健康・栄養科学シリーズ
臨床医学改訂第2版
人体の構造と機能及び疾病の成り立ち
監修 | : 国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所 |
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編集 | : 羽生大記/河手久弥 |
ISBN | : 978-4-524-20663-6 |
発行年月 | : 2024年11月 |
判型 | : B5判 |
ページ数 | : 392 |
在庫
定価3,740円(本体3,400円 + 税)
- 商品説明
- 主要目次
- 序文
臨床栄養へつながる疾患の病態や診断,治療などをフルカラーで解説.各疾患の冒頭には解剖生理学の簡単なまとめと概略図を掲載し,基礎を確かめながら読み進めることができる.管理栄養士国家試験出題基準に沿った目次構成や国試過去問をもとにした練習問題により国試を意識した学習が可能.今改訂では,管理栄養士国家試験出題基準(2023年改定)に準拠し,各種ガイドラインの更新を行ったほか,他科目への応用を提示した「他分野への橋わたし」を新設した.人体の構造と機能および主要疾患の系統的な理解に同シリーズの「生化学」「解剖生理学」との併用がおすすめ!
第1章 加齢・疾患に伴う変化
A 加齢に伴う変化
1 分子レベルの変化
2 器官レベルの変化
B 疾患に伴う変化
1 萎縮と肥大
2 変 性
3 壊死とアポトーシス
4 再生と化生
5 炎症と創傷治癒
6 腫 瘍
C 個体の死
1 心臓死
2 脳 死
3 植物状態
● 練習問題
第2章 疾患診断の概要
A 問診と診察
1 問 診(医療面接)
2 身体診察
B 主な症候
1 バイタルサイン
2 全身症候
3 その他の症候・病態
C 臨床検査
1 種類と特性
2 基準値の考え方
3 一般臨床検査
4 血液学検査
5 生化学検査
6 免疫学検査
7 微生物学検査
8 生理機能検査
9 画像検査
● 練習問題
第3章 疾患治療の概要
A 種類と特徴
1 原因療法,対症療法
2 保存療法,根治療法
B 治療計画・実施・評価
1 治療の適応・選択
2 実 施
3 モニタリング
4 評 価
C 治療の方法
1 栄養・食事療法
2 運動療法
3 薬物療法
4 手術療法
5 輸液,輸血,血液浄化
6 臓器・組織移植,人工臓器
7 放射線治療
8 リハビリテーション
9 再生医療
10 救急救命治療とクリティカルケア
11 緩和医療
12 代替医療
13 終末期医療(ターミナルケア)
14 尊厳死
● 練習問題
第4章 栄養障害と代謝疾患
A 栄養・代謝に関する基礎知識
B 栄養障害
1 飢 餓
2 たんぱく質・エネルギー栄養障害(PEM),栄養失調症
3 悪液質(カヘキシア)
4 ビタミン欠乏症・過剰症
5 ミネラル欠乏症・過剰症
C 肥満と代謝疾患
1 肥満,メタボリックシンドローム
2 糖尿病
3 脂質異常症
4 高尿酸血症,痛風
D 先天性代謝異常症
1 アミノ酸代謝異常
2 糖代謝異常
3 その他の先天性代謝異常
● 練習問題
第5章 消化器系
A 消化管の構造と機能
1 口腔・咽頭・食道の構造と機能
2 腹部消化管の構造と機能
B 消化管疾患の成因・病態・診断・治療
1 口内炎,舌炎
2 胃食道逆流症
3 胃潰瘍,十二指腸潰瘍
4 たんぱく漏出性胃腸症
5 炎症性腸疾患
6 過敏性腸症候群
7 便 秘
8 腸閉塞(イレウス)
9 食道がん
10胃がん
11 大腸がん
C 肝・胆・膵の構造と機能
1 肝臓・胆囊・膵臓の構造と機能
D 肝・胆・膵疾患の成因・病態・診断・治療
1 肝 炎
2 肝硬変
3 脂肪肝,NAFLD・NASH
4 胆石症,胆囊炎
5 膵 炎
6 肝臓がん
7 膵臓がん
● 練習問題
第6章 循環器系
A 循環器系の構造と機能
1 心 臓
2 心臓の弁
3 冠循環
4 心臓壁
5 心 筋
6 特殊心筋
7 心拍出量
8 血 圧
9 血圧の調節機構
B 循環器疾患の成因・病態・診断・治療
1 虚血,充血,うっ血
2 血栓,塞栓
3 動脈硬化
4 高血圧症
5 虚血性心疾患
6 不整脈
7 肺塞栓症
8 心不全
9 脳卒中
● 練習問題
第7章 腎・尿路系
A 腎・尿路系の構造と機能
1 腎臓の構造
2 腎臓の機能
3 尿路の構造と機能
4 症候や検査
B 腎・尿路疾患の成因・病態・診断・治療
1 急性糸球体腎炎
2 ネフローゼ症候群
3 急性腎障害
4 慢性腎臓病,慢性腎不全,糖尿病性腎症,慢性糸球体腎炎,腎硬化症,尿路結石症
5 血液透析,腹膜透析
● 練習問題
第8章 内分泌系
A 内分泌器官と分泌ホルモン
1 ホルモンの種類
2 ホルモンの作用機構
3 ホルモン分泌の調節
B 内分泌疾患の成因・病態・診断・治療
1 下垂体の疾患
2 甲状腺の疾患
3 副甲状腺(上皮小体)の疾患
4 副腎の疾患
● 練習問題
第9章 神経・精神系
A 神経系の構造と機能
1 神経伝達物質
2 脳と脊髄の構造,脳神経と脊髄神経
3 自律神経系
B 神経疾患の成因・病態・診断・治療
1 認知症
2 パーキンソン病,パーキンソン症候群
3 筋萎縮性側索硬化症
C 精神疾患の成因・病態・診断・治療
1 神経性やせ症(神経性食欲不振症)
2 神経性過食症(神経性大食症)
3 アルコール依存症
● 練習問題
第10章 呼吸器系
A 呼吸器系の構造と機能
1 呼吸器系の構造
2 呼吸器系の機能
3 動脈血ガス分析とパルスオキシメータによる呼吸状態の評価
4 スパイロメータによる呼吸機能の評価
B 呼吸器疾患の成因・病態・診断・治療
1 慢性閉塞性肺疾患
2 気管支喘息
3 肺 炎
4 肺がん
● 練習問題
第11章 運動器(筋・骨格)系
A 運動器系の構造と機能
1 骨
2 関 節
3 筋 肉(骨格筋)
B 運動器疾患の成因・病態・診断・治療
1 骨粗鬆症
2 骨軟化症,くる病
3 変形性関節症
4 関節リウマチ
5 フレイル(虚弱)
6 サルコペニア
7 ロコモティブシンドローム
● 練習問題
第12章 生殖器系
A 生殖器系の構造と機能
1 女性生殖器系の構造と機能
2 女性の性周期
3 男性生殖器系の構造と機能
B 妊娠と分娩・妊娠合併症
1 生殖,発生
2 妊娠高血圧症候群
3 妊娠糖尿病
4 妊娠悪阻
C 女性生殖器疾患の成因・病態・診断・治療
1 子宮筋腫
2 子宮内膜症
3 更年期障害
4 子宮頸がん
5 子宮体がん(子宮内膜がん)
6 乳がん
D 男性生殖器疾患の成因・病態・診断・治療
1 前立腺肥大症
2 男性の性機能低下
3 前立腺がん
● 練習問題
第13章 血液・凝固系
A 血液・凝固系の構造と機能
1 血液の成分
2 白血球
3 赤血球
4 血小板,凝固因子と止血
5 造血器
6 血 漿
B 血液系疾患の成因・病態・診断・治療
1 貧 血
2 出血性疾患
3 白血球系疾患
4 成人T細胞白血病・リンパ腫
5 多発性骨髄腫
● 練習問題
第14章 免疫・アレルギー
A 免疫系の構造と機能
1 免疫とは
2 自然免疫
3 獲得免疫
B 免疫・アレルギー疾患の成因・病態・診断・治療
1 アレルギー反応
2 アレルギー疾患
3 膠原病,自己免疫疾患
4 免疫不全
● 練習問題
第15章 感染症
A 感染症の成因・病態・診断・治療
1 病原体
2 感染症の成立
3 人獣共通感染症
4 性行為感染症
5 日和見感染と院内感染
6 新興感染症,再興感染症
7 感染症各論
8 化学療法(抗菌薬,抗生物質)
9 薬剤耐性
● 練習問題
参考図書
練習問題解答
索 引
国民栄養に関する指導の統一と徹底を図ることを目的とし,栄養士の身分とその業務が国家的に定められたのは,1945(昭和20)年の栄養士規則と私立栄養士養成所指定規則公布に遡る.当時の養成施設は14校であり,卒業生は全員栄養士として認められた.その後1947(昭和22)年の栄養士法公布を経て,管理栄養士制度が1962(昭和37)年に設けられた.そして,2000(平成12)年4月の栄養士法改正で,管理栄養士は医療専門職の国家資格として定められた.管理栄養士とは,厚生労働大臣の免許を受けて,傷病者に対する療養のために必要な栄養指導,個人の身体の状況,栄養状態等に応じた健康の保持増進のための栄養指導,並びに特定多数人に対して継続的に食事を供給する施設における利用者の身体の状況,栄養状態,利用の状況等に応じた特別の配慮を必要とする給食管理,及びこれらの施設に対する栄養改善上必要な指導等を行うことを業とする者と定義されている.栄養士制度の開始当初と異なり,国民の健康課題も食糧不足による低栄養から,2型糖尿病や脂質異常症をはじめとした生活習慣病へと移行した.また少子高齢社会による様々な社会的課題が生じており,管理栄養士に求められる知識や技術の高度化が必須である.
本 “健康・栄養科学シリーズ” は,このような背景に沿い,国立健康・栄養研究所の監修として,元理事長 田中平三先生のもとに立ち上げられた.そして国家試験出題基準準拠の教科書として,管理栄養士養成教育に大きな役割を果たし,好評と信頼に応え改訂を重ねてきた.
管理栄養士国家試験出題基準は2023(令和5)年1月,学術の進歩やこの間の法制度の改正と導入に対応し,「管理栄養士としての第一歩を踏み出し,その職務を果たすのに必要な基本的知識及び技能」を問うものとして内容を精査した改定がなされた.そこで本シリーズもこれまでの改訂に重ねて改定国家試験出題基準準拠を継続するかたちで順次改訂しているところである.各科目の重要事項を押さえた教科書,国家試験受験対策書,さらに免許取得後の座右の書として最良の図書であると確信し,推奨する.尚,本シリーズの特徴である,@出題基準の大項目,中項目,小項目のすべてを網羅する,A最適の編集者と執筆者を厳選する,B出題基準項目のうち重要事項は充実させる,C最新情報に即応する,という従来の編集方針は,引き続き踏襲した.
管理栄養士を目指す皆さんが,本シリーズを活用して管理栄養士国家資格を取得し,実践現場における様々な栄養ニーズに応えるべく研鑽を積み,保健・医療専門職としての知識を生かし,国民のQOL(生活の質,人生の質)の保持増進に貢献することを祈念する.
2024年2月
国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所 理事 瀧本 秀美