新装版 ナースのためのWeb音源による呼吸音聴診トレーニング
編集 | : 米丸亮/櫻井利江 |
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ISBN | : 978-4-524-22584-2 |
発行年月 | : 2019年5月 |
判型 | : B5 |
ページ数 | : 130 |
在庫
定価4,180円(本体3,800円 + 税)
- 商品説明
- 主要目次
- 序文
あの好評書がWeb音源版になって帰ってきた!正常呼吸音から、副雑音、病態別呼吸音、治療・処置に伴う呼吸音の変化まで−“実際の呼吸音”を収録した貴重な33音源(ナレーション付き)がスマホ片手にどこでも聴ける。ナースのアセスメント場面に即して、この呼吸音でどのような病態が考えられるか、この病態でどのような呼吸音が聴かれるか、の双方向の視点が自然と身につく呼吸音聴診教材の決定版。
第1章 聴診のための基礎的事項
<ガイダンス>
呼吸器の形態機能的理解
1 呼吸器系の解剖
2 換気とガス交換
3 ヘモグロビン(Hb)と動脈血酸素分圧(Pa02),動脈血酸素飽和度(Sa02)
呼吸音の理解
1 呼吸音(肺音)聴診の歴史
2 呼吸音の発生機序
聴診方法
1 聴診器の使い方
2 患者の体位
3 聴診部位
4 呼吸法
5 代表的疾患・病態の聴診法のコツ
6 聴診時の注意点
第2章 呼吸音の聴診と評価
<ガイダンス>
呼吸音の分類
呼吸音(肺音)の特徴
<ガイダンス>
<解説>
正常呼吸音 肺胞呼吸音
正常呼吸音 気管支呼吸音
正常呼吸音 気管支肺胞呼吸音
正常呼吸音 気管呼吸音
異常呼吸音 呼吸音の減弱
異常呼吸音 呼吸音の増強
異常呼吸音 気管支呼吸音化
連続性ラ音とは
異常呼吸音:副雑音 低音性連続性ラ音(類鼾音)
異常呼吸音:副雑音 高音性連続性ラ音(笛声音)
断続性ラ音(クラックル)とは
異常呼吸音:副雑音 細かい断続性ラ音(捻髪音)
異常呼吸音:副雑音 粗い断続性ラ音(水泡音)
病態別呼吸音
<ガイダンス>
<解説>
自然気胸
無気肺
胸水貯留
喘息
成人呼吸促迫症候群
胸腔ドレーン内の液体貯留
気管狭窄
気管支狭窄
気管・気管支狭窄
肺炎
間質性肺炎/肺繊維症
気管支拡張症
胸膜炎
第3章 事例の展開(治療・処置に伴う呼吸音の経時変化)
<ガイダンス>
<解説>
無気肺
喘息
うっ血性心不全
喀痰吸引の前後
挿管チューブのトラブル
肺炎
肺水腫
皮下気腫
血気胸
付 音源ナレーション(再掲)
コラム 呼吸音とコンピュータ/聴診器あれこれ
新装版 序
1877年、トーマス・エジソンが発明した蓄音機により音の実用的再生が可能となり、1887年には円盤式レコードが登場しました。1962年には、わが国でレコードによる肺聴診の素晴らしい音源が出版されました。その後、コンパクトカセットテープが1960年代中頃から普及し、国際肺音学会の創立者の一人であるレイモンド・マーフィー博士による呼吸音音源も提供されました。しかし、これらはアナログ音源であり、繰り返し再生の操作が簡便でないため、医学教育界に普及するには至りませんでした。
1982年に登場したのが、日蘭共同開発のCDです。ここからいよいよデジタル音源の時代に入ります。音楽媒体としてのCDは、瞬く間にレコードを凌駕します。デジタル情報のためCDでは楽曲の頭出しが簡単で、繰り返し聴くことが容易になりました。本書の原型は1992年にCD音源で出版されましたが、嬉しいことに多くの医学教育機関で呼吸器疾患の聴診教育に用いられ、呼吸音が繰り返し再生されました。
それから約30年の年月が流れました。Webから配信された音楽をスマートフォンで楽しむ時代に入り、CD再生機を持っていない人が増えていると聞きます。聴診教育の普及には、多くの利用者が使いやすい媒体を提供する必要があります。このため『ナースのためのCDによる呼吸音聴診トレーニング』をWeb音源による新装版として上梓することとなりました。新装版はスマートフォンにも対応しており、電子画面からの操作性はCDより格段に向上しています。本書の呼吸音は1980年代に収録しましたが、日本がとても輝いていた時代のものです。音源はデジタル化してありますので、これらの音もいつまでも輝いていると信じています。多くの医療関係者がWeb配信の呼吸音を再生し、いつでもどこでも聴診トレーニングが可能となることを願っています。
著者たちに新しい感覚を吹き込んでくださった南江堂の梶村野歩雄氏に感謝の意を表します。
2019年(令和元年)5月
米丸亮