看護学テキストNiCE
母性看護学II マタニティサイクル[Web動画付]改訂第3版
母と子そして家族へのよりよい看護実践
編集 | : 大平光子/佐々木くみ子/井上尚美/大月恵理子/林ひろみ |
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ISBN | : 978-4-524-22888-1 |
発行年月 | : 2022年4月 |
判型 | : B5 |
ページ数 | : 584 |
在庫
定価4,180円(本体3,800円 + 税)
サポート情報
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2024年02月21日
最新情報に基づく補足(第1刷) -
2024年02月21日
最新情報に基づく補足(第2刷)
- 商品説明
- 主要目次
- 序文
妊産褥婦・新生児のアセスメントと援助に対する思考過程が理解でき,豊富な写真やイラストがビジュアルでわかりやすいと好評なテキストの改訂版.今改訂では,序章を追加し,ライフサイクルとの関係,さらには世代間の継承も含めた母性看護の長期的な視点を解説.心理・社会的に特別な配慮・支援を必要とする妊産褥婦への支援の章も新設した.退院支援や無痛分娩の解説も充実.新たに動画を多数収載し,技術演習や実習にいっそう役立つテキストとなった.
目次
序 章 マタニティサイクルとライフサイクルの連続性
A.マタニティサイクルとは
B.マタニティサイクルにおける看護実践
C.マタニティサイクルとライフサイクルの連続性
第T章 妊娠期の看護
1 妊娠期の概観
A.妊娠期の看護の視点
B.妊娠期の経過の全体像
2 妊娠とは
A.妊娠期間の定義
B.妊娠期の経過
3 妊娠に伴う生理的変化と胎児の健康状態に関するアセスメントと援助
A.妊婦・胎児のアセスメントの視点
B.胎児の発育に伴う母体の変化のアセスメント
C.胎児の発育・健康状態のアセスメント
D.妊娠に伴う生理的変化および不快症状のアセスメント
E.妊婦のセルフケア能力を高めるための援助
4 妊娠期の親になっていく過程のアセスメントと援助
A.夫婦関係の再調整と援助
B.母親になっていく過程のアセスメントと援助
C. 父親・兄/姉・祖父母になっていく過程のアセスメントと援助
D.出産・育児に向けた生活の調整
5 ハイリスク妊婦への看護の実際
A.ハイリスク妊婦への看護の視点
B.切迫流・早産妊婦への看護の実際
C.妊娠悪阻妊婦への看護の実際
D.妊娠高血圧症候群妊婦への看護の実際
E.糖代謝異常妊婦への看護の実際
F.胎盤位置異常妊婦への看護の実際
G.多胎妊婦への看護の実際
第U章 分娩期の看護
1 分娩期の概観
A.分娩期の看護の視点
B.分娩期の経過の全体像
2 分娩とは
A.分娩の定義
B.分娩の分類
C.分娩3要素
3 正常分娩の経過とアセスメントと援助
A.分娩の前兆
B.分娩開始
C.分娩第1期のアセスメントと援助
D.分娩第2期のアセスメントと援助
E.分娩第3期のアセスメントと援助
F.分娩後2時間のアセスメントと援助
4 分娩期の正常経過からの逸脱と看護
A.分娩期の正常経過からの逸脱への看護の視点
B.娩出力の異常と看護援助
C.骨産道の異常と看護援助
D.軟産道の異常と看護援助
E.胎児に関する異常と看護援助
F.胎児付属物の異常と看護援助
G.周産期の異常出血と看護援助
H.遷延分娩と看護援助
5 出生直後の新生児のアセスメントと援助
A.出生前からの準備
B.出生直後の新生児のアセスメントと援助
6 家族のアセスメントと援助
7 産科処置と産科手術
A.分娩誘発・促進
B.吸引分娩,鉗子分娩
C.無痛分娩
D.軟産道の損傷
第V章 産褥期の看護
1 産褥期の概観
A.産褥期の看護の視点
B.産褥期の経過の全体像
2 産褥期の経過
A.産褥の定義
B.褥婦の生理的変化
C.新たな関係性の獲得
D.社会的役割の調整と社会的手続き
3 産褥期の身体状態のアセスメントと援助
A.産褥期の身体状態のアセスメントの視点
B.生殖器の復古状態のアセスメントと援助
C.全身の回復状態および不快症状のアセスメントと援助
D.母乳育児に関するアセスメントと援助
4 産褥期の親になっていく過程のアセスメントと援助
A.産褥期の親になっていく過程のアセスメントの視点
B.育児知識・技術習得状態のアセスメントと援助
C.母子の絆形成の状態のアセスメントと援助
D.家庭・地域社会での生活を見すえたアセスメントと退院支援
E.事例
5 褥婦の正常経過からの逸脱と援助
A.褥婦の正常経過からの逸脱への看護の視点
B.子宮復古不全と援助
C.産褥熱と援助
D.血栓塞栓症と援助
E.排尿障害と援助
F.尿路感染と援助
G.乳腺炎と援助
H.育児不安と援助
I.マタニティーブルーズと援助
J.産褥期の精神障害と援助
6 生まれた子どもに先天異常がある家族の援助,子どもを亡くした家族の援助
A.先天異常がある子どもの家族の心理と援助
B.子どもを亡くした家族の心理と援助(ペリネイタル・ロス・ケア)
第W章 帝王切開を受ける妊産褥婦への看護
1 帝王切開を受ける妊産褥婦への看護
A.帝王切開
B.帝王切開を受ける妊産婦の看護
C.帝王切開後の褥婦の看護
第X章 特別な配慮・支援を必要とする妊産褥婦への支援
1 特別な配慮・支援を必要とする妊産褥婦への支援
A.特別な配慮・支援を必要とする妊産褥婦とは
B.アセスメントの視点と切れ目のない支援
C.連携・協働する機関・団体・サービス
D.特別な配慮・支援を必要とする妊産褥婦への援助
E.事例
第Y章 新生児の看護
1 新生児とは
A.新生児への看護の視点
B.新生児の定義
C.新生児の分類
D.新生児の生理的特徴
E.新生児の感染防御機能の特徴
F.新生児の発達
2 新生児の子宮外生活適応のアセスメントと援助
A.新生児のヘルスアセスメントの視点
B.観察内容および方法と留意点
C.新生児の身体的特徴とフィジカルアセスメント
D.呼吸の適応状態のアセスメントと援助
E.循環のアセスメントと援助
F.体温調節のアセスメントと援助
G.栄養・代謝のアセスメントと援助
H.新生児の感染予防
3 新生児の発達状況のアセスメントと援助
A.新生児の成長と発達
B.新生児の心理・社会的発達への援助
4 新生児の健康問題と看護
A.健康問題をもつ新生児への看護の視点
B.新生児仮死
C.分娩外傷
D.低出生体重児
E.新生児一過性多呼吸
F.胎便吸引症候群
G.治療を要する黄疸
H.新生児一過性ビタミンK欠乏症
I.低血糖症
J.新生児感染症
K.先天異常のある新生児への看護
5 新生児の施設内における事故防止と安全
A.新生児の事故の状況
B.新生児の医療事故の防止
C.新生児の施設内の事故
第Z章 母性看護技術
Skill 1 内診台にて内診を受ける妊婦への援助
Skill 2 子宮底長,腹囲測定
Skill 3 超音波検査を受ける妊婦への援助
Skill 4 胎位・胎向の確認─レオポルド触診法
Skill 5 胎児心音聴取
Skill 6 ノンストレステストを受ける妊婦への援助
Skill 7 胎児心拍数陣痛図の判読
Skill 8 分娩直後の早期母子接触(skin-to-skin contact)
Skill 9 乳房の観察
Skill 10 新生児の抱き方
Skill 11 新生児のコットへの寝かせ方
Skill 12 体重計測などで裸の児の抱き方
Skill 13 オムツ交換
Skill 14 更衣
Skill 15 帝王切開術後褥婦のアセスメント(歩行開始まで)
Skill 16 新生児の観察
Skill 17 体重計測
Skill 18 身長計測
Skill 19 頭囲計測
Skill 20 胸囲計測
Skill 21 皮膚温測定(腋窩温,頸部温)
Skill 22 哺乳びん授乳
Skill 23 排気
Skill 24 沐浴(施設内で行う場合)
第[章 事例から理解する母性看護過程の展開
1 経腟分娩事例(南 明江さんの場合)
A.経腟分娩事例の概要
B.看護記録
C.実習記録
2 帝王切開事例(堂本 京さんの場合)
A.帝王切開分娩事例の概要
B.看護記録
C.実習記録
資料
資料1 血液検査項目と基準値
資料2〜10 関連法規
練習問題 解答と解説
索引
本書『NiCE 母性看護学U マタニティサイクル』の初版は,看護基礎教育の学生を読者対象とし,2012 年に刊行しました.対をなす『NiCE 母性看護学T 概論・ライフサイクル』で学んだ知識をベースとして,妊産褥婦と新生児および家族の身体・心理・社会的状況を理解し,適切な看護を行うための知識や思考が身に付くことに主眼を置き編纂しています.また,家族の在り方が多様化するなかで,父親,母親という役割観にとらわれすぎず,それぞれの親や家族の価値観やその親・その家族らしさを尊重することを重視しています.
第3 版では,初版,第2 版の編集方針を踏襲したうえで,マタニティサイクルを取り巻く社会状況の変化や読者の要望をふまえ,以下のように改訂しました.
医療・保健の中心が病院・施設から地域に移行しているなか,マタニティサイクルにある対象者の看護においても,その後の日々の子育てが暮らしのなかで行われることを意識することが求められます.妊産褥婦・新生児・家族が生活している地域を含めて妊娠期から子育て期までの切れ目ない看護展開を考えることができるよう,妊娠期から産褥期のアセスメント・援助を見直し,そして退院支援の内容をより充実したものとしました.
また,ハイリスク妊娠が増えていることに鑑み,「特別な配慮・支援を必要とする妊産褥婦への支援」の章を新設しました.演習や実習でも活用しやすいよう多胎妊娠,早産の看護展開例を紹介しています.
さらに,具体的なケア場面をイメージしながら母性看護技術が理解できるよう,臨床の看護師,助産師や妊産褥婦さん,新生児の協力を得て,臨床の実践的なケア場面の動画を新たに収載しました.
以上のように,改訂第3版はいっそう充実した内容になっています.
マタニティサイクルにおける看護には,対象者の生命・生活を支えつつ,親と子が親子・家族になっていくプロセスを支えるという使命があります.そのためには,問題解決志向に偏らず,『NiCE 母性看護学T』で学んだ概念や理論を活かし,対象者を尊重し,対象者のもつ力や強みに焦点をあて,対象者自身のもてる力を発揮できる支援の基本となるウェルネスやエンパワメントの考え方を身につけてもらいたいと思います.対象者の体験や成長過程を活かしながら支援することは,対象者が今直面している課題だけでなく,これから起こり得る課題にも対象者自身が立ち向かい,新たな目標に向かって進んでいく姿勢や力の獲得を支えることにつながります.
本書で学ぶ学生のみなさんが,母性看護学の対象者へのよりよいケアを創造してくださることを願ってやみません.本書がその一助になれば幸いです.
2022年3 月
大平光子 井上尚美 大月恵理子 佐々木くみ子 林 ひろみ