骨転移診療プラクティス&ケースファイル
実践知とケースで臨床力をアップしよう!

編集 | : 柴田浩行/河野博隆/木辰哉 |
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ISBN | : 978-4-524-21089-3 |
発行年月 | : 2025年3月 |
判型 | : B5判 |
ページ数 | : 208 |
在庫
定価5,280円(本体4,800円 + 税)
- 商品説明
- 主要目次
- 序文

『骨転移診療ガイドライン(改訂第2版)』の内容に基づきながら具体的な診療の手順や対応・コツをまとめた,臨床現場で真に役立つ実践書.骨転移の診断から治療薬の使い方,合併症マネジメント,整形外科的介入,放射線治療,リハビリテーション,緩和ケアについて,Scene別/ビジュアルガイド/ケースファイルの3章立てで解説.診療科や職種を超えたプラクティスを伝え,骨転移診療の質の底上げを実現する一冊.
Chapter1 骨転移診療のScene別プラクティス
【スクリーニング・検査―まずどうするか】
Scene01 骨転移を見つけるには?
Scene02 骨転移が見つかったらどうする?
Scene03 骨転移に病理検査を行うのはどんな場合?
【こんなときどう対応するか】
Scene04 背部・腰部の痛みが強い
Scene05 神経麻痺がある
Scene06 骨折している
Scene07 脊髄を圧迫している(エマージェンシー)
【骨転移キャンサーボード】
Scene08 骨転移キャンサーボードを開催する(がんセンターや大学病院ではない場合)
【装具・リハビリテーション】
Scene09 どのようなリハビリテーションを行うか?
Scene10 発症直後の安静度はどうする??装具は使用する?
【整形外科での対応】
Scene11 整形外科に相談する@―スコアリングシステム
Scene12 整形外科に相談するA―鑑別と治療に関する相談
Scene13 整形外科に相談するB―周術期マネジメント
Scene14 脊椎転移への手術はどう行われるか?
Scene15 長管骨への手術はどう行われるか?
Scene16 骨盤骨への手術はどう行われるか?
Scene17 術後のリハビリテーションはどう行われるか?
【放射線治療科での対応】
Scene18 放射線治療科に相談する
Scene19 痛みの再発に追加照射を検討する
Scene20 追加照射が困難な有痛性骨転移への対応
【薬物療法・緩和ケア】
Scene21 鎮痛薬,鎮痛補助薬の使い方
Scene22 骨修飾薬(BMA)を使う際の注意点は?
Scene23 骨修飾薬(BMA)を使う際の歯科受診について
Scene24 顎骨壊死が起きたら?
Scene25 肺がんの骨転移の薬物療法は?
Scene26 乳がんの骨転移の薬物療法は?
Scene27 前立腺がんの骨転移の薬物療法は?
Scene28 多発性骨髄腫の薬物療法は?
Scene29 骨髄がん症やDICが起きたら?
【治療後のモニタリング】
Scene30 骨転移の治療効果のモニタリングはどう行うか?
Chapter2 検査・手技・処方のビジュアルガイド
#01 症状・出現時期
#02 画像検査
#03 外科的手技(椎体)@―スコアリングシステム
#04 外科的手技(椎体)A―脊椎後方除圧術
#05 外科的手技(椎体)B―脊椎後方固定術
#06 外科的手技(椎体)C―経皮的椎体形成術
#07 外科的手技(椎体)D―腫瘍脊椎骨全摘術
#08 外科的手技(長管骨)@―スコアリングシステム
#09 外科的手技(長管骨)A―髄内釘固定術
#10 外科的手技(長管骨)B―プレート固定術
#11 外科的手技(長管骨)C―プロステーシス
#12 インターベンショナル・ラジオロジー(IVR)@―血管塞栓術
#13 インターベンショナル・ラジオロジー(IVR)A―RFA,クライオ
#14 放射線治療
#15 装具
#16 痛みの種類
#17 骨修飾薬(BMA)の処方集
#18 鎮痛薬の処方集
#19 鎮痛補助薬の処方集
Chapter3 骨転移診療ケースファイル
【画像診断(鑑別診断)】
Case01 脊椎転移症例の画像的特徴―とくにMRIについて
Case02 骨転移による病的骨折を疑われた食思不振症によるgelatinousbonemarrow
Case03 脆弱性骨折によるpubicosteolysis
Case04 掌蹠膿疱症性脊椎炎/SAPHO症候群
【病理診断】
Case05 病理診断により治療方針が決定され,治療が奏効した例
【骨転移ではなかった誤診例】
Case06 乳がん脊椎転移―放射線照射後の脆弱性椎体骨折に注意!
Case07 乳がん患者の腰部脊柱管狭窄症―骨転移と変性疾患の鑑別
【骨転移キャンサーボード】
Case08 骨転移キャンサーボードの立ち上げ・運営
Case09 骨転移キャンサーボードによる診断の変更―画像診断とその解釈
Case10 腎がんの両大腿骨転移でも自宅に帰れた例
【装具・リハビリテーション】
Case11 腎細胞がん距骨転移―PTB装具が有効
Case12 前立腺がんの多発骨転移―運動器管理でここまで動き続けられます
Case13 骨髄腫の多発椎体骨折―全介助からADL自立に至るまで
Case14 がん治療よりも海外美術館での個展開催を優先した例
Case15 乳がん胸椎転移―リフター導入で在宅移行へ
【整形外科での手術】
Case16 腎細胞がん骨転移に対する長期間の局所制御にTESを選択
Case17 高齢者の上肢は移動器官
Case18 固定力を上げたいときのセメント充填
Case19 外科的複合術―徹底そう爬+セメント充填+髄内釘
Case20 乳がん複合的治療戦略―多発骨転移にどこまで介入するか?
Case21 腎細胞がん骨転移に人工骨頭置換術を行うのはどんなとき?
Case22 骨幹部病変の対する人工骨幹
Case23 骨盤荷重部に対する人工関節全置換術
Case24 大腿骨近位部置換術の際に凝固系枯渇のため大量出血
Case25 乳がん治療から10年経過後の骨転移再発に対する人工股関節全置換
Case26 患肢温存を希望する患者への自家骨移植
Case27 骨梁間型骨転移では骨髄がん症に注意が必要―手術の判断は慎重に
Case28 乳がん脊椎転移不全脊髄損傷→術後3日目に肺塞栓症
Case29 QODを感じた病的骨折―どこで,どのように人生を終えるか
【放射線治療】
Case30 体動時痛や神経障害性疼痛は放射線治療の得意分野
Case31 脊髄圧迫に対する放射線治療
【インターベンショナル・ラジオロジー(IVR)】
Case32 第12胸椎転移による動作時痛に対する動脈塞栓術
Case33 多発腰椎転移の疼痛に対する動脈塞栓術
Case34 放射線照射歴のある部位の骨転移に対するRFA
【緩和ケア】
Case35 骨転移痛に対するオピオイド治療―安静時痛と体動時痛を区別する
Case36 脊椎転移による神経障害性疼痛に対する鎮痛補助薬またはメサドンによる治療
Case37 脊椎転移における安静度―予後予測と骨転移以外の症状を検討して
【骨修飾薬(BMA)の使用】
Case38 骨修飾薬(BMA)の有害事象対策と薬剤選択
Case39 デノスマブ単独でも抗腫瘍効果がある
Case40 顎骨壊死(ONJ)の2例
【肺がん骨転移の薬物療法】
Case41 多発骨転移を認めた肺がん
Case42 肺がん大腿骨転移―分子標的薬の驚異的な奏効
【乳がん骨転移の薬物療法】
Case43 骨転移診断後も経過が長い乳がん―BMAはいつからいつまで投与すべきか
Case44 乳がん骨転移―薬物療法の効果が期待できる
【前立腺がん骨転移の薬物療法】
Case45 新規ホルモン療法,Ra-223,化学療法
Case46 前立腺がん頚椎転移―さまざまな保存的治療で軽快
【多発性骨髄腫の薬物療法】
Case47 多発性骨髄腫に対する集学的治療
Case48 骨髄腫臼蓋病変でも薬物療法で歩行可能に
【骨髄がん症】
Case49 骨髄がん症を呈する多発骨転移
はじめに
本書は,骨転移診療にまだ慣れていない若手医師,看護師,そして自分の病態や治療法を知りたい患者さんが手にとって見る本です.
骨転移は,進行したがん患者さんに潜在的に存在するものを含めると,医療者であれば誰もが遭遇する可能性のある病態です.そんな患者さんを受けもつ若手医師や看護師は,いったい何をどうすればよいのか,誰に相談すればよいのか,途方に暮れることもあるでしょう.
一方で,骨転移診療は日々進歩しています.標準的な診療を行うことで,あなたの患者さんにたくさんの笑顔が戻ってくると思います.骨転移の治療を難しいと思われている方でも,本書が指導医として丁寧に指導してくれます.
本書の執筆は『骨転移診療ガイドライン 改訂第2版』(日本臨床腫瘍学会編集,南江堂,2022年刊)の作成に携わったエキスパートの多くが担当しています.個々の執筆者には,“目の前にいる若手医師や看護師に直接指導をするように記述してください”とお願いしました.ですから,本書はガイドラインとは異なる,診療の現場ですぐに使える「実践書」,「指南書」です.本書とガイドラインを傍に置いて,あなたも骨転移診療のエキスパートを目指しましょう.
2025年2月
編者一同

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