がん薬物療法の支持療法マニュアル改訂第2版
症状の見分け方から治療まで
監修 | : 遠藤一司 |
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編集 | : 鈴木賢一/中垣繁/米村雅人 |
ISBN | : 978-4-524-22633-7 |
発行年月 | : 2021年10月 |
判型 | : B6変型 |
ページ数 | : 284 |
在庫
定価3,300円(本体3,000円 + 税)
正誤表
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2022年07月11日
第1刷
- 商品説明
- 主要目次
- 序文
がん薬物療法の支持療法を副作用症状別にまとめた大好評マニュアルの改訂版.従来薬に加え,免疫チェックポイント阻害薬による副作用症状への対策を新設.「この副作用症状は抗がん薬が原因?それとも別の原因?」「標準的な支持療法で対処できない症状にはどうすればいい?」「患者の質問に適切に答えたい」など,現場の疑問と要望にしっかり対応!
【内容目次】
第1 部 細胞障害性抗がん薬,分子標的治療薬による副作用
A 消化器症状
1.悪心・嘔吐
2.下痢・便秘
3.口内炎・口腔乾燥
B 薬剤性皮膚障害
1.薬剤性皮膚障害
C 神経・精神症状
1.末梢神経障害
2.中枢神経障害
3.うつ病・せん妄
D 全身症状
1.倦怠感
2.関節痛
3.アレルギー反応,infusion reaction
E 骨髄抑制
1.発熱性好中球減少症
2.貧血・血小板減少症
F 循環器症状
1.心毒性
2.血栓
3.高血圧
G 薬剤性肺障害
1.薬剤性肺障害
H 肝障害
1.肝障害
I 腎障害
1.腎障害・タンパク尿
2.出血性膀胱炎
J その他
1.浮 腫
2.眼障害
3.妊孕性低下
4.二次がん
5.放射線食道炎
第2 部 免疫チェックポイント阻害薬による副作用
1.総 論
2.薬剤性肺障害
3.大腸炎・重症の下痢
4.甲状腺機能異常
5.1型糖尿病
6.肝機能障害,肝炎,膵炎
7.重篤な皮膚障害
8.重症筋無力症,筋炎,横紋筋融解症
9.心筋炎,心筋障害
10.下垂体〜副腎機能不全
11.腎障害
12.眼障害
13.サイトカイン放出症候群
付録
1.抗がん薬略語一覧
2.検査関連略語一覧
3.その他略語一覧
索引
がん薬物治療は免疫チェックポイント阻害薬の登場で大きく変化しています.従来の抗がん薬と大きく異なるメカニズムをもつ免疫チェックポイント阻害薬は,今やがん薬物治療における重要な薬剤として,単剤また他剤との併用により治療成績の向上に大きく寄与しています.一方で発生する副作用も従来の抗がん薬と異なることが多く,副作用対策にも十分な知識が必要となるため,本書の改訂にあたっては第2 部に新たな項目として「免疫チェックポイント阻害薬による副作用」を記載しました.
今や多くのがん薬物治療が,通院治療を基本に行われることから,副作用対策は,治療当日の外来化学療法センターなどにおける薬剤師や看護師による治療介入や保険薬局における薬剤師による患者指導がより重要になっています.薬機法の改正により,薬剤師による継続的な服薬状況の把握や服薬指導が義務化されたことから,治療のモニタリングや副作用対策が重要ながん薬物治療においては,従来に増してがん患者への介入が必須となります.また,薬局薬剤師のがん領域の専門薬剤師制度やがんの専門医療機関連携薬局認定制度も始まり,薬剤師によるがん領域の広範で高度な知識と医療機関と薬局との緊密な連携が患者のQOL を高め,がんの治療成績の向上につながるものと期待されています.
本書は,患者の訴える症状が抗がん薬による副作用か,それ以外の可能性かを判断するためのポイントを明確にし,原因として考えられる抗がん薬の詳細情報や副作用対策をエビデンスに基づき解説しています.執筆は初版に引き続きがん領域で活躍する薬剤師や医師にご担当いただき,改訂にあたっては,図表を加えることでより多くの臨床の場面で活用していただけるものとなっています.本書により,一人でも多くの患者が,十分な副作用対策により有効で安全ながん治療を受けられることを願っています.
2021 年秋
遠藤一司