看護学テキストNiCE
病態・治療論[14] 小児疾患改訂第2版
編集 | : 真部淳/松藤凡/小澤美和/小林京子 |
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ISBN | : 978-4-524-21024-4 |
発行年月 | : 2024年11月 |
判型 | : B5判 |
ページ数 | : 444 |
在庫
定価3,520円(本体3,200円 + 税)
- 商品説明
- 主要目次
- 序文
専門基礎分野において疾病の病態・診断・治療を学ぶためのテキストシリーズ(全14冊)の小児疾患編.医師と看護師の共同編集により,看護学生に必要な知識を網羅.さまざまな症状を理解できる,診断の進め方・考え方がわかる,臨床看護に結びつく知識が得られる,の3点を重視して構成している.今改訂では小児への看護を概説する項目や感覚器疾患に関する項目を新設したほか、各種情報を更新した.
目次
第T章 がん看護とは
A.「がん看護」を学ぶとは
B.がん患者が抱える苦痛
C.がんの臨床経過と治療
D.がん看護における看護師の役割
E.科学的根拠に基づくがん看護実践
第U章 がんおよびがん医療の理解
1 がんの疫学とがん対策
A.がんの疫学
B.がん対策
2 がんの病態と集学的治療
A.がんの病態
B.がん予防・がん検診
C.治療の視点からみたがんの経過
D.がんの診断と集学的治療
E.がんゲノム医療
F.がん免疫と免疫療法
G.オンコロジックエマージェンシー
H.サイコオンコロジー
I.がんのリハビリテーション診療
J.補完代替医療
3 がん医療における専門職連携
A.専門職連携とは
B.チーム医療をめぐる社会の動向
C.がん医療におけるチーム医療の必要性
D.がん医療における専門職
E.専門職連携の方法
F.専門職連携における看護師の役割
4 がん医療における倫理
A.がん医療における倫理的課題
B.看護師の役割
第V章 がんになった人とその家族の理解および看護
1 がんの臨床経過におけるがん患者の特徴と援助
A.診断期にあるがん患者の特徴と援助のポイント
B.治療期にあるがん患者の特徴と援助のポイント
C.再発・転移がんの診断・治療期にあるがん患者の特徴と援助のポイント
D.エンド・オブ・ライフ期にあるがん患者の特徴と援助のポイント
2 発達段階におけるがん患者の特徴と援助
A.小児期発症のがん患者の特徴と援助のポイント
B.AYA世代のがん患者の特徴と援助のポイント
C.成人期のがん患者の特徴と援助のポイント
D.老年期のがん患者の特徴と援助のポイント
3 がんサバイバーシップとソーシャルサポート
A.がんサバイバーシップとは
B.がんサバイバーの特徴
C.がんサバイバー・がん患者を支えるソーシャルサポート
4 がん患者の家族の特徴と支援
A.患者と家族を取り巻く課題
B.家族を支えるケア
第W章 がん患者に対する治療
1 手術療法
A.手術療法の目的と種類
B.手術療法の流れ
C.術後合併症予防と対策
D.治療の効果判定と経過観察
E.晩期合併症
F.手術療法後の再発
2 薬物療法
A.薬物療法の目的と種類
B.薬物療法の流れあるいは治療方針の決定
C.治療レジメン
D.副作用(有害反応)の管理・対策
E.治療の効果判定・副作用の評価
F.晩期合併症(晩期障害)
G.薬物療法後の再発
3 放射線療法
A.放射線療法の目的と種類
B.治療方針の決定
C.治療計画
D.放射線療法の実際
E.治療中の有害事象の管理・対策
F.治療の効果判定と経過観察
G.晩期有害事象
H.放射線療法後の再発と再照射
4 造血幹細胞移植
A.造血幹細胞移植の目的と種類
B.造血幹細胞移植の決定
C.造血幹細胞移植前の準備,移植の実際
D.合併症の管理
E.移植後の再発
5 免疫療法
A.免疫療法の種類
B.免疫チェックポイント阻害薬の治療方針の決定
C.治療計画
D.治療の実際
第X章 がん治療を受ける患者の看護
1 手術療法を受ける患者の看護
A.手術療法前(術前期)の援助
B.手術療法後(術後期)の援助
2 がん薬物療法を受ける患者の看護
A.がん薬物療法前の援助
B.がん薬物療法中の援助
C.曝露対策
D.がん薬物療法(終了)後の援助
3 内分泌療法を受ける患者の看護
A.内分泌療法前の援助
B.内分泌療法中の援助
C.内分泌療法後の援助
4 放射線療法を受ける患者の看護
A.放射線療法前の援助―治療計画CT撮影と治療開始に向けた援助
B.放射線療法中の援助
C.放射線療法(終了)後の援助
D.放射線防護対策
5 造血幹細胞移植を受ける患者の看護
A.造血幹細胞移植前の援助―移植に向けての準備
B.造血幹細胞移植中から退院までの援助
C.退院後の外来での長期フォローアップ
6 免疫療法を受ける患者の看護
A.免疫療法前の援助
B.免疫療法中の援助
C.免疫療法後の援助
第Y章 緩和ケア
1 緩和ケアとは
A.緩和ケアの定義
B.専門性からみた緩和ケアの分類
C.緩和ケアを受ける対象の全人的な理解
D.緩和ケアにおけるチームアプローチ
2 症状マネジメントとは
A.症状マネジメントの概念
3 各症状のマネジメント
A.がん疼痛
B.倦怠感
C.悪液質
D.呼吸困難
E.消化器症状@ ―― 悪心・嘔吐
F.消化器症状A ―― 食欲不振
G.消化器症状B ―― 腹水
H.リンパ浮腫
I.末梢神経障害
J.不安・抑うつ(希死念慮)
K.せん妄
第Z章 がん患者の療養の場における看護
1 外来における看護
A.近年のがん患者の療養の特徴
B.外来看護の構造
C.外来看護の役割・機能
D.外来で提供している看護の実際
E.救急外来での看護
2 在宅における看護
A.訪問看護の役割・機能
B.地域包括ケア/地域連携クリティカルパス
C.訪問看護の実際
3 緩和ケア病棟/ホスピス病棟における看護
A.緩和ケア病棟の役割
B.緩和ケア病棟の機能
C.緩和ケアの実際
4 がん患者の療養の場の移行支援
A.がん患者の療養の場の移行とは
B.がん患者の療養の場の移行の特徴
C.がん患者の療養の場の移行支援の実際
5 災害時のがん患者への看護
A.災害時におけるがん患者の療養上の問題
B.災害時のがん患者への看護の実際
第[章 事例で考えるがん看護
1 小児がん患者への看護―急性白血病の女性
A.病態・診断・治療
B.診断時の看護
C.初回治療開始後の看護
D.新たな治療の選択が必要になった時の看護
E.長期フォローアップの時期の看護
2 AYA世代(若年成人)のがん患者への看護―精巣がんの男性
A.病態・診断・治療
B.医師による診断,治療方針説明後の面談時の看護
C.高位精巣摘除術後の化学療法オリエンテーション時の看護
3 成人(壮年前期)のがん患者への看護―乳がんの女性
A.病態・診断・治療
B.診断時の看護
C.初期治療選択時の看護
D.化学療法時の看護
E.周手術期の看護
F.放射線療法時の看護
4 成人(壮年後期)のがん患者への看護―肺がんの男性
A.病態・診断・治療
B.1次治療終了後,腫瘍の増大時の看護
C.2次治療の中止,および緩和ケアを中心とした治療への移行を意思決定する時の看護
D.療養の場を意思決定する時の看護
5 高齢のがん患者への看護―大腸がんの男性
A.病態・診断・治療
B.入院時の看護
C.術後早期の看護
D.在宅療養に向けたセルフケア確立時の看護
はじめに
がん医療のめざましい発展に伴ってがん患者や家族のニーズが多様化・複雑化する中で,看護基礎教育において体系的に「がん看護」を学習することが求められています.『看護学テキストNiCE がん看護―様々な発達段階・治療経過にあるがん患者を支える―』の初版は,このような背景のもと,「病気に対する看護」や「治療別の看護」の枠にとどまら
ず,患者の発達段階や臨床経過,実践の場に即したがん看護を学ぶことができる看護学テキストとして2021 年に刊行されました.本書は,学生の皆様が,患者の発達段階や臨床経過,受ける治療,療養の場の違いなどにより,がん患者や家族が体験する苦痛や困難が異なることを理解し,がんに関する専門知識や技術をもとに,包括的な視点で「根拠に基づいたがん看護実践」の道筋を学べるように努めて参りました.
初版の刊行後もがん治療は日進月歩の勢いで進展しています.そして,2020 年に感染が拡大した新型コロナウイルス感染症や,地震,台風,豪雨などの自然災害は,がん患者の治療や療養生活,死の迎え方に大きな影響をもたらし,有事への備えが課題となってきました.また,2023 年3 月には第4 期がん対策推進基本計画が閣議決定され,「誰一人取り残さないがん対策を推進し,全ての国民とがんの克服を目指す」という目標に向かって新たな計画への取り組みが始まりました.さらに,この計画を推進するための必要事項の1 つとして,感染症発生・蔓延時や災害時を見据えた対策が入っています.このように,がん患者や家族が安全な環境で安心して,病棟や外来でがん治療を受けながら療養生活を送る,また平穏な死を迎えられるように,平常時の看護のみならず緊急時や災害時の看護の充実も重要となっています.
そこで,今回の改訂では,最新のがん統計やがん対策,各種診療ガイドラインの内容を反映したうえで,症状マネジメントでは抗がん薬治療を受ける患者にとって苦痛の上位にあげられている「末梢神経障害」の項目を新設しました.また,昨今ではオンコロジックエマージェンシーを発症したがん患者の外来受診も多く,救急処置を要するがん患者への
対応として「救急外来での看護」の項目,自然災害や感染症を踏まえた「災害時のがん患者への看護」の項目を新設し,わかりやすく丁寧な解説を加えました.
今後ますます発展するがん医療の現場で学習する看護学生の皆様にとって,本書ががん患者や家族の理解に役立ち,がん看護実践の拠り所となることを願っております.そして,本書を授業などで活用される教員や学生の皆様から,忌憚のないご意見をお寄せいただき,より充実したテキストへと進化し続けていけるよう努める所存です.
最後に,本書の刊行にあたり,快くご執筆くださいました多くの先生方に心より感謝いたします.また,企画から刊行までご支援いただきました南江堂の皆様にお礼申し上げます.
2024年11月
鈴木 久美
林 直子
佐藤まゆみ