ナショナルチームドクター・トレーナーが書いた種目別スポーツ障害の評価とリハビリテーション
編集主幹 | : 林光俊 |
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編集 | : 金岡恒治/佐藤謙次 |
ISBN | : 978-4-524-22541-5 |
発行年月 | : 2022年11月 |
判型 | : B5 |
ページ数 | : 448 |
在庫
定価7,700円(本体7,000円 + 税)
- 商品説明
- 主要目次
- 序文
- 書評
好評を博した『ナショナル・チームドクター・トレーナーが書いた種目別スポーツ障害の診療』を全面刷新.本書の特長である競技種目別・部位別に解説する構成はそのままに,新たに東京オリンピックで採用された新種目を追加したほか,超音波画像診断,女性アスリートの健康管理,暑熱対策などのトピックも収載.スポーツ医学に携わるすべての人に贈る本邦最高峰のスポーツ医療書.
目 次
T.種目別対処法
1.陸上競技
ドクター編
@競技特性
A傷害マップ
B代表的疾患
肉ばなれ/疲労骨折/腱障害
トレーナー編
@代表的疾患
肉ばなれ/疲労骨折/腱障害
2.野球
ドクター編
@競技特性
A傷害マップ
B代表的疾患
肘内(尺)側側副靭帯損傷/肩インピンジメント症候群/腰椎分離症/野球の障害に対する治療
コラム@ 子どもの野球離れ
コラムA 日本における少年野球の歴史と高校野球の現状
トレーナー編
@代表的傷害
肘内(尺)側側副靭帯損傷/肩インピンジメント症候群/腰椎分離症
3.水泳
ドクター編
@競技特性
A傷害マップ
B代表的疾患
腰椎椎間板障害・椎間板ヘルニア/肩腱板損傷(肩甲下筋に注目して)/足関節捻挫
コラム 捻挫ってどういうこと?
トレーナー編
@代表的疾患
腰椎椎間板障害・椎間板ヘルニア/肩腱板損傷(特に肩甲下筋損傷)/足関節捻挫
4.サッカー
ドクター編
@競技特性
A傷害マップ
B代表的疾患
前十字靭帯損傷/膝内側側副靭帯損傷/半月板損傷/ハムストリングス肉ばなれ/第5中足骨疲労骨折
コラム フットサルとサッカーの違い
トレーナー編
@代表的疾患
前十字靭帯損傷/膝内側側副靭帯損傷/半月板損傷/ハムストリングス肉ばなれ/第/5/中足骨疲労骨折
コラム リコンディショニングの基本
5.バレーボール
ドクター編
@競技特性
A傷害マップ
B代表的疾患
ジャンパー膝(膝蓋腱症)/足関節捻挫/下肢疲労骨折/手指外傷/腰痛
コラム@ いつでもオンコール?!
コラムA バレーボール人気復活の切り札!
トレーナー編
@代表的疾患
ジャンパー膝(膝蓋腱症)/足関節捻挫/下肢疲労骨折
6.バスケットボール
ドクター編
@競技特性
A傷害マップ
B代表的疾患
膝前十字靭帯損傷/足関節靭帯損傷/腰痛/突き指(手指外傷)
コラム@ 3×3バスケットボール
コラムA バスケットボールとスポーツ関連脳振盪
トレーナー編
@代表的疾患
前十字靭帯損傷/足関節靭帯損傷/腰痛症
7.柔道
ドクター編
@競技特性
A傷害マップ
B代表的疾患
変形性肘関節症/前十字靭帯損傷/腰椎分離症
コラム@ 柔道の「多様性」について
コラムA 団体戦の魅力「自他共栄」
トレーナー編
@代表的疾患
変形性肘関節症/前十字靭帯損傷/腰椎分離症
8.ボクシング
ドクター編
@競技特性
A傷害マップ
B代表的疾患
脳振盪/急性硬膜下血腫/頚椎捻挫/反復性肩関節脱臼・亜脱臼/手および手関節の損傷/顔面外傷/眼窩壁骨折
コラム@ スポーツ脳振盪後の脳の変化
コラムA メダリストたちの笑顔に寄せて
トレーナー編
@代表的疾患(頭部外傷)
脳振盪/急性硬膜下血腫/バーナー症候群(頚椎症性神経根症)/反復性肩関節脱臼/手および手関節の損傷/肘関節内側上顆炎
9.バドミントン
ドクター編
@競技特性
A傷害マップ
B代表的疾患
足底腱膜炎/膝蓋下脂肪体炎/筋肉損傷
トレーナー編
@代表的疾患
足底腱膜炎/膝蓋下脂肪体炎/肉ばなれ(大内転筋,腹直筋)
コラム バドミントン日本代表選手にはオフシーズンがない?!
10.テニス
ドクター編
@競技特性・傷害マップ
A代表的疾患
TFCC損傷後の遠位橈尺関節(DRUJ)不安定症・尺骨頭突き上げ症候群(UCAS)/尺側手根伸筋(ECU)腱鞘炎・腱脱臼/難治性上腕骨外側上顆炎
トレーナー編
@代表的疾患
TFCC損傷後の遠位橈尺関節(DRUJ)不安定症/尺側手根伸筋(ECU)腱鞘炎・腱脱臼/上腕骨外側上顆炎
11.ラグビー
ドクター編
@競技特性
A傷害マップ
B代表的疾患
バーナー症候群/ハムストリングス肉ばなれ/肩関節脱臼/顔面骨骨折/筋打撲傷
コラム@ ジェネラリストとしてのスポーツドクター
コラムA チームドクターの役割
コラムB Global + Local = Glocal
トレーナー編
@代表的疾患
バーナー症候群/ハムストリングス肉ばなれ/肩関節脱臼
12.アメリカンフットボール
ドクター編
@競技特性
A傷害マップ
B代表的疾患
膝内側側副靭帯損傷/脳振盪/スティンガーズ(バーナー症候群)
コラム 脳振盪予防のための米国の新しい技術指導
トレーナー編
@代表的疾患
膝内側側副靭帯損傷/脳振盪/スティンガーズ(バーナー症候群)
コラム ネックトレーニングの重要性
13.体操競技
ドクター編
@競技特性
A傷害マップ
B代表的疾患
肩甲帯疾患/肘関節疾患/腰部疾患
トレーナー編
@代表的疾患
肩甲帯疾患/肘関節疾患/腰部疾患
14.スキー
ドクター編
@競技特性
A傷害マップ
B代表的疾患
膝の靭帯損傷/膝痛/腰痛/足部の特殊な外傷(距骨外側突起骨折)
トレーナー編
@代表的疾患
膝の靭帯損傷/膝痛/腰痛
15.スケート(スピード・フィギュア)
ドクター編
@競技特性・傷害マップ
A代表的疾患
腰痛症(椎間板ヘルニア,分離症)/大腿伸筋群障害(Osgood-Schlatter病,ジャンパー膝,大腿四頭筋腱炎)/下肢疲労骨折
トレーナー編
@代表的疾患
腰痛症/大腿伸筋群障害/下肢疲労骨折
16.レスリング
ドクター編
@競技特性
A傷害マップ
B代表的疾患
膝関節外側側副靭帯損傷/肩関節脱臼(関節唇損傷)/腰椎分離症(椎間関節突起部疲労骨折)/頚椎椎間板ヘルニア/
コラム 日本レスリング協会スポーツ医科学委員会の活動について
トレーナー編
@代表的疾患
膝関節外側側副靭帯損傷・膝前十字靭帯損傷/肩関節脱臼
17.ウエイトリフティング
ドクター編
@競技特性
A傷害マップ
B代表的疾患
腰部の疾患(腰椎椎間板ヘルニア)/膝蓋腱炎(膝蓋腱症:ジャンパー膝)/第1肋骨疲労骨折
トレーナー編
@代表的疾患
腰部の疾患(急性腰痛)/膝蓋腱炎/肩関節の疾患(動揺肩)
18.トライアスロン
ドクター編
@競技特性
A傷害マップ
B代表的疾患
熱中症/下肢痛/腰背部痛
トレーナー編
@代表的疾患
熱中症/下肢痛/腰背部痛
19.剣道
ドクター編
@競技特性
A傷害マップ
B代表的疾患
上腕骨外側上顆炎(テニス肘)/足底腱膜炎/有鉤骨鉤骨折/足底脂肪体症候群(fat pad syndrome)
コラム@ 最近の剣道事情
コラムA 世界剣道大会
トレーナー編
@代表的疾患
上腕骨外側上顆炎(テニス肘)/アキレス腱断裂/足底腱膜炎
20.ゴルフ
ドクター編
@競技特性
A傷害マップ
B発症メカニズム(スイングと疼痛発症の関係)
C診断・評価
D治療
腰痛症/肩腱板炎/肘関節外側上顆炎/手指腱鞘炎/その他の障害
トレーナー編
@代表的疾患
腰痛症/手関節腱鞘炎/その他の障害(頚部痛)
21.ハンドボール
ドクター編
@競技特性
A傷害マップ
B代表的疾患
足関節捻挫/膝前十字靭帯損傷/小児PIP靭帯損傷
トレーナー編
@代表的疾患
足関節捻挫/前十字靭帯損傷
22.サーフィン
ドクター編
@競技特性
A傷害マップ
B代表的疾患
足部・足関節外傷/膝関節靭帯損傷/腰痛
コラム@ 新たな形のサーフィン競技
コラムA TOKYO2020大会での新種目としてのサーフィン競技
トレーナー編
@代表的疾患
足部・足関節外傷/膝関節靭帯損傷/腰痛
23.スポーツクライミング
ドクター編
@競技特性
A傷害マップ
B代表的疾患
手指腱鞘損傷(屈筋腱腱鞘損傷)/中節骨骨端損傷/虫様筋損傷/肩関節唇損傷
トレーナー編
手指腱鞘損傷(屈筋腱腱鞘損傷)/中節骨骨端損傷/虫様筋損傷/肩関節唇損傷
24.空手
ドクター編
@競技特性
A傷害マップ
B代表的疾患
顔面損傷/口腔外傷/鼠径周辺部痛
トレーナー編
@代表的疾患
鼠径周辺部痛
25.相撲
ドクター編
@競技特性
A傷害マップ
B代表的疾患
肩関節脱臼/膝前十字靭帯損傷/足関節骨折
コラム@ 大相撲とアマチュア相撲のルールの違い
コラムA オリンピック競技への道
トレーナー編
@代表的疾患
肩関節脱臼/膝前十字靭帯損傷/足関節骨折
26.障がい者スポーツ
ドクター編
@競技特性
A傷害マップ
B代表的疾患
上肢疾患・傷害/褥瘡/自律神経障害
トレーナー編
@代表的疾患
肩関節周囲炎/腰部痛/膝靭帯損傷(視覚障がい柔道)
U.スポーツ障害診療の基礎
1.スポーツ外傷・障害の画像診断
A.超音波(上肢)
@上肢のスポーツ外傷・障害
肩関節脱臼(外傷)▶動画/肩インピンジメント症候群(肩峰下滑液包炎)(障害)▶動画/リトルリーグ肩(上腕骨近位骨端線損傷を含む)(障害)/肘関節側側副靭帯損傷(外傷)/テニス肘(上腕骨外上顆炎)(障害)/橈骨遠位端骨折(外傷)▶動画/手指骨骨折
B.超音波(下肢)
@スポーツ現場での使用法
A代表的疾患
膝内側側副靭帯損傷▶動画/腓腹筋肉ばなれ(テニスレッグ)▶動画/アキレス腱断裂▶動画/前距腓靭帯損傷▶動画
2.スポーツ外傷・障害の応急処置:暑熱対策
@スポーツと熱中症
A重症熱中症の病態
Bスポーツに伴う熱中症の診断
Cスポーツ熱中症に対する現場での応急処置
Dスポーツ熱中症に対する医療機関での治療
Eスポーツ熱中症の現状とこれから
コラム@ 低ナトリウム血症
コラムA TOKYO2020における熱中症対策について
3.スポーツ脳振盪(15人制ラグビー):現場対応と競技復帰
@プロラグビーチームでの頭頚部外傷発生
A脳振盪の定義
B脳振盪の診断
Cラグビーにおける脳振盪マネジメント
D頭頚部外傷発生時の対処
E脳振盪受傷日の注意事項
F競技への復帰プロトコル
G脳振盪後症候群とそのリスクファクター
H慢性外傷性脳症
I脳振盪類型とタイプ別リハビリテーション
4.スポーツ装具
@各種スポーツ競技とスポーツ装具の規定
A各部位別装具
肘・手関節/腰部/膝関節/足関節/足
コラム TOKYO2020におけるビーチバレーボール医療
5.遠征に際して
A.ドクターの立場から
@現地の調査
A医薬品・医療機器
B時差調整
コラム 新型コロナウイルス(COVID-19)による感染症
B.トレーナーの立場から
@トレーナーの準備
Aコンディショニング
B宿泊先情報
C医療機関の受診方法
D選手・役員情報
E携行物品について
F海外遠征時の留意点
G日本選手団としての遠征
6.女性アスリートの健康管理
@月経の基礎知識
A月経随伴症状
月経困難症/月経前症候群(PMS)/過多月経/月経随伴症状に対する治療
B女性アスリートの三主徴
C女性の運動器の特徴
骨格・アライメント/関節弛緩性/筋力
D女性アスリートに起こりやすい外傷・障害
膝前十字靭帯損傷/疲労骨折
序 文
前作『ナショナルチームドクター・トレーナーが書いた種目別スポーツ障害の診療』(初版2007年,第2版2014年)は疾患別・関節別にスポーツ障害を解説する従来の書籍の概念を打ち破り,競技種目別・部位別にナショナルチームのドクター・トレーナーが記述することによって,選手へテイラーメード治療を実施しやすいようにとの願いから刊行され,一定の評価を得てきました.本書はその三代目にあたり,執筆者を一新しTOKYO2020をはじめ,主要大会のメディカルサポートを担当してきたドクター・トレーナーが高度の診療技術を駆使して,日頃トップレベル選手へのメディカルサポートを行った経験を基に執筆しました.
本書1つ目の特徴として,種目別に各競技の特性をまずルール解説から始まり,競技時間やグラウンドの状況,用具などを紹介して,それらがなぜ特徴的な傷害や慢性の疲労性障害の原因になるのかを解説しています.各種目をドクター編とトレーナー編に分けて,競技の種目特性に基づきスポーツ外傷・障害の診断から,評価,応急処置,治療とリハビリテーション,再発予防,競技復帰までをまとめました.
ドクター編では,整形外科スポーツドクターが主に障害の発生メカニズムやそれに対する初期治療等を解説しています.その中には多くの画像診断を盛り込み,単純X線像はもとよりCT,三次元CT,MRI,超音波画像を多く取り入れて,障害部位をわかりやすく図示しています.トレーナー編では,理学療法士もしくはATなどの有資格者トレーナーが,初期治療後のリハビリテーションを中心に,競技復帰までの間をどのようなトレーニングを行ったらよいのか解説しています.
2つ目の特徴として,競技種目を26種目,特にTOKYO2020で新しく増えたサーフィン,スポーツクライミングそして空手競技に,国技相撲も加え4種目を追加しました.
3つ目の特徴として,第二部には競技現場で必要なスポーツ医学知識を盛り込みました.超音波を駆使した超音波画像診断については上肢・下肢に分けて解説し,やり方の実際をQRコードから動画視聴できるシステムにしました.また,特にスポーツ医療関係者に必要な現場での応急処置,頭部外傷,海外遠征に際しての実務や,女性アスリートの健康管理という新しい項目を加えました.コラムは各競技の秘話を現場目線で記載していますので,ちょっと一息つかれて下さい.
最後に,自国開催オリンピックにおけるスポーツ医学の発展をレガシーとすべく,本書がスポーツドクターやトレーナー方の一助となることを願います.
2022年11月
編者を代表して
林 光俊
ナショナルチームドクターやトレーナーがスポーツ障害の診療の実際を紹介する目的に,前作『ナショナルチームドクター・トレーナーが書いた種目別スポーツ障害の診療』の新版として本書が発刊されました.本書では,TOKYO2020や主要大会のメディカルサポートを実際に担当したドクターやトレーナーが執筆されました.日本では,世界規模のラグビーワールドカップ2019日本大会(RWC2019),2020年東京オリンピック・パラリンピック,ワールドマスターズゲームズ2021関西が3年連続で開催された“奇跡の3年”を迎え,国民のスポーツ熱がますます高まり,さらにはFIFA World Cup Qatar 2022,World Baseball Classic 2023が開催され,日本中を感動の渦に巻き込みました.これら日本チームの躍進には,選手の努力をはじめ,それを支える指導者や医師・トレーナーを含めたスタッフのサポートも必要不可欠です.本書はチームを支えてきたナショナルチームドクターやトレーナーが,選手にとってもっとも適切なメディカルサポートを行った経験をもとに執筆されていますので,地域で活躍されているスポーツドクターやトレーナーがスポーツ疾患に遭遇した際に役立つ実用書となっています.
本書の特徴は,ドクター編とトレーナー編に分かれており,世界規模大会の帯同経験をもとに種目特異性やスポーツ現場での治療法や予防法に重点がおかれていることです.ドクター編では競技特性,傷害マップ,代表的疾患と治療,トレーナー編では予防,現場での評価,応急処置,リコンディショニング,そして再発予防に分類されています.スポーツ診療の実践にあたり,スポーツ傷害の評価とリハビリテーション医療を中心に必要な内容がわかりやすく,医療現場・スポーツ現場での対応の実践が学べる決定版となるべく構成されています.
具体的には,「T.種目別対処法」,「U.スポーツ障害診療の基礎」の二つの章から構成され,「T.種目別対処法」では,競技種目を障がい者スポーツ(パラスポーツ)を含め26種目あり,TOKYO2020で加わったサーフィン,スポーツクライミングや空手,そして相撲も新たに取り上げられています.「U.スポーツ障害診療の基礎」では,スポーツ外傷・障害の診療にあたり重要な画像診断,応急処置(暑熱対策),スポーツ脳振盪(現場対応と競技復帰),スポーツ装具,遠征時の対応,女性アスリートの健康管理について,最新の具体的な話題が盛り込まれ執筆されています.
種目特性の理解をより深めるために,それぞれの種目ごとのスポーツ外傷・障害の発生に関して,ルール,環境[競技時間,会場(グラウンド,用具)]を含めた種目特性の観点から解説されています.また,実際の診療に必要不可欠な基礎的知識として,画像診断の中でも現場で有用な超音波を用いた診療に関し,豊富な動画を用いて解説されています.時には生命にかかわる暑熱対策や脳振盪なども,現場のメディカルスタッフには有益な内容になっています.スポーツ装具や遠征の項目では,これまで競技種目や帯同にかかわってこられたスポーツドクターやトレーナーのみならず,今後かかわりたいと思っているメディカルスタッフにも実学的な内容になっています.さらにはすべてのスポーツドクターやトレーナーにとって重要である女性アスリートの健康管理についても,三主徴をはじめ女性運動器の特徴や起こりやすい外傷・障害を取り上げてますので,必要不可欠な知識を修得することができます.
さらに最近の国際大会の最新知識も多数収載され,コラムではそれぞれの競技において,子どもの野球離れやフットサルとサッカーの違い,柔道の「多様性」,チームドクターの役割,協会のスポーツ医科学委員会の役割などを取り上げることで,読者の競技への関心を引き立てています.
私は本書をスポーツ診療に携わる医師,トレーナー,理学療法士のみならず,看護師やスポーツ専門職の方々にとって必須の書としておすすめします.
臨床雑誌整形外科74巻8号(2023年7月号)より転載
評者●宮崎大学整形外科教授/病院長 帖佐悦男