教科書

PT・OTヒント式トレーニング らくらく覚える解剖学・運動学

編集 : ヒントレ研究所
ISBN : 978-4-524-22798-3
発行年月 : 2023年9月
判型 : B5変型
ページ数 : 420

在庫あり

定価4,400円(本体4,000円 + 税)


正誤表

  • 商品説明
  • 主要目次
  • 序文

膨大な量の記憶が求められる解剖学・運動学分野の学習をサポートする参考書の決定版!最初から一度に図のすべてを暗記するのではなく,3段階に設定したステップでらくらく覚えられる.国試対策や暗記方法のアドバイスも盛り込み,暗記が苦手でも効率よく取り組めるよう工夫を凝らした.『PT・OT基礎固め ヒント式トレーニング 基礎医学編』の姉妹本.

第1章 細胞・組織
 (1)細胞の微細構造
 (2)人体を構成する組織
第2章 骨・関節・筋

 (1)骨の基礎
 (2)頭部の骨
 (3)脊柱・胸郭・骨盤
 (4)上肢の骨
 (5)下肢の骨
 (6)関節

 (1)筋の基礎
 (2)筋の起始・付着
 (3)表面解剖
 (4)筋の断面
第3章 運動学
関節
 (1)関節のタイプ
 (2)上肢の関節
 (3)股関節
 (4)下肢の関節
 (5)足部の関節
 (6)脊柱と体幹の関節
 (7)頭部・顔面の関節
第4章 神経
神経の基礎
 (1)ニューロンの基本構造
 (2)運動神経・感覚神経の分類
 (3)シナプス結合
中枢神経系
 (1)脳の構造
 (2)大脳,間脳
 (3)脳幹,小脳
 (4)脊髄
 (5)伝導路
 (6)脳室
末梢神経系
 (1)脳神経と脊髄神経
 (2)筋の支配神経・髄節の覚え方
 (3)感覚神経
第5章 感覚器
 (1)感覚の分類
 (2)感覚受容器
 (3)皮膚の構造
 (4)特殊感覚
第6章 呼吸器
 (1)気道
 (2)肺
 (3)呼吸運動
 (4)肺気量分画
第7章 循環器
 (1)心臓の構造
 (2)刺激伝導系
 (3)体循環と肺循環(脈管系)
 (4)全身の動脈
 (5)静脈
 (6)リンパ
 (7)血液
第8章 消化器
 (1)消化器系の構造
 (2)食道以下の消化器
第9章 腎臓と泌尿器
 (1)腎臓と泌尿器
 (2)腎臓
 (3)尿管〜膀胱〜尿道
付録 ホルモン
索引

 理学療法士や作業療法士の養成課程では,解剖学,生理学,運動学などの基礎医学,内科学,整形外科学などの臨床医学において膨大な量の記憶が求められます.勉強に慣れていない学生さんでは,頑張って勉強したけど記憶ができない,成績が上がらないという悪い結果を何度も経験します.すると,憂鬱な気持ちになり,ますます勉強に手がつかなくなります.
 これは個人のやる気の問題ではありません.
 ある行動をした結果,よいことが生じると,その行動の出現頻度が増加します.逆に,悪い結果が生じたり変化がなかったりすると,行動は減少します.これは神経生理学に基づく行動の基本原理です.これを記憶行動に当てはめてみましょう.
イラスト1
 脳の動脈を覚えようと,頑張って記憶します.その結果,脳動脈を流暢に想起できるようになったり,国家試験問題が解けたりすると(よい結果),勉強する頻度が増加します.逆に,頑張って勉強したのに脳動脈の名称が思い出せなかったり,問題を間違ったりすると(悪い結果),勉強する頻度は減少していきます.
 骨・筋の名称,筋の作用や支配神経など,膨大な記憶が求められる解剖学・運動学は難敵です.
 記憶の秘訣は,想起(思い出し)を繰り返すことです.通常,まず図1 に示された脳動脈の名称を覚えます(記銘).その後,名称を消した図2 を用いて,覚えたことを想起することになります.想起するにはまず記銘しなければなりません.実は,これが大変なので記憶が難しいのです.
イラスト2
イラスト3
 本書は,最初の記銘と想起を楽にするためにプロンプト・フェイディング法という技法を取り入れました.プロンプトとは,手がかり(ヒント)のことです.最初はたくさんの手がかりを与え,想起に成功させます.そして,手がかりを徐々になくしていきます(フェイディング).
 脳動脈の項では,次のような3 段階が準備されています.まず,最初のページの文章を読んで,図の中の動脈の名称を確認します.漢字の読みなどはここでチェックしておきましょう.
 国家試験では図で出題されることは少ないので,文字で理解しておく必要があります.しかし,最初から赤シートをかぶせて思い出そうとすると失敗する可能性が高くなります.失敗すると憂鬱な気分になります.そこで,空白部分に鉛筆でヒントを書き込んで思い出しやすくしてください.できるだけ自分に優しい十分なヒントを入れましょう.
 ヒントの入れ方にも注意してください.長骨の構造の文章では,骨膜,骨内膜,骨芽細胞,骨髄など,先頭に「骨」のつく語が多くあります.ヒントに「骨」と書くと手がかりとしての機能が弱くなります.「膜」,「内」,「芽」,「髄」などのほうが適切でしょう.
 ヒントをみているようではいつまでたっても覚えられない,と思う方もいることでしょう.大丈夫です.ヒントをみながらでも,想起を繰り返していると記憶は定着していきます.
イラスト4
次のページのステップ1 にトライしてみてください.
イラスト5
すべての想起に成功したら,ステップ2 に移りましょう.
イラスト6
すべての想起に成功したら,ステップ3 に移りましょう.
イラスト7
 ステップ3 に成功したら,1 ページ前に戻ってステップ0 の図に赤シートをかぶせて想起してみてください.正答数と日付を記録しましょう.
 いかがでしょう! 短時間で想起に成功したのではないでしょうか.
 このようにして,解剖学・運動学の重要部分を記憶していきます.
 忘れたとショックを受けて何度も見返しするのは脳によくありません.1 周で記憶を完成する必要はありません.2 周目のときも正答数と日付を記録します.3周目になれば,ステップ1 ではなくステップ2 から始められることでしょう.
 本書に掲載されている図表は『PT・OT 基礎固めヒント式トレーニング 基礎医学編』 に掲載されているものです.本書で解剖学・運動学の記憶を定着させれば,国家試験勉強の負担が大幅に軽減されるでしょう.

9784524227983