今日のOTC薬改訂第6版
現場で役立つ知識と商品選択のコツ
編集 | : 伊東明彦/中村智徳 |
---|---|
編集協力 | : 新井佑朋 |
ISBN | : 978-4-524-20449-6 |
発行年月 | : 2024年8月 |
判型 | : A5判 |
ページ数 | : 684 |
在庫
定価4,620円(本体4,200円 + 税)
正誤表
-
2024年12月02日
第1刷
- 商品説明
- 主要目次
- 序文
OTC薬の定番本が,作用メカニズムのイラストも入って全面リニューアル!とりあえずの情報をざっくり調べるのに役立つチャートや図が充実.病態生理から成分の詳細まで調べることができ,症状や患者背景から最適な製品がわかる.OTC 薬販売に役立つ+αの知識が得られるQ&Aのほか,各領域のOTC薬の動向もわかるので,はじめてOTC薬を販売する人からベテランまで,現場で役立つヒントが詰まっている.
■本書の使いかた
■OTC薬を用いた薬物療法の実践
■販売時に確認する項目と話法例
■トリアージの判断チャート
1 頭痛,生理痛
2 かぜ様症状
3 咳,痰
4 胃部不快感
5 下痢
6 便秘
7 痔
8 肩こり,筋肉痛,腰痛,関節痛
9 くしゃみ,鼻水,鼻づまり
10 口腔内・口唇の異常
11 皮膚の痒み
12 にきび,肌荒れ
13 傷,外傷
14 みずむし
15 抜け毛,ふけ
16 目の症状
17 不眠,子どもの夜泣き,疳の虫
18 動悸,息切れ
19 禁煙したい
20 倦怠感,疲労,栄養不良による諸症状
■ぱっと見!OTC薬
1 解熱鎮痛薬
2 総合感冒薬(かぜ薬)
3 鎮咳去痰薬
4 胃腸薬
5 止瀉薬,整腸薬
6 便秘治療薬
7 痔疾患治療薬
8 外用鎮痛消炎薬
9 点鼻薬,鼻炎用内服薬
10 歯科・口腔用剤
11 湿疹・皮膚炎治療薬
12 虫さされ,痒み止め用薬
13 しもやけ,ひび,あかぎれ用薬
14 うおの目,たこ,いぼ用薬
15 にきび治療薬
16 やけど用薬
17 みずむし治療薬
18 毛髪用薬
19 眼科用薬
20 催眠鎮静薬
21 眠気防止薬
22 乗り物酔い予防薬(鎮うん薬)
23 強心薬
24 禁煙補助薬
25 生活習慣病改善薬
26 排尿障害改善薬
27 漢方製剤
28 殺菌消毒薬,救急絆創膏
29 虫よけ薬
30 ビタミン剤
31 滋養強壮剤,ドリンク剤,カルシウム剤,アミノ酸
■各論(解説・便覧)
1 解熱鎮痛薬
2 総合感冒薬(かぜ薬
3 鎮咳去痰薬
4 胃腸薬
5 止瀉薬,整腸薬
6 便秘治療薬
7 痔疾患治療薬
8 外用鎮痛消炎薬
9 点鼻薬,鼻炎用内服薬
10 歯科・口腔用剤
11 湿疹・皮膚炎治療薬
12 虫さされ,痒み止め用薬
13 しもやけ,ひび,あかぎれ用薬
14 うおの目,たこ,いぼ用薬
15 にきび治療薬
16 やけど用薬
17 みずむし治療薬
18 毛髪用薬
19 眼科用薬
20 催眠鎮静薬
21 眠気防止薬
22 乗り物酔い予防薬(鎮うん薬)
23 強心薬
24 禁煙補助薬
25 生活習慣病改善薬
26 排尿障害改善薬
27 漢方製剤
28 婦人薬
29 その他
@ 体臭(腋臭)予防・制汗剤
A サンスクリーン剤
B 殺菌消毒薬,救急絆創膏
C 虫よけ薬
D ビタミン剤
E 滋養強壮剤,ドリンク剤,カルシウム剤,アミノ酸
30 妊婦・授乳婦に対するOTC薬の選択
31 小児に対するOTC薬の選択
■付録
1 主なOTCブランド大解剖
ロキソニンS シリーズ
バファリン シリーズ
イブ シリーズ
ナロン シリーズ
パブロン シリーズ
エスタック シリーズ
ベンザ シリーズ
ルル シリーズ
パンシロン シリーズ
コーラック シリーズ
スルーラック シリーズ
2 重大な副作用一覧
3 セルフメディケーション税制
4 新型コロナウイルス感染症の抗原検査キット
5 カタカナ漢方一覧
■索引
薬剤・成分索引
用語索引
■コラム ●スイッチOTC医薬品の成分等に関わる広告表現について
■コラム ●うおの目,たこ,いぼ用薬は,糖尿病患者でも使用できるか?
■コラム ●ライ症候群と解熱鎮痛薬
■コラム ●薬剤性過敏症症候群
■コラム ●薬剤の服用が原因の下痢−薬剤性下痢
■コラム ●薬剤の服用が原因の便秘−薬剤性便秘
■コラム ●「外用鎮痛消炎薬製造販売承認基準」について
■コラム ●子どものむし歯は減っている?−フッ化物洗口の考え方
■コラム ●疥癬とは
■コラム ●「令和5年度 健康実態調査結果の報告」について−生活習慣,睡眠・ストレス
■コラム ●一般用医薬品における副作用報告
■コラム ●抗肥満薬初のダイレクトOTC薬
■コラム ●健康食品について
■コラム ●緊急避妊薬
■コラム ●排卵日検査薬,妊娠検査薬
近年,肥満症治療薬の開発競争が激化しており,OTC 薬でも内蔵脂肪減少薬のオルリスタットを含有する製品が承認され,売り上げを急激に伸ばしています.また鎮痛効果を高めた製品や,視力の維持・改善が期待される成分を配合した目薬など,高付加価値を付けたOTC 薬が好調な売り上げとなっています.このように新規OTC 薬の市場投入や,その情報提供の強化を通じて,国民全体のセルフメディケーションに対する意識づけや行動変容が進んでおり,今後OTC 薬の需要はわずかずつ増加していく見通しと言われています.また,新型コロナウイルス感染症の第7 波感染拡大に伴い,高額な新規治療薬の代替薬として,OTC 薬の総合感冒薬や口腔用薬,鎮咳去痰薬,うがい薬,漢方薬などを使用するケースが増えています.
さらに,東日本大震災,熊本地震ならびに能登半島地震などの大災害が発生した際に,被災地に届けられるべき医療用医薬品が,必要とする患者に十分に行き渡らないという問題が浮き彫りとなっています.これらの教訓から,災害時における急性期の災害救護活動で,軽度の症状にOTC 薬を適切に使用することによって,症状の悪化を防ぎ,災害医療チームの負担軽減にもつながるなど,災害時のOTC 薬の有用性は高いと言えるでしょう.
このような状況下,厚生労働省の有識者会議では,今後,医薬品・医療機器法を改正する方針が示されています.現行で販売時の説明が必要ない第3 類一般用医薬品を第2 類と統合し,「薬剤師または登録販売者が販売する医薬品」として,第2 類と同様に販売時の説明が努力義務として課されること,説明を必要としないOTC 薬については医薬部外品に移行することが打ち出されました.このことは現行のリスク分類が複雑すぎるとの指摘によるところが大きく,今後は分類を簡素化し,利用者にとってわかりやすい環境整備と,適切な情報提供が求められていると言えます.したがって,これからの薬剤師や登録販売者は,OTC薬についてより深く学び,同効薬の使い分けや,利用者の訴えから適確なトリアージを行い,受診勧奨の要否を判断する能力を高めていく必要があります.
以上のようなOTC 薬を取り巻く状況の急激な変化もあり,今回の改訂では,OTC 薬に携わる多くの方に利用していただけるよう,これまでにない大幅リニューアルを行いました.内容を全面的に書き換え,より現場目線での充実を図るとともに,前半と後半の二部構成としました.前半部分には,OTC 薬について現場でざっくりと知りたいときに役立つチャートや図を掲載しました.トリアージの判断チャートでは,OTC 薬での対応の可否を現場での思考過程に沿って確認することができ,ぱっと見! OTC 薬では,どのOTC 薬を選ぶのが適切かを判断することができます.後半部分には,これら2 つのパートの内容の詳細を解説としてまとめ,病態や発症メカニズム,症状から選ぶ成分,患者背景による成分の選びかた,Q&A形式の「OTC 薬販売に役立つ+αの知識」を掲載し,単なる知識だけでなく現場でも使える実用的な内容としました.各商品の成分の含有量や作用,併用禁忌薬剤などについてさらに詳しく知りたい場合には便覧で検索できるようになっています.それぞれの詳細については「本書の使いかた」(p.xii〜xv)をご参照ください.
本書を活用することにより,OTC 薬を求めて訪れた利用者を適確にトリアージし,適切な製品選択をサポートすることができ,ひいては利用者や地域住民の健康な生活の維持に貢献することが可能になると期待しています.
最後に,ご多忙のなか本書の改訂に協力いただいた執筆者各位に深く感謝申し上げるとともに,出版にご尽力頂きました,南江堂編集部の皆様に厚く御礼申し上げます.
2024 年5 月
伊東明彦
中村智徳