産科婦人科疾患最新の治療2025-2027
編集 | : 杉山隆/梶山広明/吉野修 |
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ISBN | : 978-4-524-21359-7 |
発行年月 | : 2025年1月 |
判型 | : B5判 |
ページ数 | : 282 |
定価8,800円(本体8,000円 + 税)
- 商品説明
- 主要目次
- 序文
3年毎の改訂で、産科婦人科領域の最新情報と治療方針を実臨床に即してコンパクトに解説.巻頭トピックスでは,「産科DIC基準(2024年改訂版)」「HPVワクチンの最新の動向」「不妊治療と保険診療の関係」など,注目の7テーマを厳選しレビュー.各論では診断・検査の要点を解説し、フローチャートによる治療方針と具体的な処方例を記載.豊富なコラムも掲載され、日常診療のアップデートに欠かせない一冊.
巻頭トピックス
1 産科DIC 基準(2024 年改訂版)
2 経腹的子宮頸管縫縮術
3 婦人科ロボット手術の新展開と現状
4 婦人科がんにおける免疫チェックポイント阻害薬
5 HPV ワクチンの最新の動向
6 不妊治療と保険診療の関係
7 帝王切開瘢痕症候群:新基準の帝王切開子宮瘢痕症と治療
T 産科疾患
A 異常妊娠
1.出生前検査と注意点
2.切迫流産,流産
3.絨毛膜下血腫
4.異所性妊娠
5.切迫早産,早産
6.妊娠関連TMA
7.常位胎盤早期剝離
8.血液型不適合妊娠
9.胎児機能不全
10.胎児発育不全(FGR)
11.巨大児
12.双胎妊娠
B 妊娠合併症と合併症妊娠の管理と治療
1.妊娠合併症
a.妊娠糖尿病
b.妊娠高血圧症候群
2.合併症妊娠
a.子宮筋腫,子宮腺筋症
b.婦人科がん
c.内科疾患
C 異常分娩
1.分娩の進行の異常
2.経会陰超音波法検査を用いた分娩進行の評価
3.肩甲難産
4.臍帯巻絡,臍帯下垂,臍帯脱出
5.前期破水
6.癒着胎盤
7.遷延分娩
8.分娩時母体損傷(会陰裂傷,頸管裂傷,子宮破裂)
9.分娩後異常出血
10.子宮内反症
11.羊水塞栓症
12.子宮内組織遺残物(RPOC)
D 産褥異常の管理と治療
1.子宮復古不全
2.乳汁分泌異常(乳汁分泌不全,乳汁うっ滞),乳腺炎
3.産褥期の精神障害
E 産科感染症の管理と治療
1.絨毛膜羊膜炎
2.B 型肝炎,C 型肝炎
3.ヒトT 細胞白血病ウイルス(HTLV-1)母子感染予防
4.トキソプラズマ感染症
5.先天性サイトメガロウイルス感染症
F 新生児の管理と治療
1.新生児仮死
2.低出生体重児
U 婦人科疾患
A 月経異常
1.無月経,希発月経,頻発月経
2.多囊胞性卵巣症候群(PCOS)
3.乳汁漏出性無月経,高プロラクチン血症
4.早発卵巣不全
5.過多月経,過少月経
6.月経前症候群・月経前不快気分障害(PMS/PMDD)
B 不妊症
1.女性不妊症
a.排卵障害による不妊症,排卵誘発
b.卵管性不妊症 醍醐渡辺クリニック
c.子宮性不妊症
d.子宮頸管因子による不妊症
2.男性不妊症
3.生殖補助医療(ART)
C 不育症
1.不育症
D 性器の形態異常
1.性器の形態異常
E 骨盤臓器脱
1.骨盤臓器脱(膀胱瘤,子宮脱,直腸瘤,小腸瘤,腟断端脱)
2.骨盤臓器脱に伴う過活動膀胱
F 婦人科感染症
1.外陰および腟の感染症
2.子宮・子宮付属器の感染症
3.性感染症
G 腫瘍と類腫瘍
1.外陰の腫瘍・類腫瘍
a.乳房外Paget 病
b.外陰上皮内腫瘍
c.外陰癌
2.腟の腫瘍・類腫瘍
3.子宮の腫瘍・類腫瘍
a.子宮筋腫
b.子宮内膜症
c.子宮腺筋症
d.子宮頸管ポリープ
e.子宮内膜ポリープ
f.子宮頸部上皮内腫瘍
g.最小偏倚腺癌(MDA)
h.子宮頸癌
i.子宮内膜増殖症
j.子宮体癌
k.絨毛性疾患
l.子宮肉腫
4.付属器(卵巣,卵管)の腫瘍・類腫瘍
a.卵管癌
b.卵巣の良性腫瘍・類腫瘍
c.悪性卵巣腫瘍
1)上皮性腫瘍
2)性索間質性腫瘍
3)胚細胞腫瘍
5.緩和ケア
H 女性のヘルスケア
1.更年期障害
2.うつ病,不安神経症
3.肥満症,脂質異常症
4.骨粗鬆症
5.外陰腟萎縮
6.ホルモン補充療法
7.漢方治療
I セクシュアル・ヘルス
1.避妊法
2.性の相談:セックスカウンセリング・セラピー,性機能不全,性別違和
序 文
この度,2013-2015 年版から数えて第5 版目となる本書を発刊することとなりました.本書は3 年毎に産科婦人科診療,すなわち周産期,生殖,腫瘍,女性医学それぞれの領域に関する最新の情報を読者の皆様にお届けすることを目的としています.発行のたびに項目立てを刷新し,ほぼすべての執筆者を変更するかたちでよりアップデートした内容を詰め込んでいます.ご存知のとおり,日本産科婦人科学会と関連学会より多数の「ガイドライン」や「産婦人科研修の必修知識」「マニュアル」等が刊行されています.多くの産科婦人科医がこれらの書籍を日常診療のバイブルとして活用されていると思います.一方,産科婦人科学は時代と共に学問の幅が広がり細分化し,より複雑化し,その結果,書籍も一冊に集約できず細分化されているのが現状だと思います.
日々の臨床の現場では,より実践的で具体的,かつエビデンスに基づいた疾患治療に特化したかたちでまとめられた書籍が求められていると思います.本書では学会刊行の最新のガイドラインに沿いつつ,病因・病態への言及は最小限にとどめ,具体的な検査法や治療法について記載することに重点を置きました.また,冒頭のトピックスでは,各領域の最近の治療に関する話題を抽出し,それぞれの話題に造詣の深い専門家に情報を提示いただきました.
診療内容は,進化するとともに変化し続けています.生殖医療の領域では,不妊治療が保険診療となってから2 年が経過しました.新規ゴナドトロピン製剤も使用可能となっています.出生前遺伝的検査の施行も拡大されています.周産期医療では,たとえばRS ウイルスワクチンを新生児に投与する方法から母体投与による予防へとその方向性が変化しています.また,新生児のB 群溶連菌による重症感染症予防策として,ワクチンを母体に投与する戦略に変更される方向性も示されつつあります.腫瘍領域では,難治性あるいは再発婦人科がんに対する分子標的薬のオプションが増えており,日常診療に役立つ最新の実践マニュアルが求められています.
多数のガイドラインが存在する昨今ですが,本書では産科婦人科疾患の必須項目を1 冊に集約しています.本書を臨床の現場でお役立ていただければ編集者にとっても幸せです.
2024 年12 月
編集者一同