感染症最新の治療2022-2024
編集 | : 藤田次郎/舘田一博/大毛宏喜 |
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ISBN | : 978-4-524-22997-0 |
発行年月 | : 2022年2月 |
判型 | : B5 |
ページ数 | : 336 |
在庫
定価8,800円(本体8,000円 + 税)
- 商品説明
- 主要目次
- 序文
感染症医および一般臨床医のために,3年ごとの改訂で年々進歩する感染症領域における最新情報と治療指針を整理し,簡潔にまとめて提供.巻頭トピックスでは,COVID-19や新型インフルエンザ,インバウンド感染症,市中型MRSAなど最近注目されているテーマ12題を取り上げる.各論では,感染症の基本的な診断・治療から各臓器別感染症の治療,感染症予防策までを解説.最新の動向を踏まえた日常診療の指針となる一冊.
巻頭トピックス
1 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)との対峙―私たちの経験と英知を結集して
2 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する薬物治療
3 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)から考える抗サイトカイン療法
4 インバウンド感染症への対応
5 新型インフルエンザ,最近の状況―H7N9 とG4 EA H1N1
6 外国出生者結核対策の取り組みの現状
7 Diagnostic stewardship―原因微生物診断のpitfall
8 感染症診断法における最近の進歩
9 感染症に対する有用細菌の位置づけ
10 市中型MRSA のわが国での広がり―世界の状況と比較しながら
11 敗血症診療ガイドライン2020 を踏まえた敗血症診療
12 抗菌薬の適正使用がもたらしたもの
T 感染症の基本的治療方針
1 感染症診療の考え方
2 エンピリック治療,de-escalation
U 感染症診断の基本
1 不明熱への対応
2 血液培養の考え方
3 迅速検査の使い方
4 グラム染色とその他の染色法
5 特殊培養が必要な微生物と注意点
6 薬剤耐性検査の見方
7 ブレイクポイントの考え方
8 胸部画像診断の活用法
V 主な臓器別感染症
A 中枢神経感染症
1 髄膜炎
2 脳膿瘍,硬膜外膿瘍
3 急性脳炎
B 眼感染症
1 眼感染症
C 耳鼻科咽喉科感染症
1 急性中耳炎
2 副鼻腔炎
3 咽頭・扁桃・急性喉頭蓋炎
4 扁桃周囲膿瘍,咽後膿瘍
D 循環器感染症
1 感染性心内膜炎
2 心筋炎・心膜炎
E 呼吸器感染症
1 Lemierre 症候群
2 百日咳
3 市中肺炎
4 院内肺炎
5 医療・介護関連肺炎(NHCAP),誤嚥性肺炎
6 インフルエンザ
7 肺膿瘍,膿胸
8 ニューモシスチス肺炎
9 肺真菌症
F 腹腔内感染症
1 細菌性腹膜炎
2 胆道系感染症
3 重症急性膵炎(膵壊死部感染)
G 皮膚軟部組織感染症
1 Fournier 壊疽
2 伝染性膿痂疹(とびひ)
3 壊死性筋膜炎
4 ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群
H 骨・関節感染症
1 人工関節周囲感染
2 化膿性脊椎炎
3 糖尿病性足感染症
I 泌尿器・生殖器感染症
1 膀胱炎
2 腎盂腎炎
3 無症候性細菌尿
4 急性細菌性前立腺炎,急性精巣上体炎
J 産科感染症
1 妊娠中・分娩後に認められる感染症
K 婦人科感染症
1 骨盤内炎症性疾患
L 性感染症
1 梅毒
2 淋菌感染症
3 性器クラミジア感染症
4 性器ヘルペス
M 母子感染症
1 先天性風疹症候群
2 先天性サイトメガロウイルス感染症
3 新生児ヘルペス
4 B 型肝炎ウイルス感染症
5 先天性トキソプラズマ症
N 特殊なウイルス感染症
1 HIV 感染症
2 HTLV-1 感染症
3 重症熱性血小板減少症候群
4 エボラ出血熱
5 中東呼吸器症候群(MERS)
6 デングウイルス感染症
7 ジカウイルス感染症
O 抗酸菌症
1 結核
2 非結核性抗酸菌症
W 医療手技に関連する感染症
1 カテーテル関連性血流感染
2 人工呼吸器関連感染症
3 カテーテル関連尿路感染症
4 手術部位感染(SSI)
X 免疫不全患者における感染症
1 糖尿病患者における感染症
2 がん患者における感染症
3 膠原病・リウマチ性疾患患者における感染症
4 HIV 患者における感染症
5 免疫再構築症候群(HIV およびnon-HIV)
Y 多剤耐性菌・院内感染菌への対応
1 メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)
2 バンコマイシン耐性腸球菌(VRE)
3 多剤耐性淋菌(MDRNG)
4 多剤耐性緑膿菌(MDRP)
5 基質特異性拡張型β-ラクタマーゼ(ESBL)産生菌
6 メタロ-β-ラクタマーゼ(MBL)産生菌
7 マクロライド耐性マイコプラズマ
8 Clostridioides difficile 感染症
9 侵襲性カンジダ症
Z 感染予防策
A 感染予防策の基本
1 感染予防策の基本
B ワクチン
1 小児用ワクチン(新型コロナウイルスワクチンは除く)
2 成人におけるワクチン
このたび、『感染症最新の治療2022-2024』を出版することができた。この本は『感染症最新の治療2016-2018』、 および『感染症最新の治療2019-2021』と3 年ごとに刊行してきたシリーズの最新版である。『2016-2018 年版』の企画は当初、南江堂よりご提案いただき、内科系を代表して藤田次郎、外科系を代表して竹末芳生先生、および基礎系を代表して舘田一博の3 名で編集を行った。また『2019-2021 年版』刊行でも、同じメンバーで編集を担当した。今回の『2022-2024 年版』の編集においては、外科系は竹末芳生先生に代わって、大毛宏喜が担当した。
さて『2022-2024 年版』の構成は、基本的に『2019-2021 年版』の目次を踏襲しているものの、執筆者を新たに選出するところからスタートしているので、内容は一新されている。まず「巻頭トピックス」では、特に話題性が高いものを取り上げることとし、テーマとして、「新型コロナウイルス感染症」、「インバウンド感染症」、「新型インフルエンザ」、「外国出生者結核」、「感染症の診断に関する様々な話題」、「市中型MRSA」、「敗血症診療ガイドライン2020」、および「抗菌薬の適正使用」を選択した。特に新型コロナウイルス感染症については3 項目を設けた。
総論では、「T章:感染症の基本的治療方針」として2項目を、および「U章:感染症診断の基本」として8 項目を設け、感染症治療および診断の基本について概説した。また各論として「V章:主な臓器別感染症」では、主要な疾患の治療について取り上げ、さらに「W章:医療手技に関連する感染症」、「X章:免疫不全患者における感染症」、「Y章:多剤耐性菌・院内感染菌への対応」、および「Z章:感染予防策」についてわかりやすく解説した。最新の話題を取り上げ、また執筆者を変更しているので、Up To Date な書になったと自負している。
本書は、新型コロナウイルス感染症の流行下で、大変な日々を過ごされているなか、先生方には執筆者としてご協力いただき無事上梓にいたることができた。編集者として、執筆者の方々に心から感謝したい。
また本書が感染症医、一般臨床医、および研修医の先生方に有益な最新情報を与えることができることを心より願っている。
2022 年1 月
編集者一同