基礎から学ぶ健康管理概論改訂第6版

編集 | : 尾島俊之/堤明純 |
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ISBN | : 978-4-524-20737-4 |
発行年月 | : 2025年3月 |
判型 | : B5判 |
ページ数 | : 240 |
定価2,970円(本体2,700円 + 税)
- 商品説明
- 主要目次
- 序文

健康管理に関する基礎知識をやさしくコンパクトにまとめた,栄養系,体育系,その他保健医療福祉分野の専門職を目指す学生向けの教科書.令和4年度管理栄養士国家試験出題基準に準拠.法規,制度,ガイドライン,統計データ等の情報を更新し,「健康日本21(第三次)」「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」「健康づくりのための睡眠ガイド2023」にも対応した最新版.
目 次
社会と健康
A 健康の概念
1 健康の定義
2 健康づくりと健康管理
B 公衆衛生の概念
1 公衆衛生の定義と目的
2 公衆衛生と予防医学:一次・二次・三次予防
3 プライマリヘルスケア
4 ヘルスプロモーション
5 公衆衛生活動の進め方
6 ハイリスクアプローチとポピュレーションアプローチ(予防医学のアプローチ)
C 社会的公正と健康格差の是正
1 社会的公正の概念
2 健康の社会的決定要因,健康格差
D 公衆衛生・予防医学の歴史
1 外国における歴史
2 わが国における歴史
E 環境と健康
1 生態系と人々の生活
2 環境汚染と健康影響
3 環境衛生
F 国際保健
1 地球規模の健康問題
2 国際協力
3 持続可能な開発目標(SDGs)
4 ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)
5 国際機関
練習問題
疫 学
A 定 義
B 疫学指標
1 罹患率
2 有病率
3 死亡率
4 致命率,致死率
5 率の差
6 率の比
7 寄与危険割合
8 その他
C 疫学研究の方法と倫理
1 疫学研究方法の分類
2 倫理的配慮と参加同意取得
D 観察研究
1 記述的研究
2 生態学的研究
3 横断研究
4 症例対照研究
5 コホート研究
6 症例対照研究とコホート研究の比較
E 介入研究
F 誤 差
1 バイアスの種類と内容
2 交絡因子
3 バイアスの除去
G 因果関係の判定とその基準
H スクリーニング
1 定 義
2 方 法
I 根拠(エビデンス)に基づいた医療および保健予防
1 エビデンスの質のレベル
2 エビデンスの活用と診療ガイドライン
練習問題
統計学
A 統計学の基本的事項
1 統計とは
2 母集団と標本
3 統計的手法
B データの種類と分布
1 データの種類
2 分 布
C 記述統計
1 数量データの記述統計
2 質的データの記述統計
3 相 関
4 分割表による集計
D 分析統計
1 検定と推定
2 検定の手順
3 2群間の平均の差の検定(t検定)
4 2群間の割合の差の検定(カイ二乗検定)
5 分割表による関連性の検定
6 母平均の推定
E その他の統計解析方法
1 年齢調整法
練習問題
保健統計
A 保健統計の概要
1 人口静態統計と人口動態統計
B 人口静態統計
1 国勢調査
C 人口の推移
1 総人口
2 人口ピラミッド
3 人口指標
D 世界の人口
E 人口動態統計
1 人口動態統計と各指標の届出制度
2 出 生
3 死 亡
4 年齢調整死亡率
5 死産,周産期死亡,乳児死亡,妊産婦死亡
6 婚姻と離婚
F 生命表
1 生命表とは
2 平均余命と平均寿命
3 健康寿命
G 傷病統計
1 患者調査
2 国民生活基礎調査
H 健康増進に関する統計
1 国民健康・栄養調査
2 保健医療データのプラットフォーム
練習問題
生活習慣(ライフスタイル)の現状と対策
A 健康管理に関する行動と社会
1 健康の生物・心理・社会モデル
2 生活習慣病,非感染性疾患(NCDs)
3 健康日本21
4 健康増進法
B 食生活と栄養
1 国民健康・栄養調査
2 食生活と栄養の現状
3 食生活と栄養の健康影響
4 食生活と栄養に関する施策
5 今後の日本人の長寿を支える「健康的な食事」
C 身体活動・運動
1 身体活動・運動の現状
2 身体活動・運動の健康影響
3 健康づくりのための身体活動基準および指針
D 喫煙行動
1 喫煙の現状
2 喫煙の健康影響と社会問題
3 禁煙サポートと喫煙防止
4 たばこ対策
E 飲酒行動
1 飲酒の現状
2 飲酒の健康影響と社会問題
3 アルコール対策と節度ある飲酒(適性飲酒)
F 睡眠,休養,ストレス
1 睡眠と生活リズム,健康への影響
2 睡眠障害と睡眠不足の現状,健康づくりのための睡眠ガイド2023
3 休養の概念と休養指針
4 ストレスの概念とストレスマネジメント
G 歯科口腔保健
1 歯・口腔の健康と食生活
2 歯・口腔と全身の健康
3 歯科口腔保健行動
4 歯科口腔保健対策
練習問題
主要疾患の疫学と予防対策
A が ん
1 主要部位のがんの疫学と予防対策
2 がん対策とがん検診
B 循環器疾患
1 高血圧
2 脳卒中(脳血管疾患)
3 心疾患
C 代謝性疾患
1 肥 満
2 メタボリックシンドローム
3 糖尿病
4 脂質異常症
D 骨・関節疾患
1 ロコモティブシンドローム
2 骨粗鬆症,骨折
3 変形性関節症
E 感染症
1 感染症法
2 主要な感染症
3 検疫と予防接種,感染症対策
F 精神疾患
1 主な精神疾患
2 精神保健対策
3 認知症
G その他の疾患
1 慢性腎臓病(CKD) 135
2 慢性閉塞性肺疾患(COPD)
3 肝疾患
4 アレルギー疾患
5 自殺,不慮の事故,虐待,暴力
6 難病法と難病対策
練習問題
社会保障制度
A 社会保障の概念
B 保健・医療・福祉における行政の仕組み
1 国の役割と法律
2 衛生法規の定義とその内容
3 地方自治の仕組み,地方自治法
4 都道府県の役割
5 市町村の役割
6 多職種の役割と連携
C 医療制度
1 医療保険制度
2 医療施設と医療従事者
3 国民医療費
4 公費医療制度
5 医療法と医療計画
6 保険者の役割とデータヘルス計画
D 福祉制度
1 社会福祉
2 社会福祉施設
3 障害者福祉
4 障害者福祉施設と在宅ケア,訪問看護
5 国際生活機能分類(ICF)
6 児童福祉など
7 高齢者福祉
E 所得保障
1 生活保護
2 年 金
F 雇 用
練習問題
地域の保健予防システム
A 原則と考え方
B 保健所の役割
1 保健所の歴史
2 保健所数
3 保健所の職員
4 保健所の業務
C 市町村保健センターの役割
D 保健師の役割
1 都道府県保健所保健師
2 市町村保健師
3 政令市・特別区保健師
4 保健師の活動状況
E 食生活の改善と栄養士の役割
1 食生活改善への取り組み
2 栄養士の役割
3 その他
F 災害・健康危機管理対策
G 食品衛生法
練習問題
母子の健康管理
A 母子保健事業
1 保健指導
2 訪問指導
3 健康診査
4 新生児マススクリーニング
5 妊娠の届出と母子健康手帳
B 児童虐待
C 小児医療費公費負担制度
1 小児慢性特定疾病
2 自立支援医療(育成医療)
3 養育医療
4 療育の給付(療育医療)
5 乳幼児医療費助成
D 母体保護法
E 健やか親子21(第2次)
F 子ども・子育て支援新制度
練習問題
学校の健康管理
A 健康診断と保健指導
1 健康診断
2 学校保健統計調査
3 学校感染症
B 学校給食
C 栄養教諭
D 保健教育
E 児童生徒の問題行動
練習問題
成人・高齢者の健康管理
A 高齢者の医療の確保に関する法律
1 生活習慣病の発症予防と重症化予防
2 特定健康診査(特定健診,メタボ健診)
3 特定保健指導とその評価
4 後期高齢者医療制度(長寿医療制度)と保健事業
B 健康増進事業
1 健康手帳
2 健康教育
3 健康相談
4 訪問指導
5 がん検診など
C 介護保険法
1 介護保険制度の概要
2 要介護認定とケアマネジメント
3 介護保険サービス
4 介護予防
D 地域包括ケアシステム
E 高齢者保健の課題
1 認知症
2 フレイル(虚弱)
練習問題
職場の健康管理
A 労働と健康
B 労働安全衛生法
C 労働安全衛生対策
D 産業保健従事者
E 職業と健康障害
1 職業病と作業関連疾患
2 健康診断
3 心身両面にわたる健康保持増進と快適職場づくり
4 職場のメンタルヘルス
F 労働災害
練習問題
○×問題の解答・解説
索 引
コラム
利益相反
地域保健活動における調査の進め方の例
ひのえうま(丙午)
死因順位
新型コロナウイルス感染症
体力・運動能力の動向と体力テスト
健診・検診の歴史
治療と仕事の両立
快適な職場環境の形成
過労死等防止対策推進法
労働安全衛生マネジメントシステム
改訂第6版 序
本書は,もともと読者対象として想定された管理栄養士・栄養士の養成課程に加えて, さまざまな保健医療福祉専門職の養成課程や体育系課程など,多くの大学・専門学校などで教科書として好評をいただいています.前身書は1988年から刊行されており,ご自身が学生のときにお使いいただいた教員の方もいらっしゃるのではないかと思いますが,時代の変化に対応して,絶えず最新の内容に改訂を繰り返していること,また重要なポイントを比較的コンパクトにまとめている点が,ロングセラーとして定着した理由ではないかと考えています.
今回の改訂第6版では,制度の改正や新しいできごと,最新の統計データ等を盛り込んで,新しい時代に向けた教科書として完成することができました.とくに,読者のみなさんから寄せられたご意見を検討し,よりわかりやすく,充実した内容になるようにしました.また,保健医療福祉分野の幅広い読者対象を想定しつつ,令和4年度管理栄養士国家試験出題基準に新たに記載された項目についての対応も行いました.具体的には,第2章「疫学」では,倫理審査やオプトアウトなどについて説明を加えるようにしました.第3章「統計学」では,現場の業務の中で知っておく必要のある考え方などを中心に,よりわかりやすい説明になるようにしました.また,第4章「保健統計」では,レセプト情報・特定健診等情報データベース(NDB)や国保データベース(KDB)について,第6章「主要疾患の疫学と予防対策」では,骨折,認知症,肝疾患,アレルギー疾患,自殺,不慮の事故,虐待,暴力などについて項目を新設して内容を充実させました.第10章「学校の健康管理」では,学校保健統計調査や,体力・運動能力の動向と体力テストの記述を追加しました.一方で,最近扱われることが少なくなった事項についてはスリム化を図り,全体の分量があまり増えないようにしました.
本書が大学,専門学校などで教科書としての役割を果たすとともに,第一線で公衆衛生活動および健康管理業務に従事している専門職および事務職の方々の手引き書としても役立つことを期待しています.
最後に,『基礎から学ぶ健康管理概論(改訂第6版)』の出版に当たり,編集にかかわる作業をお引き受け下さった南江堂の担当者各位に厚く御礼申し上げます.
2025年1月
編集者
尾島 俊之,堤 明純
