看護学テキストNiCE
母性看護学I 概論・ライフサイクル改訂第3版
生涯を通じた性と生殖の健康を支える
編集 | : 齋藤いずみ/長谷川ともみ/三隅順子 |
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ISBN | : 978-4-524-22979-6 |
発行年月 | : 2022年3月 |
判型 | : B5 |
ページ数 | : 326 |
在庫
定価3,080円(本体2,800円 + 税)
サポート情報
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2024年02月08日
最新情報に基づく補足(第2刷) -
2024年02月08日
最新情報に基づく補足(第1刷)
- 商品説明
- 主要目次
- 序文
性と生殖の健康を支える看護を行うために必要な幅広い知識や考え方が身につく好評テキストの改訂版.今改訂では「母性看護学の基盤」と「生涯を通じた性と生殖の健康を支える看護」の2部制に構成を変更し,「性をとりまく社会の現状」の章と「母性看護技術」の章を新設.ライフサイクル各期の健康問題に子宮内膜症,子宮筋腫,災害,骨粗鬆症などの新規項目を多数追加した.
第1部 母性看護学の基盤
第T章 母性看護学の概念
1 母性看護学とは
2 家族とは
3 母性看護学の基盤となる理論と概念
4 根拠に基づく母性看護の実践
5 母性看護にかかわる主な職種と連携
第U章 性をとりまく社会と現状
1 社会的・心理的特性からみた性
2 統計からみる性をとりまく社会の現状
第V章 母子保健統計と母子保健施策
1 母子保健統計の理解
2 母子にかかわる法律と母子保健施策
3 周産期医療体制
第W章 生殖に関する形態機能とライフサイクル
1 性周期と生命のはじまり
2 遺伝
3 性分化のメカニズム
4 生殖器の形態と機能
第X章 性と生殖の健康を支える看護技術
1 情報収集・ヘルスアセスメントの技術
2 主体的なセルフケアを引き出す技術
3 母性看護における看護過程
第Y章 性と生殖をめぐる倫理的課題
1 性と生殖をめぐる倫理的課題とは
2 専門職として高い倫理性を育成する
第Z章 国際化の中での母性看護の役割
1 異なる文化的背景をもつ女性・妊産褥婦への看護
2 母子保健における国際協力
第2部 生涯を通じた性と生殖の健康を支える看護
第[章 女性のライフサイクルと健康支援
1 女性のライフサイクルの全体像
2 思春期
3 成熟期
4 更年期
5 老年期
第\章 事例で学ぶウェルネス・アプローチでの看護の実践
1 女性のライフサイクルの事例
練習問題 解答と解説
索引
本書『NiCE 母性看護学T 概論・ライフサイクル』は,「生涯を通じた性と生殖の健康を支える看護」を行うために必要な幅広い基礎知識が身につくことを目的として,2014年に初版を,2018 年に改訂第2 版を発行しました.ライフサイクル各期の健康問題を有する女性を看護するときだけではなく,たとえば妊娠期の看護を実践するときにも,本書で学ぶ以下のことが基盤となります.看護技術,看護過程,家族,看護理論,倫理,法律・社会的資源,性と生殖の生理学的知識などです.また,不妊治療後の妊娠であれば不妊症・不育症の病態生理や治療などの幅広い知識をもつことで,総合的に妊婦を理解し,よりよい援助ができます.そしてライフサイクルの視点から妊娠期をとらえることで,ある一時期の看護にとどまらず,その女性や家族の長期的な展望をも兼ね備えた,生涯の健康と次世代の健康を目指した看護を展開できます.
このたびの改訂第3 版では,母性看護の進展や社会情勢の変化を反映するにとどまらず,構成や内容を見直しいっそうの充実化を目指しました.改訂のポイントは以下のとおりです.
まず二部制とし,構成を明確にし,学びやすくしました.第1 部では,母性看護学の概論として,概念・理論や母子保健統計,法・制度,母性看護技術,倫理的課題など母性看護の基盤となる知識を扱いました.第2 部では女性の思春期から老年期までの生涯を通じた性と生殖の健康を支援するための解剖学・生理学的な知識や,アセスメントや看護の考え方を提示しました.
新たな内容として「家族とは」(第T章2 節),「ボンディング,アタッチメント」(第T章3 節),「根拠に基づく母性看護の実践」(第T章4 節),「性をとりまく社会と現状」(第U章),「情報収集・ヘルスアセスメントの技術」(第X章1節),「主体的なセルフケアを引き出す技術」(第X章2 節)の項目を新設しました.またライフサイクル各期で取り上げる健康問題に「子宮筋腫,子宮内膜症,卵巣嚢腫,卵巣がん(第[章3節),骨粗鬆症(第[章5 節)」,さらに社会的な健康問題として「性暴力,児童虐待,災害(第[章3 節)」を加えました.そして「国際化の中での母性看護の役割」(第Z章)を新たに書き下ろし,さらに統計の数値・法制度についてはその時代背景・意味を説明し,深い考察を促すよう工夫しました.
今版の大幅な充実は新たに執筆に加わってくださった先生方の寄与が大きく,この場を借りて御礼申し上げます.
『NiCE 母性看護学T』『同U』初版の編者が一堂に会し,これからの母性看護学について白熱の議論を戦わせた2007 年の第一回目の会議のことを思い出します.今後も,時代の変化を敏感に取り入れつつ,簡潔でわかりやすく,読みたいと思っていただけるような教科書であるよう,工夫してまいります.この教科書で学ぶ皆さんが広い視野をもって性と生殖の健康を支えて行くことを願って,改訂の言葉としたいと思います.
2022年3 月
齋藤いずみ 長谷川ともみ 三隅順子