書籍

日本医師会生涯教育シリーズ

遺伝を考える

編集・発行 : 日本医師会
ISBN : 978-4-524-20369-7
発行年月 : 2023年7月
判型 : B5
ページ数 : 312

在庫あり

定価6,050円(本体5,500円 + 税)

  • 商品説明
  • 主要目次
  • 序文

医療者が知っておきたい遺伝に関する最新の知見・トピックを,基礎から臨床までカラー口絵とともに紹介した1冊.遺伝の基礎,遺伝学的診断,遺伝子操作とゲノム医療,遺伝子治療,新たな倫理的課題についてわかりやすく解説.実地医家が目まぐるしく進歩する遺伝子医学を理解し,日常診療の中で日々の研鑽に役立てられる内容となっている.

目 次
カラー口絵
 1. 均衡型染色体相互転座に起因する不育症カップルの胚に対するFISH法でのPGT-SR
 2. 着床前染色体異数性検査のNGS,aCGH法画像
 3. ゲノムワイド関連解析のマンハッタンプロット
 4. がん遺伝子パネル検査の流れ
 5. CAR-T細胞作成における遺伝子編集技術
 6. Genome Data Viewer
 
T章 遺伝の基礎
 1. 遺伝とは―その医学との関わり
 2. 遺伝の法則と遺伝形式 
 3. 染色体とDNAの構造
 4. 体細胞異常と生殖細胞系列バリアント
 5. ヒトの遺伝性疾患
 6. エピジェネティクス
 7. 家系情報の整理 
 8. 遺伝カウンセリング
 9. 遺伝医療における専門的人材とその育成
 10. 大規模ゲノム解析
 11. ゲノムデータベース
  大規模ゲノムデータセット 
  疾患遺伝子変異データベース
  日本人全ゲノム解析計画

U章 遺伝学的診断
 1. 保険収載されている遺伝学的検査
 2. 染色体と遺伝子解析の進歩 
 3. cell―free DNAを用いた診断
 4. 遺伝学的検査の精度管理 
 5. 個別診療分野における遺伝学的診断の進歩
  がん―成人
  がん―小児 
  着床前遺伝学的検査と出生前遺伝学的検査
  不妊症・不育症患者に対する着床前遺伝学的検査
  新生児の遺伝学的検査
  未診断疾患イニシアチブ
  ファーマコジェノミクス
  遺伝性乳がん卵巣がん症候群(HBOC)
  神経内科領域
  腎・泌尿器領域
  循環器領域
  消化器領域
  耳鼻科領域―難聴
  眼科領域―網膜色素変性
  皮膚科領域
  骨系統疾患
  マイクロバイオーム(腸内細菌叢の集合ゲノム) 
 6. 法医学分野における遺伝学的検査

V章 遺伝子操作とゲノム医療
 1. 遺伝子導入技術
 2. CRISPR-Casシステム―ゲノム編集と医療への応用
 3. わが国のがんゲノム医療の実現と展望
 4. ゲノム医療の経済的負担

W章 遺伝子治療
 1. 遺伝子治療とは
 2. 遺伝子治療の有効性と安全性
 3. 国内における遺伝子治療開発の課題と取り組み
 4. 遺伝子治療に用いられる基盤技術
  AAVベクター
  AAVベクターの利用拡大を目指すカプシド改変技術
  AAVベクター増殖のためのホスト細胞
  レンチウイルスベクター 
  プラスミドDNAを用いた遺伝子治療 
  遺伝子治療に用いられるゲノム編集技術 
 5. 造血幹細胞遺伝子治療
  原発性免疫不全症 
  ライソゾーム病
 6. AAVベクターを用いた遺伝子治療
  網膜変性疾患
  血友病 
  脊髄性筋萎縮症・筋ジストロフィー症 
 7. 遺伝子改変T細胞療法
  ゲノム編集技術を応用した遺伝子改変T細胞療法 
  造血器腫瘍の根治を目指した治療法開発
  固形がん
 8. がんのウイルス療法

X章 遺伝医療における倫理―ゲノム情報の重要性
 1. 遺伝学的検査の倫理的課題 
 2. ゲノム編集技術の倫理的課題
 3. 遺伝子検査ビジネス―DTC遺伝子検査の動向と課題

序文

 近年,遺伝医学に関する研究はますます発展し,臨床への応用にも期待が高まっている.一方で,遺伝子解析技術や遺伝子工学技術には倫理的課題が伴っており,われわれ医師は十分な知識と細心の注意をもって医療行為を行うことが求められている.
 本特別号はこのような遺伝情報技術の大きな流れを理解し,遺伝の基礎,遺伝学的診断,遺伝子操作とゲノム医療,遺伝子治療,新たな倫理的課題についてできるだけわかりやすく提供することを目的として企画された.遺伝学に関する基本的な知識を踏まえ,基礎研究から各領域における臨床の進歩まで,医療者が知っておきたい遺伝に関する最新の知見・トピックを概説している.本書を手に取った先生方には,目まぐるしく進歩する遺伝医学を今一度考え,日々の研鑽に役立てていただければ幸いである.
 最後に,本書の刊行に際してご尽力いただいた監修・編集の五十嵐隆先生,小杉眞司先生,杉浦真弓先生,中釜斉先生,松原洋一先生,そして執筆にご協力いただいた諸先生方に心より感謝申し上げる.

 2023年6月
 公益社団法人 日本医師会会長
 松本吉郎

9784524203697