教科書

看護学テキストNiCE

病態・治療論[14] 小児疾患改訂第2版

編集 : 真部淳/松藤凡/小澤美和/小林京子
ISBN : 978-4-524-21024-4
発行年月 : 2024年11月
判型 : B5判
ページ数 : 444

在庫あり

定価3,520円(本体3,200円 + 税)

  • 新刊

  • 商品説明
  • 主要目次
  • 序文

専門基礎分野において疾病の病態・診断・治療を学ぶためのテキストシリーズ(全14冊)の小児疾患編.医師と看護師の共同編集により,看護学生に必要な知識を網羅.さまざまな症状を理解できる,診断の進め方・考え方がわかる,臨床看護に結びつく知識が得られる,の3点を重視して構成している.今改訂では小児への看護を概説する項目や感覚器疾患に関する項目を新設したほか、各種情報を更新した.

目次
序章 なぜ小児疾患について学ぶのか
  @医師の立場から
  A看護師の立場から

第T章 小児の発達と障害
 1 精神の発達と障害
  @胎生期の精神発達と障害
   A.母親の生活習慣
   B.心理状態
   ■コラム ありのままを受容することが,育児のはじまり
  A乳児期の精神発達と障害
   A.養育者との二者関係
   B.愛着(アタッチメント)行動
   C.分離不安
   ■コラム 赤ちゃん返り
   D.乳児期に二者関係性が獲得できない際の障害
  B幼児期の精神発達と障害
   A.自立と自律性の獲得
   B.言語能力の発達と障害
   C.想像力と遊び
   ■コラム 幼児期の情報は量より質が大切
  C学童期の精神発達と障害
   A.学童期の発達課題
   B.学童期の社会生活
   C.学童期の精神発達に関する障害
  D青年期の精神発達と障害
   A.青年期の発達課題
   B.アイデンティティの確立
   C.青年期の精神発達に関する障害
  Eメンタルヘルス
 2 神経の発達と障害
  @運動神経
   A.運動発達の月齢ごとの評価の目安
   ■コラム いざり這い
   ■コラム 発達性協調運動症(DCD)
   B.原始反射
  A感覚神経
   A.聴覚の発達
   B.視覚の発達
   C.触覚の発達
 3 免疫の発達と障害
  @自然免疫と獲得免疫
   A.自然免疫系
   B.獲得免疫系
  A免疫系の発達
  B免疫系の疾患
 4 内分泌・成長の発達と障害
  @内分泌と成長
   A.胎児期から生後3歳まで
   B.生後3歳から思春期開始まで
   C.思春期開始以降
  A内分泌の作用と障害
   A.成長ホルモン(GH)
   B.甲状腺ホルモン
   C.副腎皮質ホルモン
   D.性ホルモン
   E.インスリンとその他糖代謝に関与するホルモン
 5 呼吸・循環の発達と障害
  @呼吸の発達と障害
   A.呼吸器系の解剖学的・生理学的特徴
   B.呼吸器系の発達と障害
   ■臨床で役立つ知識 周期性呼吸と無呼吸発作の違い
   ■コラム 小児喘息患者はCOPDになりやすい!?
   ■もう少しくわしく 胸郭コンプライアンスとは?
  A循環の発達と障害
   A.循環器系の解剖学的・生理学的特徴
   B.循環器系の発達と障害
 6 消化器の発達と障害
  @消化器の正常解剖を把握する
   A.食道
   B.横隔膜
   C.胃
   D.十二指腸
   E.小腸
   F.大腸
   ■臨床で役立つ知識 腹痛を訴えていた児がぐったりして動かなくなった
   ■コラム 排便の仕組みを考えたことはあるだろうか?
   G.肝臓
   H.膵臓
   I.脾臓
  A食物の摂取・吸収についての理解を深める
   A.摂取・吸収の過程と発達
   ■コラム 覚えておきたい離乳食開始の基本ポイント
   B.糖の吸収
   ■臨床で役立つ知識 ミルクにNaCl(塩化ナトリウム)を添加することがある
   C.タンパク質の吸収
   D.脂肪の吸収
  B消化器の発生過程から小児消化器疾患をおさえる
   A.食道の発生
   B.胃の発生
   C.十二指腸の発生
   D.小腸・大腸の発生
   E.肝臓・胆道の発生
   F.膵臓の発生
 7 腎・泌尿器の発達と障害
  @腎・泌尿器の解剖・生理
   A.腎・泌尿器の解剖・生理
   B.尿管・膀胱・尿道の解剖・生理
  A腎・泌尿器の発生・発達
   A.腎・尿路の発生
   B.腎機能の発達
   C.排尿機能の発達
 8 健診・予防接種
  @健診
   A.乳幼児健診
   B.いつ健診を行うか
   C.どこで健診を行うか
   D.健診のポイント
   ■臨床で役立つ知識 修正月齢とは
  A予防接種
   A.生ワクチンと不活化ワクチン
   B.接種間隔
   C.接種方法
   D.ワクチンの副反応
   ■臨床で役立つ知識 コッホ(Koch)現象
   E.アレルギーをもつ子どもへのワクチン接種
   F.定期接種と任意接種
   G.予防接種の種類とスケジュール
   H.予防接種に関する日本と諸外国との違い
   I.ワクチンで予防できる病気の考え方
   ■コラム ワクチン接種で自閉症の発症率が高まる?

第U章 小児疾患の診断・治療
 1 小児の外来診療におけるトリアージ・診断
  @トリアージ
   ■コラム 感染症トリアージ
   A.からだの変化の捉え方(第一印象)
   B.バイタルサインと初期評価
  Aトリアージ後の外来診療の実際
   A.身体測定
   B.問診
   C.診察
  B診断
 2 小児の診察技術
  @実際の診察のポイント
   A.診察前の準備
   B.離れたところからの観察・触らない診察
   C.泣かせない努力
   D.診察の順序は「嫌なこと,痛いことは後回しに」
   E.泣いたり,暴れたりしたとき
   F.診察は繰り返し行う
   G.子どもの「できた」を大切にする
   H.手の清潔
   I.その他注意点
  A子どもの診察の特徴
   A.年齢により発達や認知レベルが異なる
   B.各時期の特徴と診察のポイント
   C.children with special health care needs
  Bフィジカルアセスメント
   A.バイタルサイン
   B.身体計測
 3 小児の検査
  @説明と同意
  A検査の実際
   A.採血・末梢静脈路確保
   B.病原体迅速検査
   C.採尿
   D.髄液検査(腰椎穿刺)
   E.画像検査
  B鎮静
   A.検査適応と鎮静リスクの説明と同意
   B.患者の評価
   C.緊急時のためのバックアップ体制
   D.鎮静薬の選択
   E.鎮静前の経口摂取の制限
   F.検査直前〜検査中の監視
   G.検査終了以降の監視
 4 小児の薬物療法
  @小児の薬用量
  A薬剤の剤形
   A.注射薬
   B.経口薬
   C.坐剤,注腸剤(直腸投与)
   D.軟膏,クリーム,ローション,貼付剤(経皮的投与)
  B有害事象の見方
   A.小児への投与禁忌や投与注意の薬剤
   B.食物アレルギーと薬剤
   C.副作用
  Cステロイド薬の使用方法・注意点
   A.ステロイド薬の作用
   B.ステロイド薬を使用する小児の疾患
   C.薬剤の種類,力価
   D.副作用,使用上の注意点
 5 小児の手術
  @小児の手術の特徴
   A.小児期にだけみられる疾患がある
   B.年齢により手術の対象となる疾患の頻度が異なる
   C.開腹・開胸の方法が成人と異なる
   D.手術方法が成人と同じとは限らない
  A小児外科疾患の周術期管理の特徴
   A.呼吸管理
   B.循環・体液管理
   C.感染管理
   D.栄養管理
 6 小児の麻酔
  @不安への対応
  A絶飲食
  B呼吸管理の重要性
   ■もう少しくわしく 上気道感染症と麻酔
   ■もう少しくわしく 小児の困難気道と気管確保
  C循環管理
  D吸入麻酔
  E全静脈麻酔(TIVA)
   ■コラム プロポフォール注入症候群(PRIS)
  F術後鎮痛
  G麻酔薬の神経毒性
  H麻酔科領域の専門看護職
 7 小児の集中治療
  @NICU
   A.NICUの概要
   B.NICUで治療を受ける小児の特徴
   C.NICUの治療・管理などの特徴
  APICU
   A.PICUの概要
   B.PICUで治療を受ける小児の特徴
   C.PICUの治療・管理などの特徴
 8 診療を受ける小児への看護
  @小児疾患への看護とは
   A.基本となる考え方
   B.子どもへの説明
   C.家族への支援
   ■コラム 子どもの療養を支える専門職
   ■コラム 小児看護専門看護師
  A外来受診する子どもへの看護
   A.看護師が行うトリアージ
   B.子どもに多い急性症状への看護
   ■コラム 小児プライマリケア認定看護師
  B検査・処置時の看護
   A.検査・処置時の苦痛緩和の意義
   B.苦痛緩和のための多側面からのアプローチ
   C.多職種チームアプローチ
  C入院・長期療養を要する小児への看護
   A.入院する小児への看護
   B.長期療養を要する小児への看護
   ■コラム 新生児集中ケア認定看護師

第V章 小児疾患 各論
 1 染色体異常による疾患
  @先天異常
  A染色体異常
   ■もう少しくわしく 染色体の構造と種類
  B代表的な染色体異常
   3-1 ダウン(Down)症候群
   3-2 18トリソミー
   ■コラム 重篤な疾患をもつ子どもへの医療
   3-3 ターナー(Turner)症候群
   3-4 クラインフェルター(Klinefelter)症候群
  C遺伝カウンセリング
 2 新生児の疾患
  @新生児仮死
  A呼吸器疾患
   2-1 呼吸窮迫症候群(RDS)
   2-2 新生児一過性多呼吸(TTN)
   2-3 胎便吸引症候群(MAS)
   2-4 慢性肺疾患(CLD)
   2-5 新生児無呼吸発作
   2-6 新生児遷延性肺高血圧症(PPHN)
  B中枢神経疾患
   3-1 頭蓋内出血
   3-2 脳室周囲白質軟化症(PVL)
   3-3 軟部組織の損傷
  C消化器疾患
   4-1 壊死性腸炎(NEC)
  D感染症
   5-1 新生児敗血症
   5-2 TORCH(トーチ)症候群
   5-3 新生児TSS様発疹症(NTED)
  E代謝疾患
   6-1 新生児黄疸
   6-2 新生児低血糖症
 3 代謝性疾患
  先天代謝異常症 
  @先天代謝異常症総論
  Aアミノ酸代謝異常症
   2-1 フェニルケトン尿症
   ■コラム 新生児マススクリーニング
   2-2 メープルシロップ尿症
  B有機酸代謝異常症
   3-1 メチルマロン酸血症
  C脂肪酸代謝異常症
   4-1 中鎖アシルCoA脱水素酵素欠損症(MCAD欠損症)
   4-2 カルニチンパルミトイルトランスフェラーゼU(CPT2)欠損症
  D糖質代謝異常症
   5-1 糖原病1型
  Eライソゾーム病
   6-1 ゴーシェ(Gaucher)病
   6-2 ムコ多糖症
  Fペルオキシソーム病
   7-1 副腎白質ジストロフィー
  Gミトコンドリア病
   8-1 ミトコンドリアDNA枯渇症候群
  H金属代謝異常症
   9-1 ウイルソン(Wilson)病
   9-2 メンケス(Menkes)病
  後天的な代謝性疾患 
  I低血糖症
  Jアセトン血性嘔吐症,ケトン血性低血糖症
 4 内分泌疾患
  @成長ホルモン分泌不全性低身長症
   ■臨床で役立つ知識 成長曲線first!
   ■コラム 身長にとって重要な乳児期の栄養
  A尿崩症
  B甲状腺機能低下症
  C甲状腺機能亢進症
  D副甲状腺機能低下症
  E偽性副甲状腺機能低下症(PHP)
  F副甲状腺機能亢進症
  G副腎機能低下症
   ■臨床で役立つ知識 意外と多いビタミンD欠乏
  H副腎機能亢進症
  I糖尿病
  J思春期早発症
  K思春期遅発症
  L性分化疾患(DSD)
 5 脳神経疾患
  @熱性けいれん
  Aてんかん
   ■コラム 憤怒けいれん(泣き入りひきつけ)
   ■コラム けいれん発作と混同されやすい疾患
   ■コラム 代表的なてんかん性脳症
  B脳性麻痺
   ■もう少しくわしく 重症心身障害児とは
  C髄膜炎
   ■コラム 医療的ケア児
  D急性脳症・急性脳炎
   ■コラム 単純ヘルペス脳炎
   ■もう少しくわしく けいれん重積型(二相性)急性脳症
  E小児期水頭症
  Fもやもや病
 6 運動器疾患
  @筋ジストロフィー
  A重症筋無力症
  B発育性股関節形成不全(先天性股関節脱臼)
  C小児の骨折
 7 精神・心理・社会的問題
  @虐待
  A神経発達症
   2-1 自閉スペクトラム症(ASD)
   ■コラム 自閉スペクトラム症の子どもの心の理論:サリーとアン
   ■もう少しくわしく 自閉スペクトラム症? 広汎性発達障害? アスペルガー?
   2-2 注意欠如多動症(ADHD)
   2-3 限局性学習症(LD)
  B摂食障害
   3-1 神経性やせ症(拒食症)
   ■コラム 逆転移
   3-2 神経性過食症(過食症)
  C不登校
  D自殺
 8 アレルギー
  @気管支喘息
  A食物アレルギー
 9 免疫疾患
  @全身性エリテマトーデス(SLE)
  A若年性特発性関節炎(JIA)
  B免疫不全
  C自己炎症性疾患
   ■コラム AAアミロイドーシスとは
 10 感染症
  @ウイルス感染症
   1-1 麻疹(はしか)
   1-2 風疹
   ■コラム 先天性風疹症候群(congenital rubella syndrome:CRS)
   1-3 流行性耳下腺炎
   1-4 突発性発疹
   1-5 伝染性紅斑
   1-6 水痘(みずぼうそう),帯状疱疹
   1-7 単純ヘルペスウイルス感染症
   1-8 伝染性単核症
   1-9 エンテロウイルス感染症(手足口病,ヘルパンギーナ)
   1-10 アデノウイルス感染症(咽頭結膜熱)
   1-11 ウイルス性肝炎
   1-12 ウイルス性胃腸炎
   1-13 RSウイルス感染症
   1-14 インフルエンザ
   1-15 新型コロナウイルス感染症
  A細菌感染症
   2-1 百日咳
   2-2 破傷風
   2-3 溶連菌感染症
   2-4 結核
  B寄生虫感染症
   3-1 蟯虫症
   3-2 回虫症
   3-3 イヌ回虫,ネコ回虫
   3-4 トキソプラズマ症
 11 呼吸器疾患
  @急性上気道炎
  A急性咽頭・扁桃炎
  B先天性喘鳴
  Cクループ症候群
  D急性気管支炎
  E急性細気管支炎(RSウイルス感染症を含む)
  F急性肺炎
  G気胸
 12 循環器疾患
  @先天性心疾患
   1-1 心室中隔欠損(症)(VSD)
   1-2 心房中隔欠損(症)(ASD)
   1-3 動脈管開存(症)(PDA)
   1-4 肺動脈狭窄(症)(PS)
   1-5 大動脈縮窄(症)(CoA)
   1-6 ファロー(Fallot)四徴(症)(TOF)
   ■コラム 家庭での無酸素発作への対応指導
   1-7 三尖弁閉鎖(症)(TA)
   1-8 総動脈幹遺残(症)(TAC)
   1-9 完全大血管転位(症)(TGA)
   1-10 総肺静脈還流異常(症)(TAPVR)
   1-11 エプスタイン(Ebstein)奇形
  A後天性心疾患
   2-1 感染性心内膜炎(IE)
   2-2 心筋炎
   ■コラム 心筋炎は疑うことが重要
  Bそのほかの循環器疾患
   3-1 川崎病(KD)
   3-2 不整脈
   3-3 起立性調節障害(OD)
 13 腎・泌尿器疾患
  @急性糸球体腎炎(AGN)
  A慢性糸球体腎炎(CGN)
   2-1 IgA腎症
   2-2 紫斑病性腎炎
  Bネフローゼ症候群
  C水腎症
  D先天性腎尿路異常(CAKUT)
  E慢性腎臓病(CKD)
  F尿路感染症(UTI)
  G尿道下裂
  H停留精巣
  I溶血性尿毒症症候群
 14 消化器疾患
  @口腔疾患
   1-1 口唇口蓋裂
  A腹膜・腹壁疾患
   2-1 臍帯ヘルニア
   ■コラム もう1つの先天性腹壁異常の代表疾患
   ■臨床で役立つ知識 名前は似て非なる病気,臍ヘルニア
   2-2 外鼠径ヘルニア
   ■臨床で役立つ知識 ヘルニア嵌頓
  B横隔膜疾患
   3-1 先天性横隔膜ヘルニア
  C消化管感染症
   4-1 感染性胃腸炎
  D上部消化管疾患
   5-1 先天性食道閉鎖(症)
   ■もう少しくわしく VACTERL連合
   5-2 先天性食道狭窄(症)
   5-3 胃食道逆流症(GERD)
   ■臨床で役立つ知識 ★溢乳
   5-4 肥厚性幽門狭窄(症)
   5-5 胃軸捻転
   5-6 先天性十二指腸閉鎖(症)・狭窄(症)
   ■臨床で役立つ知識 胆汁性嘔吐をみたらドキッとする感覚が重要!
   5-7 小腸閉鎖(症)・狭窄(症)
  E下部消化器疾患
   6-1 便秘
   ■臨床で役立つ知識 直腸指診,肛門鏡検査の際のポイント
   6-2 炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎,クローン病)
   6-3 メッケル(Meckel)憩室
   6-4 腸回転異常症
   ■もう少しくわしく 短腸症候群
   6-5 ヒルシュスプルング(Hirschsprung)病
   ■コラム 直腸肛門反射
   ■コラム 腸閉塞とイレウス
   6-6 鎖肛
   6-7 腸重積症
   6-8 虫垂炎
   6-9 肛門周囲膿瘍
  F肝臓・胆道疾患
   7-1 胆道閉鎖(症)
   ■コラム 胆道閉鎖(症)に対する肝移植の現状
   7-2 先天性胆道拡張症
 15 血液疾患
  @鉄欠乏性貧血
   ■コラム 赤ちゃんの貧血は悩ましい
   ■もう少しくわしく 貧血には多様な疾患が隠れている
  A好中球減少症
   ■もう少しくわしく 好中球数が変動する?
  B特発性血小板減少性紫斑病(ITP)
  C血友病
  DビタミンK欠乏性出血症
  E白血病
   ■もう少しくわしく 白血病細胞をゼロにするために
  F悪性リンパ腫
 16 腫瘍疾患
  @小児がん総論
  A神経芽腫
  Bウィルムス(Wilms)腫瘍(腎芽腫)
  C肝芽腫
  D胚細胞腫瘍
  E骨肉腫
  F横紋筋肉腫
  Gユーイング(Ewing)肉腫
  H脈管性腫瘍・脈管奇形
   9-1 脈管性腫瘍
   9-2 脈管奇形
   ■臨床で役立つ知識 乳児血管腫とプロプラノロール
  I脳腫瘍
 17 感覚器疾患
  @皮膚
   1-1 母斑
   1-2 蕁麻疹
   1-3 アトピー性皮膚炎
  A眼
   2-1 斜視
   2-2 先天色覚異常
   2-3 先天性鼻涙管閉塞
  B耳鼻疾患
   3-1 中耳炎
   3-2 難聴
   3-3 扁桃肥大
 18 事故・外傷
  @事故・外傷
   ■コラム 子どもの発達と事故
   ■コラム 電気ケトルによる熱傷の危険性
   ■コラム 事故予防に思うこと

はじめに

 このたび,改訂第2版をお届けすることになりました.おかげさまで,初版は多くの読者に受け入れられ,また,さまざまなご意見をうかがっております.ご承知のように,この5年間の医学の進歩は凄まじく,また医療を取り巻く環境には大きな変化がみられました.

 本改訂にあたり,基本的な編集方針は変わっていませんが,小児の集中治療(PICU,NICU),子ども療養支援士,Child Life pecialist(CLS),小児専門看護師,新生児集中ケア認定看護師などの職種を取り上げ,その意義と具体的なケア内容について詳細に述べました.また新たな項目として自殺,脳腫瘍などを加えるとともに,皮膚科,眼科,耳鼻科,口腔疾患について詳述しました.さらに2020 年の初頭に本邦を襲ったCOVID-19 を取り上げたことは言うまでもありません.なお現在,「奇形」「先天性・後天性」「優性遺伝」「劣性遺伝」などの用語については議論がありますが,今回の改訂では新語の全面的な採用は見送りました.

 時あたかも,2018 年12 月に「成育過程にある者及びその保護者並びに妊産婦に対し必要な成育医療等を切れ目なく提供するための施策の総合的な推進に関する法律」(成育基本法)が公布され,2019 年12 月に施行されました.さらに2022 年6 月に「こども基本法」が成立し,2023 年4 月に施行されました.同じく2023 年4 月1 日に「こども家庭庁」(Children and Family Agency)が発足しました.ここに,これまで縦割りで対応してきた小児についての行政が統一されました.今後,小児を取り巻く制度の改善が期待されます.私たちはこれを好機ととらえ,小児医療の一層の発展に尽くす所存です.

 皆様が本書を手に取られ,小児医療が良い方向に進んでいることを確認していただければ,幸甚に存じます.

2024年11月
真部 淳
松藤 凡
小澤美和
小林京子

9784524210244