整形外科学テキスト改訂第5版
編集 | : 高橋邦泰/芳賀信彦 |
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ISBN | : 978-4-524-22892-8 |
発行年月 | : 2023年3月 |
判型 | : B5 |
ページ数 | : 448 |
在庫
定価5,940円(本体5,400円 + 税)
- 商品説明
- 主要目次
- 序文
理学療法士・作業療法士養成課程の学生にとって重要科目である整形外科学をこの一冊で網羅できる充実した内容の教科書.頻度が高く,重要な疾患については典型例の写真を充実させ,丁寧に解説している.今改訂では,各章末に「学習のまとめ」の理解を確認できる練習問題を掲載し,国家試験対策により役立つ内容とした.
総 論
I 整形外科学の基礎知識
A. 整形外科学について
B. 整形外科学的診断学
C. 整形外科学的治療法
各 論
I 部位別の外傷と疾患
A. 軟部組織損傷
B. 骨・関節の損傷総論
C. 肩関節および上腕
D. 肘関節および前腕
E. 手関節と手指
F. 股関節および大腿
G. 膝関節および下腿
H. 足関節と足部
I. 脊椎・脊髄
J. 骨 盤
II 全身性の疾患
A. 慢性関節疾患
B. 関節リウマチとその類縁疾患
C. 感染症
D. 代謝・内分泌疾患
E. ロコモティブシンドロームと運動器不安定症
F. 骨・軟部腫瘍
G. 神経疾患・筋疾患
H. 骨系統疾患
I. 骨壊死性疾患および骨端症
J. 四肢循環障害
K. 四肢切断および四肢欠損
L. 慢性疼痛疾患
M. スポーツ整形外科
N. パラスポーツ
参考図書
資 料
索 引
改訂第5版の序
『整形外科学テキスト』の初版発行から約22年,改訂第4版発行より約6年が経過した.この間,日本では少子高齢化が進み,さらに2010年頃をピークに総人口は減少に転じている.多くの高齢者を少ない生産年齢人口が支える構造が今後も当面継続すると予想されており,さらに人口減少がこの構造や日本の医療・福祉に与える影響は見通せていない.高齢者が要介護や要支援になる原因としては,認知症や脳血管疾患に加えて関節疾患や骨折などの運動器疾患の比率も大きい.高齢者だけでなく小児を含む若者たちが,運動器の障害に悩むことなく生き生きと日常生活を送ることができてこそ社会は発展する.このような時代の中で,運動器疾患を扱う学問である整形外科学の重要性は,ますます増している.
整形外科における治療は大きく保存療法と手術療法に分けられ,理学療法士や作業療法士は保存療法の一部であるリハビリテーション治療を担当している.しかし適切なリハビリテーション治療を行うには,リハビリテーションを含む保存療法はもちろん,個々の疾患の病態や診断,手術療法についても正しい知識を持つことが求められる.特に理学療法士,作業療法士の卒前教育では,2020年度に養成カリキュラムの改訂が行われ,総単位数が増加しただけでなく,画像評価や多職種連携の項目が必修化されている.実際の臨床現場では患者本人だけを評価してリハビリテーションを行うのではなく,画像所見を含む診療情報を十分に把握したうえで患者に関わる態度が求められる.整形外科学では診断や評価においてX線,CT,MRI,エコーといった画像検査の果たす役割は大きく,画像評価の必修化は大きな意味を持つ.また多職種連携はあらゆる医療の現場で重視されてきているが,特にリハビリテーション医療では重要な要素である.改訂されたカリキュラムでは,臨床実習について「患者担当型」から「診療参加型」への方向転換が謳われている.多職種で構成される診療チームに参加するには,他の職種が考えていること,行っていることを理解する必要があり,読者には運動器疾患の病態,診断,治療について幅広い知識を身につけて頂きたい.
理学療法士や作業療法士をはじめ,リハビリテーション関連職種を目指す多くの学生が,本テキストを通じて運動器疾患,運動器リハビリテーションに興味を持って頂ければ幸いである.最後に,多忙にもかかわらずご執筆いただいた諸先生方,出版に至るまでご尽力頂いた南江堂の方々に感謝申し上げる.
2023年1月 編者ら記す