健康・栄養科学シリーズ
食べ物と健康 食品の加工改訂第2版
編集 | : 太田英明/白土英樹/古庄律 |
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ISBN | : 978-4-524-22873-7 |
発行年月 | : 2022年3月 |
判型 | : B5 |
ページ数 | : 248 |
在庫
定価2,750円(本体2,500円 + 税)
サポート情報
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2023年10月31日
第1刷
- 商品説明
- 主要目次
- 序文
食品の表示と規格基準,生産から加工についてわかりやすく解説した好評テキストの改訂版.今改訂では紙面デザインをリニューアルし,レベルは維持しながら,読みやすく理解しやすい工夫を盛り込んだ.管理栄養士国家試験出題基準(2019年改定)に準拠.日本人の食事摂取基準(2020年版),日本食品標準成分表2020年版(八訂)に対応した最新版.
【主要目次】
第1章 食品の加工
A.食品加工の意義・目的
1 可食化
2 安全性の確保
3 嗜好性の確保
4 栄養性・機能性の向上
5 保存性の向上
6 利便性・簡便性の付与
7 経済性の改善
第2章 食品の表示と規格基準
A.食品の表示の種類と規格基準
1 食品表示法の概要
2 食品表示基準
3 加工食品の品質に関する表示
B.健康や栄養に関する表示の制度
1 栄養表示制度
2 保健機能食品制度
3 特別用途食品
4 いわゆる健康食品の概略
C.基準
1 食品一般の規格基準
2 JAS法に基づく食品の規格
練習問題
第3章 食品の保存と加工
A.食品の特性・品質
B.食品保存の方法
1 低温による保存
2 水分活性の調節による保存
3 空気組成の調節による保存
4 pH 低下による保存
5 食品照射による保存
6 燻煙による保存
7 食品添加物による保存
8 殺菌による保存
C.食品加工の方法
1 物理的操作
2 化学的操作
3 生物学的操作
練習問題
第4章 食品流通・保存と栄養
A.生産条件と栄養
1 生産場所と栄養
2 生産季節と栄養
3 生産条件と栄養
4 その他の生産条件と栄養
B.食品流通の概略
1 食品流通の特徴
2 主な食品の流通
C.保存による栄養成分の変化とその制御
1 呼吸・蒸散による農産物の成分変化
2 保存による脂質の変化
3 保存による炭水化物,糖,たんぱく質およびアミノ酸の変化
4 保存によるその他成分の酸化
D.環境条件による食品・栄養成分変化
1 温 度
2 水 分
3 空気組成,ガス環境
4 pH
5 光
E.各食品の保存上の特徴
1 穀類
2 豆類
3 いも類
4 野菜類・果実類
5 肉類
6 魚介類
7 卵・乳
第5章 器具と容器包装
A.容器の材料・形態
1 容器の材料
2 容器の形態
B.包装による食品・栄養成分の変化
1 重量変化
2 味および栄養価の変化
C.包装による品質変化
1 色調変化
2 におい変化
D.素材による環境汚染
1 内分泌攪乱化学物質
2 容器リサイクル
練習問題
第6章 食品加工と栄養,加工食品とその利用
A.食品加工にともなう食品・栄養成分の変化
1 物理的加工による食品成分の変化
2 酵素による食品成分の変化
3 酸・アルカリ・塩による食品成分の変化
B.食品成分間反応
1 褐変
2 食品と色素
練習問題
第7章 植物性食品の栄養と・加工
A.穀類
1 米
2 小麦
3 とうもろこし
4 その他の穀類
B.いも類
1 じゃがいも
2 さつまいも
3 こんにゃくいも
4 その他のいも類
C.豆類,種実類
1 大豆加工食品
2 大豆以外の加工食品
3 種実類
D.野菜類,きのこ類
1 漬物
2 トマト加工品
3 ウスターソース類
4 野菜ジュース
5 乾燥野菜
6 きのこ類の加工品
E.果実類
1 ジャム類
2 果実飲料
3 砂糖漬け
4 缶詰・びん詰
5 乾燥果実
6 冷凍果実
F.藻類
1 藻体の加工食品
2 成分抽出利用
練習問題
第8章 動物性食品の栄養と加工
A.肉類
1 食肉の加工方法
2 ハム,ベーコン類
3 ソーセージ類
4 プレスハム
5 熟成加工食肉類
6 ハンバーガーパティ類
7 缶詰,乾燥食肉類
B.魚介類
1 冷凍品
2 乾製品
3 塩蔵品
4 練製品
5 缶詰
6 燻製品
7 発酵食品
8 調味加工食品
C.乳類
1 牛乳および乳製品の種類
2 飲用乳
3 発酵乳・乳酸菌飲料
4 練乳
5 粉乳
6 クリーム
7 アイスクリーム類
8 バター
9 チーズ
D.卵類
1 鶏卵の一次加工品
2 鶏卵の二次加工品
練習問題
第9章 油脂,調味料,香辛料,嗜好飲料の栄養と加工
A.食用油脂
1 油脂の分類
2 植物油脂
3 動物油脂
4 加工油脂
B.甘味料
1 砂糖
2 機能性糖質
C.調味料
1 食塩
2 食酢
3 うま味調味料
4 酸味料
5 マヨネーズ
6 みそ
7 しょうゆ
8 こうじ
D.香辛料
1 香辛料の種類と特徴
2 混合スパイス
E.嗜好飲料
1 茶
2 コーヒー・ココア
3 その他
練習問題
第10章 微生物利用食品,その他の食品の栄養と加工
A.微生物利用食品
1 アルコール飲料
2 発酵調味料
3 その他の微生物利用食品
B.その他の食品
1 調理済み食品
2 冷凍食品
3 チルド食品
4 レトルト食品
練習問題
参考図書
練習問題解答
索引
少子・高齢化や女性の社会進出に伴う社会環境の変化は,加工食品の利用機会を大幅に増加させた.さらに技術の進歩によって,よりおいしく,栄養価の高い食品や,新たな保健機能食品・特別用途食品の開発も急速に進んでいる.
生鮮食品,加工食品,外食に分けた食料消費支出の推計をみると,加工食品は2000 年の45%から2020 年の53%と近年大きく伸びており,外食の21%を含めると,付加価値の高い加工食品の需要は今後さらに高まると見込まれている.食品の原料は,そのほとんどが動植物,すなわち生物であり,腐敗や品質劣化が起きやすい.加工食品は,微生物による腐敗を避け,空気(酸素),夏場の高温や光による食品の品質劣化を抑制し,嗜好性を高める工夫を施した先人の知恵を礎としており,現代の食生活において不可欠である.
管理栄養士国家試験出題基準(2019 年改定)において,食品学関連分野(食べ物と健康)の出題のねらいには,「@食品の分類,成分及び物性を理解し,人体や健康への影響に関する知識を問う.」「A食品素材の成り立ちについての理解や,食品の生産から加工,流通,貯蔵,調理を経て人に摂取されるまでの過程における安全性の確保,栄養や嗜好性の変化についての理解を問う.」「B食べ物の特性を踏まえた食事設計及び調理の役割の理解を問う.」の3 点があげられている.栄養士・管理栄養士をはじめフードスペシャリストなどの食の専門家にとって,食品の加工・貯蔵について科学的に正しい知識と認識,理解を深めることは必須であり,食品の表示と規格,食品素材の特性,それに対応する食品加工技術に精通することが強く求められている.
本書「食べ物と健康 食品の加工」の増補版の刊行から約5 年が経過したが,この間,2020 年度から新たな食品表示制度が完全施行されたほか,日本食品標準成分表2020 年版(八訂),日本人の食事摂取基準(2020 年版),食品衛生法などが公表・改正された.これらの状況に鑑みて,新たに改訂第2 版を刊行することとした.本書は,姉妹書である「食べ物と健康 食品の科学」と同様に,管理栄養士養成施設における教育・研究に実績のある専門家を中心に執筆者を厳選している.改訂第2 版では,食品加工と保蔵の原理を独立した章とし,食品表示と規格基準,生産・加工・流通過程の栄養と品質変化,加工食品について,詳細に解説した.また,新たな管理栄養士国家試験出題基準に照らし合わせ,基礎から応用へと導く視点で目次を再構成するとともに,シリーズ全体のリニューアル方針に従って紙面デザインを一新した.
執筆者の積極的な協力を得て刊行された本書は,管理栄養士養成課程の学生のみならず,食の専門家の養成課程全般に相応しい特長をもった教科書であると確信している.しかしながら,なお足りない点もあるのではないかと危惧する.これらについては読者諸賢のご指導を賜わり,より良い教科書に改訂していきたい.最後に本書の刊行にあたり,企画段階からご尽力頂いた南江堂の諸氏に厚く感謝申し上げる.
2022 年1 月
編集者を代表して
太田英明