書籍

眼科診療 秘伝の書

編集 : 井上俊洋
ISBN : 978-4-524-20549-3
発行年月 : 2024年11月
判型 : B5判
ページ数 : 256

在庫あり

定価9,350円(本体8,500円 + 税)

  • 新刊

  • 商品説明
  • 主要目次
  • 序文

「そんなやり方があったんだ!」「やっぱりそれでよかったんだ!」がわかる専門家のリアルな臨床を「秘技」として掲載した出色の書.正攻法のポイントはもちろんのこと、一筋縄ではいかない症例に遭遇したときにエキスパートが独自に行っている打開策や一歩先の診察・検査・治療方法を紹介.眼科診療の最前線で尽力される先生方に発見と確信をもたらす書籍.

第一章 前眼部疾患
 ❶ 霰粒腫
 ❷ 睫毛内反・睫毛乱生
 ❸ 兎 眼
 ❹ 眼瞼下垂・眼瞼皮膚弛緩
 ❺ ウイルス性結膜炎
 ❻ アレルギー性結膜疾患
 ❼ 結膜弛緩症
 ❽ 翼状片
 ❾ 結膜結石・異物
 ❿ ドライアイ
 ⓫ コンタクトレンズ装用に伴う角膜障害
 ⓬ 細菌性・真菌性角膜炎
 ⓭ ヘルペス性角膜炎
 ⓮ 水疱性角膜症
 ⓯ 上強膜炎・強膜炎
第二章 水晶体疾患
 ❶ 白内障手術の合併症:後囊破損
 ❷ 白内障手術の合併症:Zinn 小帯断裂
 ❸ 後発白内障
第三章 緑内障
 ❶ 開放隅角緑内障:診断・検査
 ❷ 開放隅角緑内障:治療
 ❸ 閉塞隅角病
 ❹ ぶどう膜炎続発緑内障
 ❺ 血管新生緑内障
 ❻ 緑内障手術の合併症
 ❼ 濾過胞管理
第四章 後眼部疾患
 ❶ 中心性漿液性脈絡網膜症
 ❷ 滲出型加齢黄斑変性
 ❸ 黄斑上膜
 ❹ 黄斑円孔
 ❺ 硝子体手術の灌流トラブル
 ❻ 網膜色素変性
 ❼ 裂孔原性網膜剝離
 ❽ 網膜動脈閉塞症
 ❾ 網膜静脈閉塞症
 ❿ 糖尿病網膜症
 ⓫ 鈍的眼外傷
 ⓬ 穿孔性眼外傷
 ⓭ 急性網膜壊死
 ⓮ サルコイドーシス
 ⓯ Behçet 病
 ⓰ Vogt-小柳-原田病(原田病)
第五章 神経眼科疾患
 ❶ 弱 視
 ❷ 視神経炎
 ❸ 外傷性視神経症
 ❹ 動眼神経・滑車神経・外転神経麻痺
第六章 眼付属器・その他の疾患
 ❶ 眼窩炎症
 ❷ 涙小管閉塞,涙小管炎
 ❸ 涙囊炎
 ❹ 先天鼻涙管閉塞
 ❺ 小児の近視
 ❻ 老 視
 ❼ 機能性・心因性視覚障害

 日常診療で,「教科書どおりにやったのに,うまくいかないんだけど?」と感じられたこと
はないでしょうか? 同一の疾患でもいろんな病型があったり,病型が同じでもまた個人差が
あったりと,実臨床は一筋縄ではいかないものです.そんなとき,達人は豊富な経験をもとに
した解決のための多くの引き出しをもっているものです.
 眼科診療において,基本に忠実であることが最重要なのはいうまでもありませんが,教科書
には記載されていない診療のちょっとしたコツや,各大学で受け継がれている伝統の技,達人
が経験に基づいて行っている技も実は多く,本邦の眼科診療の底上げという点からそうした知
識の共有,伝承の需要は非常に大きいと考えます.しかしながら,そうした知識もいわゆる正
攻法から外れていると公的に語られることは少なく,一般的な教科書に載る機会も少ないので
はないでしょうか.
 本書は,そんな普段は外に出てこない知識を世に知らしめるべく企画されました.そういっ
た事情ですので,執筆者の先生方には「お持ちの秘技を思い切って書いてください!」という
スタンスでお願いしましたし,読者の方には「それぞれのご判断で,自己責任でお試しくださ
い!」とお願いしたいと思います.もちろん正攻法も大事ですので,併せてご確認いただける
ようにしました.
 取り上げた疾患は,若手眼科医が日常診療で向き合う機会の多いものに絞り,各疾患の診療
のエキスパートが,正攻法における重要なポイント,正攻法の診療で行き詰ったときの別の打
開策,あるいは一歩進んだ診療が必要なときに独自で行っている技を中心に解説していただき
ました.若手眼科医の方が,「そんなやり方があったのか」「やっぱりそれで良かったのか.教
科書に書いていないから半信半疑であったが,自信をもってできる」と本書1冊で実感でき,
通常の教科書では対応できない臨床での悩みを解決に導くことができれば幸いです.また,私
自身がそうであったように,もはや若手ではない眼科医にとっても目からウロコの知識が満載
です.とくに,専門外の分野についてはベテランの先生でも初耳の知識があること,請け合い
です.
 通常の教科書とは異なる形態で無理難題を申し上げましたにもかかわらず,手間のかかる依
頼を引き受け,秘技を惜しみなく披露してくださった先生方に,この場を借りて改めて厚く御
礼申し上げます.

 2024 年10 月
井上 俊洋

9784524205493