リハビリテーション医学テキスト改訂第5版
編集 | : 出江紳一/加賀谷斉 |
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ISBN | : 978-4-524-22849-2 |
発行年月 | : 2022年1月 |
判型 | : B5 |
ページ数 | : 432 |
在庫
定価5,940円(本体5,400円 + 税)
サポート情報
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2022年05月24日
最新情報に基づく補足
正誤表
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2023年07月12日
第1刷
- 商品説明
- 主要目次
- 序文
リハビリテーション医学を平易かつ網羅的に解説しており,確かな知識がつく教科書.総論部分では全体を概観し,各論部分ではリハビリテーションに関わる各疾患について,概念,評価,治療などを簡潔に解説している.今改訂では,「がん・悪性腫瘍」の章を新設したほか,学問領域の進展にともなう情報更新を行い ,より充実した教科書となった.
I リハビリテーション医学総論
A. 歴史と定義
1 リハビリテーションという言葉の由来
2 リハビリテーションの歴史
3 リハビリテーションの定義と理念
B. 障害とその分類
1 国際障害分類(ICIDH)
2 国際生活機能分類(ICF)
C. リハビリテーションの分野
1 リハビリテーション医学
2 リハビリテーション医学の対象
3 リハビリテーション医療
4 障害の3つのレベルに対するアプローチ
5 障害の受容
D. 医療従事者とチーム
1 リハビリテーション科医
2 理学療法士
3 作業療法士
4 言語聴覚士
5 看護師
6 ソーシャルワーカー
7 臨床心理士・公認心理師
8 義肢装具士
E. 関係法規と保健医療福祉行政
1 社会福祉法
2 身体障害者福祉法
3 児童福祉法
4 老人福祉法
5 障害者総合支援法
6 高齢者の医療の確保に関する法律(旧老人保健法)
7 介護保険
II リハビリテーション医学における診断・評価と治療
A. 障害の評価
1 意識障害
2 運動障害
3 感覚障害
4 反射
5 知能障害
6 言語障害
7 高次脳機能障害
8 心理障害
9 発達障害
10 廃用症候群
11 排尿障害
12 摂食嚥下障害
13 心機能障害
14 呼吸機能障害
15 歩行障害
16 上肢機能の評価
17 ADL障害
18 APDL障害
19 職業前評価
B. 臨床検査
1 電気生理検査
2 呼吸機能検査
3 心機能検査
4 腎・膀胱機能検査
5 自律神経検査
6 画像診断
C. 治療
1 疾病治療とリハビリテーション医療
2 理学療法
3 作業療法
4 言語療法
5 補装具
6 心理的アプローチとカウンセリング
7 社会資源と環境整備
III リハビリテーション医学疾患各論
A. 脳疾患
1 脳血管障害
2 外傷性脳損傷
3 低酸素脳症
4 遷延性意識障害
B. 脊髄疾患
1 脊髄損傷
2 二分脊椎
3 脊髄血管障害
4 脊髄空洞症
5 HTLV関連脊髄症
C. 関節リウマチとリウマチ性疾患
1 関節リウマチ
2 リウマチ性疾患のリハビリテーション
D. 小児疾患
1 脳性麻痺
2 筋緊張低下児
3 重症心身障害児
E. 神経筋疾患
1 パーキンソン病
2 多発性硬化症
3 重症筋無力症
4 運動ニューロン疾患
5 脊髄小脳変性症
6 筋ジストロフィー
7 多発性筋炎・皮膚筋炎
F. 末梢神経障害
1 腕神経叢麻痺
2 多発神経障害
3 単神経障害
G. 関節疾患
1 肩関節周囲炎
2 腱板損傷
3 変形性股関節症
4 発育性股関節脱臼
5 変形性膝関節症
6 血友病性膝関節症
7 神経病性関節症
H. 外傷
1 早期リハビリテーションの重要性
2 骨折
3 高齢者の骨折
4 スポーツ外傷とスポーツ障害
5 複合性局所疼痛症候群
6 手の外傷
I. 脊椎疾患
1 腰痛症
2 椎間板ヘルニア
3 脊椎退行変性疾患
4 脊柱靱帯骨化症
5 側弯症
6 頸肩腕症候群
7 鞭打ち損傷(外傷性頸部症候群)
J. 内部障害
1 心疾患
2 メタボリックシンドローム
3 呼吸器疾患
4 周術期・ICU
5 慢性腎臓病
6 肝疾患
K. 末梢循環障害
1 慢性動脈閉塞
2 静脈血栓塞栓症
3 リンパ浮腫
L. 切断
1 切断者の疫学
2 切断部位と義肢の名称
3 切断部位の選択の原則
4 切断術
5 義足
6 義手
7 幻肢
M. がん・悪性腫瘍
1 がん・悪性腫瘍のリハビリテーション
2 手術療法におけるリハビリテーションと固形がんでの注意点
3 化学療法・放射線療法におけるリハビリテーションと血液がんでの注意点
4 緩和ケアと終末期におけるリハビリテーション
N. 高齢者のリハビリテーション
1 高齢者のリハビリテーションとは
2 高齢者の特性
3 リハビリテーションの進め方
4 QOL
5 地域リハビリテーション
6 高齢者医療
O. その他の疾患
1 熱傷
2 AIDS
3 解離性(転換性)障害
4 痙性斜頸
付録
参考図書
索引
本書の改訂作業が行われた2020 年は新型コロナウイルスのパンデミックが社会の在り方を変えた年として記憶されるだろう.その途上の現在においても,大学での講義はオンラインで実施され,リアルタイム配信では学生同士で対話できる機能も活用されている.もともと大人数を教室に集めて一方的に行う授業形態に疑問があったので,知識はオンデマンドで提供して学生との対話に教員のエネルギーを注力できることには大きなメリットを感じている.今は,教育は学生のためにあるという原点に立ち返り教員として成長するための大切な時間と考えている.
さて,本書は2000 年の初版発行から,主に理学療法士・作業療法士養成課程の学生を対象とし,長年にわたって版を重ねてきた.多くの養成校で採用,支持されてきたことに対して感謝の意を表したい.本書の特長は,学生が学ぶべき事項が網羅的かつコンパクトにまとめられていることである.それは,医療専門職として働き始める時に真に役に立つ知識である.したがって,学問の進歩と標準的な診療の実態を反映した改訂が必要であり,若手の執筆者を加えてここに改訂第5 版を刊行するものである.
改訂にあたり初版を読み直して驚くのは,学問的記述自体は殆ど古くなっていないことである.それどころか,現在は確立していても発刊当時には未だ萌芽であった知見が慎重な表現ではあるが記述されていることに気づく.全体として科学的な視点と臨床の知恵とが程よくブレンドされており,本書を創出された三上真弘先生と石田 暉先生の教育に対する熱意と懐の深いセンスを感じる.
本書はパンデミックからの復興と時期を同じくして刊行される.教育環境の状況は様々で,学生によっては多くの苦難と向き合っているかもしれない.執筆の労をお取り下さった諸先生方,丁寧な仕事で執筆者を支えて下さった南江堂の出版部各位に感謝申し上げるとともに,これらの方々の力をお借りして,学び続ける読者にエールを送りたい.
2021年11月
編集者 出江 紳一
加賀谷 斉