呼吸器疾患最新の治療2025-2026
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編集 | : 弦間昭彦/西岡安彦/矢寺和博 |
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ISBN | : 978-4-524-21143-2 |
発行年月 | : 2025年2月 |
判型 | : B5判 |
ページ数 | : 496 |
在庫
定価11,000円(本体10,000円 + 税)
正誤表
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2025年02月06日
第1刷
- 商品説明
- 主要目次
- 序文
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最新の治療シリーズの呼吸器版.巻頭トピックスでは,「アレルギー疾患の分子標的治療」「呼吸器疾患における単球・マクロファージの最新の話題」「高齢者の肺癌薬物療法―最近の展開」「特発性樹枝状肺骨化症の臨床」など,注目のテーマを12題取り上げた.各論では,主な呼吸器用薬剤・治療手技,各疾患の診断から処方例を含めた標準的治療について最新の知見を紹介し解説.巻末には薬剤一覧も収載.最新の呼吸器診療を網羅した一冊.
巻頭トピックス
1 超硫黄分子による呼吸器疾患制御と呼気オミックス
2 新しい成人肺炎診療ガイドラインと今後の治療動向
3 喘息治療のゴールとしての「寛解」とは
4 COPD(慢性閉塞性肺疾患)と身体活動性
5 アレルギー疾患の分子標的治療
6 呼吸器疾患における単球・マクロファージの最新の話題
7 肺癌薬物療法のコンパニオン診断―問題点と今後の方向性
8 免疫チェックポイント阻害薬併用療法をめぐる話題
9 高齢者の肺癌薬物療法―最近の展開
10早期肺癌の手術術式
11線毛機能不全症候群(PCD)の診断と治療の新展開
12特発性樹枝状肺骨化症の臨床
I 主な呼吸器用薬剤の作用機序と適応
1 咳嗽治療薬
2 喀痰調整薬(去痰薬)
3 気管支拡張薬
4 抗アレルギー薬
5 抗炎症・免疫抑制薬(マクロライドを含む)
6 副腎皮質ステロイド薬
7 抗癌薬
8 抗菌薬
II 呼吸器疾患の治療手技
1 気管挿管/気管切開
2 酸素吸入の流量決定と投与方法
3 侵襲的人工呼吸の適応とウィーニング
4 NPPV(非侵襲的陽圧換気)の急性呼吸不全における適応と実際
5 胸腔穿刺法と胸腔チューブの挿入法3
6 心膜腔穿刺法と開窓術
7 中枢気道狭窄治療―内腔拡張術とステント留置
8 在宅酸素療法の適応と導入
9 呼吸理学療法
10 運動療法の実際
11 在宅人工呼吸療法の適応と現況
12 肺移植の現状
III 呼吸器系の救急治療
1 慢性呼吸不全の急性増悪
2 喘息増悪
3 喀 血
4 気 胸
5 胸水貯留
6 気道異物(成人)
7 化学物質の吸入
8 気道熱傷
9 溺 水
IV 呼吸不全と呼吸調節障害
1 急性呼吸不全とARDS(急性呼吸促迫症候群)
2 慢性呼吸不全
近年,呼吸器領域の診断,治療は,進歩が目覚ましく,本書「呼吸器疾患最新の治療」は,かつては3年ごとでしたが,「2019-2020年版」より2年ごとに発刊されております.感染症,アレルギー性疾患,肉芽腫性疾患,びまん性肺疾患,腫瘍,希少疾患と幅広い疾患が含まれる呼吸器疾患の最新情報を網羅する本書の重要性は高まっていると考えます.今回も,各領域の多くのエキスパートの先生方に執筆をお願いいたしました.
本書の特徴である巻頭トピックスでは,基礎研究の最新情報として「超硫黄分子による呼吸器疾患制御と呼気オミックス」「呼吸器疾患における単球・マクロファージの最新の話題」を,閉塞性疾患の臨床的話題として「喘息治療のゴールとしての「寛解」とは」「COPD(慢性閉塞性肺疾患)と身体活動性」,拘束性疾患の臨床的話題として新たな指定難病に関連して「線毛機能不全症候群(PCD)の診断と治療の新展開」と,ほかのテキストにはまだ記載がないであろう「特発性樹枝状肺骨化症の臨床」を取り上げました.そのほか,診断・治療に関するテーマでは,新しい成人肺炎診療ガイドライン,アレルギー疾患の分子標的治療,肺癌薬物療法のコンパニオン診断,免疫チェックポイント阻害薬併用療法,高齢者の肺癌薬物療法,早期肺癌の手術術式など,最近,臨床上大きな変化のあったテーマを取り上げて,大変魅力的な内容になっていると考えます.
総論的内容として,「T章主な呼吸器用薬剤の作用機序と適応」,「U章呼吸器疾患の治療手技」は,呼吸器科医として必要な薬剤,治療手技などについて解説いただきました.「V章呼吸器系の救急治療」は,呼吸器内科のみならず,呼吸器外科や救急集中治療の医師とも連携協力が必須の領域です.「W章呼吸不全と呼吸調節障害」では,新たに刊行されたARDS診療ガイドラインを踏まえた急性呼吸不全とARDSの解説や,慢性呼吸不全や睡眠時無呼吸症候群における最近の話題,在宅high flow nasal cannula(HFNC)療法などの最新の話題が含まれています.
各論では,各種呼吸器感染症,閉塞性肺疾患,気道系疾患,間質性肺疾患,免疫・アレルギー性疾患,医原性肺疾患,肺循環障害,腫瘍性疾患,先天性異常・形成不全など,わが国屈指のエキスパートに最新の状況を踏まえて執筆いただきました.そのほか,「Ⅺ章全身性疾患による肺病変」では,腎不全や透析,膠原病,HIV感染症,白血病や悪性リンパ腫などの血液疾患といった全身性疾患による肺病変について,「]W章呼吸器疾患の患者指導」では,妊娠時の薬剤の取り扱いや,慢性呼吸不全の生活指導と訪問看護,栄養指導,誤嚥性肺炎の防止,肺癌患者の外来管理,禁煙指導などの患者指導について詳細に解説していただき,お役立ていただける内容になったと思います.
本書は,基本的に,毎回執筆者の先生方に交代いただき,新鮮な視点から執筆いただく編集方針で作成されています.執筆者の先生方には,非常に多くのお時間をかけていただき,ご尽力を賜りましたことに感謝申し上げます.本書が,診療の現場で,呼吸器疾患の診断・治療のバイブルとして活用いただける一冊になることを願います.
2025年1月
弦間昭彦
西岡安彦
矢寺和博
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