よりお礼申し上げます.
2021 年12 月
和泉秀彦,熊澤茂則

9784524230068