産科婦人科手術で初めて執刀する時に必ずみておく教科書
編集 | : 小松宏彰 |
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ISBN | : 978-4-524-20672-8 |
発行年月 | : 2024年2月 |
判型 | : B5判 |
ページ数 | : 206 |
在庫
定価6,930円(本体6,300円 + 税)
- 商品説明
- 主要目次
- 序文
自信をもって初オペに臨むために! 帝王切開から悪性腫瘍のロボット手術まで,執刀前にどんな準備が必要なのか? 術前評価,必要な器具・用途,術野の解剖,周術期管理,退院後の指導までのポイントを産婦人科未来委員会若手委員会のOB・OGが教えます.後輩指導にも活用できる術式別チェックリスト付き.産科婦人科手術の準備はコレでOK!
はじめに
Chapter 1 開腹手術
1.開腹手術の前に必ず知っておくこと
2.瘢痕切除は必要か?
良性腫瘍
3.卵巣囊腫摘出術・付属器切除術
4.子宮筋腫核出術
5.子宮全摘出術
悪性腫瘍
6.子宮体癌手術
7.子宮頸癌手術
8.卵巣癌手術
9.閉腹のときに理解しておくこと
10.ケロイド・肥厚性瘢痕予防のために必ず知っておくこと 〜浅筋膜縫合について〜
Chapter 2 腹腔鏡下手術
1.腹腔鏡下手術の前に必ず知っておくこと
良性腫瘍
2.卵巣囊腫摘出術・付属器摘出術
3.子宮筋腫核出術
4.子宮全摘出術
5.仙骨腟固定術
悪性腫瘍
6.子宮体癌手術
7.子宮頸癌手術
8.卵巣癌(審査腹腔鏡)
Chapter 3 ロボット支援下手術
1.ロボット支援下手術の前に必ず知っておくこと
良性腫瘍
2.子宮全摘出術
悪性腫瘍
3.子宮体癌手術
4.仙骨腟固定術
Chapter 4 帝王切開術
1.帝王切開術の前に必ず知っておくこと
2.初回帝王切開術
3.反復帝王切開術
4.帝王切開時に注意する患者説明のポイント
5.帝王切開のちょっとしたコツ
Chapter 5 子宮鏡下手術
1.筋腫核出術・ポリープ切除術
Chapter 6 経腟手術
1.子宮全摘出術(腟壁形成術を含む)
2.円錐切除術(コルポスコピー検査含む)
3.頸管縫縮術
4.vNOTES
Column
執刀医の立ち位置
進化と産科の歴史
女性産婦人科医のキャリアプラン
これからの働き方改革,タスクシフトの未来予想図
Message
手術の心得,そしてこれからの若手医師へ
未来委員会と若手委員会の「お父さん」
未来の産婦人科若手医師に向けて 〜第三代目 産婦人科未来委員会委員長からのメッセージ〜
おわりに
索 引
まず,本書作成にあたって,これまでの産婦人科人生で関わらせていただいた全国の仲間,そしてご指導いただいた生水教授,渡利教授,吉田教授,磯部教授に心より御礼申し上げます.皆様のおかげで,初めての編集本が完成いたしました.私は卒後5年目,産婦人科3年目の時から産婦人科医のリクルート活動という目的を理由に知り合った先生方との『つながり』を大切にしてきました.しかし,同じ目的のもとに集まった仲間との活動は非常に楽しく,そして面白いものでした.一人でも多くの産婦人科医の誕生を願いながら,一方で横のつながり,一部では縦のつながりも形成されることにたまらないワクワク感を抱いていました.時にはリクルートの成功に歓喜し,時には他診療科を選択されたことに寂しさを覚えました.しかし,悩みや苦労をともにした仲間との絆は強く,卒後14年目になった今,多くの学会業務で仲間と一緒に仕事をさせていただき,本当に感謝しております.
さて,本書を手に取って購入してくださった皆様は,おそらくご自身に執刀のチャンスが回ってきた,あるいは今後そのチャンスに期待しておられることでしょう.初執刀のチャンスはわれわれにとっては日常業務の 1 例かもしれませんが,多くの場合,患者さんにとっては一生に1回の出来事です.毎回の手術が,『まあこのくらいかな』であっても,患者さんは医師が全力で手術をしてくれていると思っています.最初からうまくできるわけがない,失敗はつきもの,と思っているかもしれませんが,われわれに命を預けている患者さんはそのようなもので納得することはありません.例えば,皆さんが病気になったとき,研修医の手術を受けますか? 学生に腹腔内の操作をさせますか? きっと,ベテラン医師にしてもらいたいと思いますよね? そう思われるのであれば,たとえ初めての執刀であっても,ベテランの先生と同じような手術ができるように綿密に準備を行っておく必要があると思います.昨今,多くの手術動画を見ることができるようになりました.手術トレーニングの学習ツールも各種存在しています.昔のように手術室で学ぶことは不要であり,動画だけ見ておけば良いと思っているかもしれません.しかし,音声のない動画では,どんなことを考えながら手術をしているのか,理解はできません.古い習慣が必ずしも良いとは言いませんが,古い習慣の中にも手術上達の秘訣が隠されていると思っています.執刀する場に立つときは,患者さんの命を背負って,ベテランの手術手技に匹敵する第一刀を,そんな産婦人科医を目指してほしいと思います.そのために,まずはこの本が皆様にとって意義ある書籍となることを願っております.
2024 年 2 月
鳥取大学医学部附属病院 女性診療科群 講師 小松宏彰