年代別四肢骨折治療のアプローチ
編集 | : 高平尚伸/和田卓郎 |
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ISBN | : 978-4-524-22679-5 |
発行年月 | : 2022年1月 |
判型 | : B5 |
ページ数 | : 304 |
在庫
定価8,800円(本体8,000円 + 税)
- 商品説明
- 主要目次
- 序文
骨や生活の特徴により,年代別で対処が異なる「四肢骨折」.年代別を切り口とすることで,経験の少ない若手医師が現場で素早く四肢骨折治療に対するアプローチができる仕立てとしており、写真やイラストでわかりやすく患者の特異性に応じた治療を学ぶことができる.保存療法・手術などの治療の選択肢を増やし,適切な治療選択をできるようにするための道標となる一冊.
巻頭項目
受傷機転別の起こりやすい骨折
T 診療総論
A.骨折治療の基礎知識と基本的な考え方
1.小児
2.成人
3.高齢者
B.診断
C.合併症と後遺障害
U 疾患別治療各論
A.整復と固定法
B.小児
1.上腕骨顆上・上腕骨外側顆・上腕骨内側上顆骨折
2.橈骨近位端・前腕骨骨折(Monteggia骨折など)
3.橈骨遠位端骨折(Colles骨折など)
4.骨盤骨折
5.大腿骨骨折
6.脛骨などの遠位部骨端線損傷
C.成人
1.鎖骨骨折
2.上腕骨骨幹部骨折
3.肘頭骨折
4.橈骨近位端・橈骨骨幹部・尺骨骨幹部骨折
5.橈骨遠位端骨折
6.舟状骨骨折
7.中手骨・指骨骨折(骨性槌指を含む)
8.骨盤輪骨折
9.寛骨臼骨折
10.大腿骨頭骨折
11.大腿骨骨幹部骨折
12.膝蓋骨骨折
13.大腿骨顆上部・顆部骨折
14.脛骨プラトー骨折
15.脛骨骨幹部骨折
16.脛骨遠位部骨折(plafond骨折/pilon骨折)
17.足関節果部骨折
18.Lisfranc関節脱臼骨折
19.踵骨骨折
20.中足骨・趾骨骨折
D.高齢者
1.上腕骨近位部骨折
2.上腕骨遠位部骨折
3.橈骨遠位端骨折
4.大腿骨頚部骨折
5.大腿骨転子部骨折
6.大腿骨顆上部・顆部骨折
7.人工股関節周囲骨折
8.人工膝関節周囲骨折
9.病的骨折
序 文
骨折治療は整形外科の基本です.整形外科医にとって必須の領域であり,どのような専門領域に進むとしても若い整形外科医は習得しなければならず,最前線の病院では連日臨床現場で実践されています.しかしながら,臨床現場では幅広い年代の患者さんに遭遇するにもかかわらず,これまで年代別の観点で編集された骨折治療の書籍はありませんでした.そこで,患者さんの年代により異なる骨や生活の特徴を踏まえた,わが国はじめての四肢骨折治療の教科書として本書を企画しました.
本書の特徴は,総論・各論ともに年代別の切り口で解説することによって,若手医師に骨折治療のアプローチをよりわかりやすく示した点にあります.引用や参考文献は必要不可欠なものに絞り,図表を多用し解説する構成とすることで,現場の疑問に答え,実臨床にすぐに役立つ仕立てとしました.最新の基礎研究の成果に基づくエビデンス,着実に進歩している最新の診断法,さらには手術テクニックやインプラントを含む最先端の治療法などの多くの情報が随所に散りばめられています.
各論では年代別の骨折分類に対して推奨される治療法についてポイントを絞っています.治療法については保存療法もさることながら,特に手術治療を重点的に取り上げています.さらにご執筆いただいた先生からはそれらに合わせて豊富な症例をご提示いただきました.中には工夫を凝らしたオリジナルの方法を惜しげもなくご披露くださった先生もおられます.読者にとっては,多くの選択肢が示されていることになりますので,大変価値のある 1冊になったと確信しています.
本書にてご執筆いただいた先生方は,本領域の第一線の方々です.したがって,内容は極めて詳細かつ具体的に記載されています.玉稿を賜りましたことに,この場を借りて深謝いたします.骨折外傷や整形外科一般に携わっている若い先生に限らず,メディカルスタッフ,はたまた整形外科のベテランの先生方まで,是非ご一読いただきたい書籍です.すなわち,臨床の現場で傍において最新の年代別四肢骨折治療への理解を深めていただき,実践に活用されることを心から願っております.そして,年代により特徴的な様式を有するさまざまな患者さんが,より素晴らしい適切な治療を受けられることを強く望みます.いずれ,本書が多くの先生方にとって真の教科書的な位置付けになることができましたら,この上ない喜びです.
北里大学教授/北里大学大学院医療系研究科長
高平尚伸
済生会小樽病院院長
和田卓郎