結核診療ガイドライン2024
編集 | : 日本結核・非結核性抗酸菌症学会 |
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ISBN | : 978-4-524-21043-5 |
発行年月 | : 2024年4月 |
判型 | : A4変判 |
ページ数 | : 140 |
在庫
定価3,960円(本体3,600円 + 税)
正誤表
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2024年05月30日
第1刷
- 商品説明
- 主要目次
- 序文
日本結核・非結核性抗酸菌症学会編集による,本邦初のエビデンスに基づく結核診療のガイドライン.総論では結核の診断・結核菌検査・結核患者の管理・治療・潜在性結核感染症について基礎から実践までまとめた.また臨床上問題となる「IGRA検査の解釈」,「薬剤耐性遺伝子検査の適応」,「高齢者結核の治療」,「免疫抑制宿主に対する治療」といった12のCQに推奨を明記し,対応の指針を示している.呼吸器科医、感染症医はもちろん,結核診療に関わる全医療スタッフ,行政担当者必携の一冊.
1.総論
1.結核の診断
2.結核菌検査
3.結核患者の管理
4.結核の治療
5.潜在性結核感染症
2.CQ
CQ 1 免疫低下者および高齢者に対するIGRAの検査を行い,その結果は健常人と同じように解釈できるか
CQ 1-1 HIV患者に対するIGRAの結果は健常人と同じように解釈できるか
CQ 1-2 糖尿病患者(非血液透析)に対するIGRAの検査は健常人と同じように解釈できるか
CQ 1-3 担癌患者に対するIGRAの結果は健常人と同じように解釈できるか
CQ 1-4 高齢者に対するIGRAの検査を行い,その結果解釈は高齢でない健常人と同じように解釈できるか
CQ 2 免疫抑制患者の肺結核症の診断に胸部CTを推奨するか
CQ 3 肺結核の診断に,喀痰核酸増幅法検査を複数回繰り返すことを推奨するか
CQ 4 薬剤耐性遺伝子診断を治療開始時にルーチンに推奨するか
CQ 5 小児に対して,IGRAに基づく結核診断を推奨するか
CQ 6 80歳以上の高齢者に対して,ピラジナミド(PZA)を推奨するか
CQ 7 免疫抑制宿主の,感受性結核標準治療において,3ヵ月延長を推奨するか
CQ 7-1 HIV
CQ 7-2 糖尿病
CQ 7-3 珪肺を含む塵肺症
CQ 7-4 臓器移植後,血液透析,その他(生物学的製剤の使用,悪性腫瘍の合併など)
CQ 8 イソニアジド(INH),リファンピシン(RFP)による薬剤アレルギー発症時の対応として,投与中止し症状改善後に減感作治療を行い,再投与を行うことが妥当であるか
CQ 9 イソニアジド(INH),リファンピシン(RFP)投与中にGrade 3以上の血球減少が起きた場合,投与中止を推奨するか
CQ 10 抗菌薬を投与中の結核患者で肝障害が出現した場合,抗結核薬中止後再開時には,リファンピシン(RFP)とイソニアジド(INH),どちらの薬剤から再開することを推奨するか
CQ 11 肺外結核においては標準治療に対し3ヵ月延長治療を推奨するか
CQ 11-1 腸結核・腹部結核,リンパ節結核
CQ 11-2 結核性脊椎炎
CQ 11-3 結核性髄膜炎
CQ 11-4 それ以外の肺外結核
CQ 12 肺外結核に対して,抗結核薬にステロイドの併用を推奨するか
CQ 12-1 結核性髄膜炎
CQ 12-2 結核性心膜炎
CQ 12-3 結核性胸膜炎
CQ 12-4 粟粒結核
CQ 12-5 リンパ節結核
CQ 12-6 気管支結核
CQ 12-7 その他の結核性疾患
『結核診療ガイドライン2024』 の発刊にあたってご挨拶申し上げます.
ガイドライン作成作業は,2018年に大阪で開催された日本結核病学会の総会時より始まりました.COVID‑19のパンデミックもあり,6年の歳月を要しましたが,ようやく発刊にいたりました.
このガイドラインは,『Minds診療ガイドライン作成マニュアル』に則り,科学的エビデンスに基づいたものを目指して作業が始まりました.日本結核・非結核性抗酸菌症学会の関連する委員会の長には,統括委員にご就任いただく体制で臨みました.それでもエビデンスが不十分なものもありました.これらは,Future Research Questionとして取り上げました.今後の学会活動を通した研究が行われ,新たなエビデンスが示されることを期待します.
システマティックレビュー担当者を公募したところ,50名を超える方のご参加をいただきました.必ずしも,結核を専門とされている方ばかりではありません.しかし,論文を科学的に吟味することに意欲的な若い世代の医療人でした.是非,これを契機に結核に対する強い関心を寄せていただき,私たちの仲間になっていただけることを期待します.
日本の結核罹患率は低下し,2022年の結核罹患率は10万対8.2となり,結核低まん延国となりました.ここに行きついたのも,先輩方の努力によるものであり,現役世代であるわれわれも同様に努力を重ね,次の世代へ継承する責務があります.『結核診療ガイドライン2024』は十分な成果物になると確信しています.
『結核診療ガイドライン2024』の作成にあたっては,多くの方々の努力の支援によって完成しました.そのすべての方々への感謝の気持ちを述べさせていただきます.
『結核診療ガイドライン2024』が,結核診療に従事する医療人と結核に罹患した患者さんの診療と治療に寄与することを祈念しています.
2024年4月
一般社団法人 日本結核・非結核性抗酸菌症学会 結核診療ガイドライン統括委員長
猪狩英俊